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新規事業アイデア探索顧客提供価値設定事業計画作る三ステップ

目次
はじめに
新規事業の立ち上げは、製造業に携わる方々にとっても大きなチャレンジです。
「次の一手」を探るために、市場や顧客の本質的な価値を見極め、事業計画へと落とし込むことは、かつてない競争が激化する中で特に重要性を増しています。
本記事では、長年製造業の現場で得た実践的知見と、昭和的アナログ文化が根強く残る日本の環境を踏まえた上で、新規事業アイデア探索から顧客価値設定、事業計画づくりの三つのステップを、現場目線で解説していきます。
1. 新規事業アイデア探索:現場起点のラテラルシンキング
「目の前の“不便”」を見逃さない
新規事業アイデアは、突飛な発想や先進技術だけから生まれるわけではありません。
むしろ現場で日々繰り返し直面する「ちょっとした不便」や「こんなものがあればいいのに」という声の中に、本質的なヒントが埋もれています。
昭和時代から続くアナログ習慣——たとえば紙ベースの指示書や手書きのチェックリスト、不透明な発注プロセス——は未だ多くの工場現場に残っています。
それらを敢えて否定せず、「どうすれば無理なく効率化できるのか」「日常業務の延長線上でイノベーションは起きないか」と疑問を持つことが、着実かつ現実的な新規事業の発芽につながります。
「隣の工程」や「他業界」を参考にする思考
アイデア探索を飛躍させるには、ラテラルシンキング(水平思考)がおすすめです。
自分の担当領域だけでなく、隣接工程や物流、メンテナンス部門、さらには他の業界の仕組みにまで視野を広げます。
たとえば、トレーサビリティ管理の仕組みを食品業界から自動車部品の管理に応用する。
物流業界のピッキング効率化手法を部品供給に転用する。
こうした横断的な視点が、新しいアイデアの源泉となります。
現場メンバーの「具体的な困りごと」起点にする
アイデア出しの方法としては、「現場ヒアリングシート」「困りごとミーティング」などを導入し、スタッフ全員の声を吸い上げることをルーチン化しましょう。
現場の一次情報へのアクセスは圧倒的な優位性を持ちます。
その中から、共通性の高い課題や技術的ブレークスルーの余地がある分野を重点テーマとして絞り込みます。
2. 顧客提供価値設定:買い手目線、サプライヤー目線の二重奏
「何を変えれば、誰がどれだけ喜ぶか」を可視化する
事業アイデアが決まったら、次は「そのアイデアは、実際に顧客にどんな価値をもたらすのか」を徹底的に洗い出します。
この過程が甘いと、せっかくのアイデアも市場に浸透しません。
たとえば、「工場のペーパーレス化」一つとっても、
– 管理効率の向上
– ミス低減
– コスト削減
– 情報伝達の迅速化
などの価値が考えられます。
これらの価値を、現場のオペレーター、工場長、品質管理、調達担当など、具体的な「ペルソナ」ごとに細かく分析することが重要です。
バイヤー視点を持つ:コスト・リスク・付加価値
バイヤー(調達・購買担当)は、単なる価格比較ではなく、トータルコストや納期リスク、サプライチェーン全体の安定性も重視しています。
新規事業の提案では、「単体コストダウン」だけでなく、
– 在庫圧縮によるキャッシュフロー改善
– 拭き取り・検査工数の削減
– 不良率低減によるクレーム・返品削減
など、複合的な付加価値を明確に示すことが求められます。
サプライヤー目線で共存共栄を設計する
新規事業の多くは既存の取引先(サプライヤー)との共創で進めることが現実的です。
自社だけの最適解ではなく、パートナー企業とWin-Winのモデルを設計することで、現実的な実行性と持続可能性が得られます。
サプライヤーの「現場で困っていること」「受注側の事情」、時には老舗企業特有のアナログ手法も織り交ぜて新サービスに昇華できないか、発想を深めることが肝要です。
3. 事業計画作成:昭和的アナログを踏まえた現場目線
「現実的な導入ロードマップ」を設ける
最新技術やDXを標榜するだけでは、歴史ある製造業の現場では受け入れられません。
計画段階で「現状のアナログ作業」と「新しい仕組み」との接点や移行ノウハウを、具体的なマイルストーンと共に提示する必要があります。
例えば「一気にシステム化!」ではなく、「三ヶ月間は二重運用」「紙書類の一部から段階的デジタル化」など、負担を軽減しながら浸透させる計画が重要です。
「現場の誰が、どこまで使えるか」を重視する
管理職や本部主導ではなく、現場一人ひとりが新しい仕組みを「道具」として自然に使いこなせるかが、新事業の成否を分けます。
ITリテラシーや年齢層の違いを正面から認識し、教育コンテンツやサポート体制を計画に組み込みましょう。
現場リアルに基づいた「説明書」や「現場Q&A」の作成も現場起点の工夫です。
「見える化」データの使い道を説明する
製造現場では「見える化」や「IoT導入」が重視されますが、単なる数値データの羅列では現場は動きません。
データを「どう改善活動につなげるか」「現場で具体的にどう使うか」まで、実運用レベルに落とし込んだ説明が必須です。
指標は3つ以内に絞り、「それが変われば現場で何が起こるか」「どう評価されるか」を明快にし、現場全員で小さな成功体験を積み重ねるロードマップを組みます。
まとめ:三位一体で進める新規事業づくりの要諦
新規事業の成功は、「アイデア発掘」「顧客価値の設定」「緻密な事業計画作成」という三つのステップを、現場起点のラテラルシンキングで実行することに尽きます。
昭和から続くアナログ的な環境・習慣も尊重しつつ、それを強み・独自性に転換できるか否かが、製造業の現場だからこそ実現可能な新事業を生みます。
この記事が、製造業で働くみなさんや、調達・バイヤーを目指す方、サプライヤー企業で商売を考える方の「次の一歩」へのヒントになれば幸いです。
今こそ現場主導のイノベーションが業界を動かす時です。
共に持続的な成長を目指してチャレンジしましょう。
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