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トレーナーOEMの原価を抑えつつクオリティを維持する交渉術

目次
トレーナーOEMにおける原価管理の本質
トレーナーのOEM事業において、原価を抑えることは利益確保の鍵となります。
しかし、原価を下げることだけに注力しすぎると、品質や納期で思わぬ落とし穴にはまるケースも少なくありません。
昭和の時代から続く「とにかくコストダウン」の発想は今も業界に根強く残っていますが、持続的な取引関係および顧客満足を考えると、賢い工夫や交渉が欠かせません。
この記事では、20年以上現場で調達購買から工場管理まで担ってきた視点で、原価低減と品質維持を両立させる交渉術を解説します。
なぜ原価ばかりを追求してはいけないのか
短期的コスト削減のリスク
原価を削るだけのアプローチでは、サプライヤーが原反や縫製工程で妥協してしまいがちです。
見かけ上は同じトレーナーであっても、イージーケア性や耐久性など「見えない品質」が犠牲になることがあります。
トラブルが発生すれば結果的にコスト増になり、最終的な顧客の信頼も失います。
異常品率・クレームコストの隠れた増加
コストは“調達価格”だけでなく、異常品対応や返品コスト、クレーム対応にかかる隠れたコストを織り込む必要があります。
また、納期遅延に伴うライン停滞や販売機会の損失も大きなリスクです。
したがって、「原価低減=ただ安く買う」では先細りしかねないのです。
製造現場で見てきた“本当に効く”原価低減策
1.サプライチェーン全体の効率化を促進する
調達担当は直接的な価格交渉に目が向きがちですが、全体最適の視点で「どこに無駄やロスがあるか」を分析しましょう。
例えば、裁断時の生地ロス削減や、工程間の運搬コストの削減、サプライヤーグループでの部材まとめ買いなどが挙げられます。
こうした業務改善はサプライヤーにも利益となるため、「原価低減をともに目指すパートナー」として巻き込むアプローチが有効です。
昭和的な上意下達型の値引き交渉から一歩進んだ信頼関係づくりが肝心です。
2.サプライヤーの強みを最大限に活かすOEM設計
標準品に安易に合わせるよりも、サプライヤーの保有設備や得意領域をヒアリングし、量産効率の良いデザインへ微修正することでコストを下げられる場合があります。
例えば、縫製ラインに最適化したパターン設計、生地のロール幅を考慮したマーキングなど、現場発の改善策が埋まっています。
3.複数調達による適正価格化とリスク分散
一社依存ではサプライヤー都合による値上げや納期遅延リスクを抱えます。
トレーナーのスタンダードな仕様は複数の工場で対応可能であるため、定期的なベンチマークも含めて調達ソースの複線化を図りましょう。
これにより、サプライヤーとの交渉ポジションも強化されます。
交渉時に気を付けたい「良い条件引き出し」の技術
1.徹底した事前準備とデータ収集
交渉前の準備は、その成否を大きく左右します。
原価内訳(生地代・縫製賃・付属品・加工費など)を可能な限りブレイクダウンし、市況価格や他社例も収集しましょう。
サプライヤー側の協力メリット(ロットアップ、安定受注、キャッシュフロー改善等)を事前に整理しておくことも大切です。
2.「相手にとっての価値」も同時に提示する
原価削減要請だけでは信頼関係は築けません。
一括発注や生産スケジュールの柔軟性提供など「サプライヤー側の利益・安心材料」も用意しつつ、互恵的な取引条件の提案を心がけましょう。
3.品質要求事項の優先順位付け
「品質を維持」といっても、全ての項目に100点を求めれば原価は高止まりします。
お客様視点に立ち、本当に外せないポイント(縫製強度、着心地、洗濯耐久など)と妥協可能なポイント(色展開や一部仕様など)を現場と整理した上で、サプライヤーと認識をそろえて交渉に臨みます。
昭和体質の「現場・サプライヤーの習慣」を乗り越える
「前例踏襲」からの脱却
製造業界では「去年と同じ」「隣と同じ」発想が根強いです。
しかし住宅ローンの支払いや社会情勢、原材料相場の変化など外部環境は大きく変動しています。
変化を嫌う現場やサプライヤーもいますが、「数字」に基づいた合理的な交渉材料を示し、ともにアップデートしていく流れを作りましょう。
現場・管理層との連携強化
購買部門単独の交渉には限界があります。
品質や物流の現場、製品設計担当と密に連携し、全体最適の議論ができる体制を敷きましょう。
現場から具体的な改善案を吸い上げることで「現場を味方につける」ことこそ、従来の調達交渉にはない強みになります。
バイヤーとサプライヤー、それぞれの立場で求められる視点
バイヤー:経営目線と現場感覚の両立
単に「安く買う」だけでなく、「どこまでが原価低減余地なのか」「長期的な信頼関係をどう築くか」を設計する目線が必須です。
部門横断的な知見が求められますので、常にアンテナを高く保ち、情報交換を惜しまない姿勢が大切です。
サプライヤー:単なる受け身からの脱却
「値下げイコールしんどい作業」とだけ受け止めるのではなく、工場の自動化や工程改善、新素材提案など「自社の競争力アップ」を武器にバイヤーと対等に交渉する力を養いましょう。
バイヤーの狙っているコスト構造や品質要求の本質を理解し、異常品率や納期実績のデータをもとに強みを訴求することが重要です。
まとめ:ラテラルシンキングで切り開く製造業の未来
トレーナーOEMの世界でも、ただ安くするだけでは通用しない時代になりました。
原価を抑えつつ品質を維持するには、サプライチェーン全体に目を配り、信頼関係と交渉術を磨き上げていくことが不可欠です。
これまでの常識に縛られず、現場の知恵やサプライヤーの技術を積極的に巻き込み、お互いにとって最適な解を模索する。
ラテラルシンキングで新たな交渉術や各種改善策を打ち出せれば、製造業の未来はさらに広がるはずです。
現場をよく知るバイヤーも、サプライヤーも、一歩新しい発想で攻めてみてください。
現象を数値・ロジックで捉え、ダイナミックな提案を生み出すことが、これからの時代に求められるバリューになります。
今までの“昭和的交渉”を脱し、“令和型ラテラル交渉”で最高のOEMパートナーシップを築く──。
ぜひ、実践してみてください。
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