投稿日:2025年8月10日

アロマバスボムOEMが二段発泡で香り層を順次放出するマルチコア構造

アロマバスボムOEMにおける二段発泡の革新:香り層を順次放出するマルチコア構造とは

アロマバスボム市場は、近年急速な成長を遂げています。
その中で「OEM(製造受託)」というビジネスモデルは、ブランド独自のバスボムを小ロットから開発したいと望む企業や個人にとって、重要な選択肢となっています。
特に最近注目を集めているのが、“二段発泡による香り層の順次放出”を実現したマルチコア構造のアロマバスボムです。
本記事では、20年以上製造業で培った現場経験と市場動向を交えながら、アロマバスボムOEMの最新トレンド、実務面のポイント、バイヤーが押さえるべきノウハウを解説します。

二段発泡バスボムの差別化ポイント

一段発泡から進化したマルチコア構造とは

従来のバスボムの多くは、投入と同時に一気に発泡し、香りが一斉に広がる“一段発泡”タイプが主流でした。
これに対し、マルチコア構造を持つ二段発泡タイプは、バスボム内部に複数の層や中心核(コア)を持たせることで、時間差で成分や香りを段階的に放出できるという構造上のメリットがあります。

第一段階で外側の層が発泡し、まずはやさしい香りが浴室に広がります。
しばらくしてから内側のコア部分が溶け出し、次のレベルの香りやオイル、入浴剤成分が追加で放出されるという仕組みです。
この演出によって、単なるバスボム以上に“体験”としての価値を高めることができ、リピーターを生む商品の開発が可能となります。

二段発泡の具体的なメリット

・香りのストーリー性が生まれ、ブランド独自の世界観を訴求できる
・入浴後半に別の色やラメ、スキンケア成分を加えることで訴求点アップ
・体験型ギフト・SNS映えアイテムとして従来品より“語れる商品”になる

このように、OEMでオリジナルバスボムを作る場合にも、マルチコア構造採用は差別化の最大ポイントと言えます。
供給側であるサプライヤーにとっても、原料配合や製造プロセスの高度化が求められる分、単なる価格競争から脱却できるビジネスチャンスとなります。

昭和的なアナログ工程と最新バスボムのせめぎ合い

なぜ日本のバスボムOEM現場では進化が遅れていたのか

日本の老舗入浴剤メーカーやOEM工場では、「管理された安心安全」や「大量生産効率性」を追求する昭和的な生産体制が色濃く残ってきました。
既存設備を前提にした汎用的な丸型一体成形や、手作業による封入が主流であり、複雑な多層構造を安定生産するノウハウが必ずしも普及していませんでした。

また、バスボム自体が高度な化学反応(主に重曹とクエン酸の反応)をベースとするため、どこでどのように香り付けやオイル、ラメなどの異種素材を融合させるかといった工程で、失敗がリスクとされてきました。
この背景には、「事故ゼロ最優先」という日本製造業ならではのカルチャーが強く、冒険的な成分・仕組みの開発が遅れがちだった事実もあります。

グローバル市場、そして「体験消費」の潮流がもたらした変化

一方ここ数年、“体験消費”や“自己表現型消費(SNS映え)”という価値観が消費者層に定着し、世界的ラグジュアリーブランドや韓国系コスメブランドのバスボムが二段発泡を標準搭載し始めました。
日本のアナログな現場にも、最新設備の導入や工程改善の波が到来しています。

バイヤーの視点からも、従来比で明確な機能的・感覚的“違い”のあるOEM提案が増えており、自社ブランドの付加価値化を企図する動きが加速しています。
このような時流に乗り遅れず、「実際にどういうOEMパートナーを選ぶか」が新たな成否の分岐点になると考えられます。

製造現場での「二段発泡×香りマルチコア」実現のノウハウ

製法の革新と注意点

二段発泡・マルチコア構造を再現するには、外側層(第一のバスソルト層)と内側コア(第二の発泡成分+香り・オイル層)の分離製法が必要になります。
具体的には、まず第一層の成分を型に充填し表面を軽く圧縮します。
中央部にコアとなる素材を配置し、さらに外周に第一層原料を加えて全体を成形します。

この際、重要となるのは以下の管理です。

・外層/内層の含水率・粒度統一(分離や発泡ムラ防止のため)
・香料や油分が他層にブリードしない配合バランス
・成形時や保管時の物理的強度と含水環境(割れ・変質対策)

この製法革新をボトルネックにしないためには、“異種素材の多層成形ノウハウ”を持ったOEMサプライヤーとの連携、「生産/現場目線」での改良サイクルが不可欠です。

原材料選定のポイント

外層には速攻性の高い発泡原料と軽やかな香りを、内層には持続型の精油や肌保湿オイルなどを用いるのがトレンドです。
最近はコスメ原料グレードの安全性や、環境配慮型素材(ナチュラルオイル・生分解性ラメなど)がOEM案件で選ばれやすくなっています。

バイヤーの立場なら、サプライヤーに“複数の香りレイヤーでどう違いを設計しているか”を必ず聞きましょう。
同時に、ユーザー視点では“発泡後半にも明確な香りや体験があるか”もチェックポイントとなります。

バイヤー・サプライヤーの「成功の鍵」:二段発泡OEM商品化の実践ポイント

バイヤー視点:OEM依頼時の差別化発注ノウハウ

・「香り体験」「見た目」「SNS映え+語れるストーリー」の三位一体で設計意図を伝える
・先行ブランドの事例分析と、それ以上の何を付加できるかを明確にする
・数量、納期、コストといったスペックだけでなく「開発パートナー」としての技術提案力・現場力を重視する
・小ロット生産やサンプル作成の試験的依頼〜量産立ち上げまでの工程を事前に確認し、認識齟齬を防ぐ

サプライヤー視点:バイヤーの期待に応えるものづくり力

・例外対応や工程変更に柔軟に応じられるかどうかを武器に
・分解分析を使い、バイヤーが体験として求める“刻まれた違い”を言葉と数値で可視化して提案
・香料や色素などサプライチェーンの新規調達先開拓、法規制対応(特に海外輸出も意服点)

このプロセスを「バイヤー・サプライヤーの同期開発」として推進すると、従来製品にはない“感動体験を設計できるバスボムOEM”へ昇華していくことができるのです。

アロマバスボムOEMで日本のものづくりが進化する未来へ

バスボムOEMも、単なる大量生産の枠を超え、ブランド独自の体験や感動を生み出す創造のフィールドとなりつつあります。
昭和から続く保守的な生産現場も、グローバルな成功事例や体験消費志向を受け入れるなかで、二段発泡・マルチコア構造という革新的なオーダーにチャレンジする時代に入っています。

部材選定から生産技術、物流、品質管理、そして何より「実際の顧客の声」まで、一連の工程を現場目線で見直せば、日本発の新バスボム文化を世界に広げることも夢ではありません。
製造業の皆様、バイヤーとして一歩踏み出したい皆様、サプライヤーとして新たな価値を生み出したい皆様――今こそ、“順次香る二段発泡バスボム”で価値革新に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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