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投稿日:2025年12月2日

市場クレーム対応が続き新規開発に全く時間が割けない現実

はじめに:市場クレーム対応に追われる現実と課題

製造業の現場では、顧客からのクレーム対応が最優先課題となり、肝心の新規開発や改善活動に十分な時間を割くことができないという悩みを多くの方が抱えています。

これはバイヤーや調達担当者、サプライヤー、さらには工場現場の全員に共通する苦労です。

昭和時代から続く日本のものづくり文化では、「現場対応力」「分析力」「最前線で汗をかく姿勢」が強く重視されてきました。

しかし、競争環境のグローバル化や顧客ニーズの多様化が進む現代では、単にクレーム対応に追われるだけでは、企業競争力の維持・強化が難しくなっています。

市場クレームの本質や背景を俯瞰し、対応業務の見直し・再設計と新規開発活動の両立に向けた実践的アプローチが必要です。

この記事では、20年以上の現場経験から得た実情と解決策、そして今後の製造業が目指すべき新たな地平について、深掘りしていきます。

そもそも市場クレームが減らない理由を徹底解剖

1. アナログ管理が根強く残る現場体制

現場には“昭和から続く手書きの帳票”“エクセル依存の工程管理”“口頭伝達に頼る申し送り”など、デジタル化の遅れが各所に残っています。

これにより、構造的な問題やヒューマンエラーの“根”が見過ごされやすく、再発防止策の徹底やプロセス改善が十分に進みません。

さらに、トレーサビリティの確保や、不良要因のAI解析といった新しい手法に踏み込めていないケースも多く、結果的にクレームが減りにくくなっています。

2. クレーム対応が「個人戦」になっていないか?

多くの現場では、クレームが発生した際の一時対応が“現場リーダーの責任”で片付けられ、恒久的なプロセス改善につながっていない傾向が見受けられます。

担当者にとっては「自分ごと」として真摯に対応するものの、組織全体の知見に昇華されず、ノウハウが属人化します。

この「個人戦志向」を脱却し、組織的な再発防止・知見の標準化こそ、クレーム削減の近道となります。

対応の泥沼化が新規開発を圧迫するメカニズム

1. 検討・開発リソースの分散化と枯渇

クレーム内容や顧客要求に即座に応じるために、開発エンジニアや生産技術担当者までが「対応業務」に動員され、新規開発に割り当てるべきリソースが消耗していきます。

クレーム調査は事実確認・原因追及・対策立案・再発防止まで段階が多く、想定外の社内調整やレポート作成、関係部署とのすり合わせなど、膨大な時間とエネルギーが奪われます。

その結果、「今日」対応する仕事に追われ、「明日」のための新たな種まきや、技術開発が後回しとなるのです。

2. 負のスパイラル~クレーム減免への過剰注力~

クレーム再発防止を名目に、無理な品質過剰設計や検査工程増設がされ、現場の負荷やコストがどんどん膨らみます。

その分効率化や開発投資が遅れ、さらに製品品質・競争優位性への投資が後手に回る――。

こうした悪循環が、業界全体を覆っています。

クレーム対応と新規開発の両立に必要な本質的アプローチ

1.「真因追及」の徹底と現場データ活用

従来型の「形だけの報告書作成」や「応急処置的対策」から脱却し、本質原因の追及と定量的検証、データに基づく再発防止へ切り替える必要があります。

IoT機器やセンサーを活用した現場データ収集、品質管理システムによる継続的なモニタリングの導入が有効です。

不良やクレーム事例を単なる失敗とみなすのではなく、そこから“組織的知見”を生み出し、全社標準に反映させていく“ラーニングオーガニゼーション”化を目指しましょう。

2. クレーム対応“専任部署”の設置やアウトソーシング

高度化・複雑化する顧客対応業務を担う専任チームを設置したり、一部の一時対応業務を外部パートナー企業に委託したりできれば、開発部門本来の業務への注力が可能となります。

国内外で“専門ファーム”や“クレームBPOサービス”の利用も拡がりつつあるため、こうした第三者活用の選択肢を検討してみましょう。

3. アジャイル的な“現場主導の改善活動”への転換

形式的な会議や上意下達ではなく、現場目線の小さな改善活動(カイゼン)を不断に繰り返すことが、真のクレーム削減につながります。

現場のオペレーターや班長の経験・知恵を生かし、「小さな成功体験」を積み上げ、失敗やクレームもオープンに議論できる企業風土を育てていく必要があります。

昭和的アナログ業界が“デジタルシフト”に踏み出すために

1. IT活用による工程の透明化・自動化

製造現場に残るアナログ作業、例えば品質検査の手書き日報や生産実績の手入力記録といった「紙」文化を、IoTやRPA、MES(製造実行システム)、品質BIツールに置き換えます。

これにより、ヒューマンエラーや情報伝達のロスを大幅に抑制し、リアルタイムで不良・異常を検知→アラート→即時対応が可能になります。

クレーム発生の根本抑止と“属人化脱却”が実現します。

2. 費用対効果を明確化し経営を巻き込む

新規開発やデジタル施策への投資は“現場だけの課題”ではありません。

費用対効果のシミュレーション、クレーム削減によるコストダウン・市場価値アップの試算結果を進捗報告し、トップダウンで推進する体制づくりを意識しましょう。

経営・現場が一体となって「変革」を推進する必要があります。

バイヤーとサプライヤーが共に成長するために

1. バイヤーがサプライヤーに求めていること

バイヤーが調達先であるサプライヤーに強く求めるのは、“単なる安さ”や“納期の遵守”だけでなく、クレーム発生時の迅速・的確な対応力、そして「学びから改善・進化できる能力」です。

サプライヤーにとっては、「クレーム即対応」が信頼獲得の最低条件ですが、さらに“原因を深掘りし、新たな付加価値を提案する姿勢”が期待されています。

2. サプライヤーの現場から提案する新たな価値

昭和的な「下請け」のイメージを脱却し、“パートナー”として積極的に開発初期から企画・品質設計・量産安定化に参画する――この役割転換がサプライヤー発の成長戦略となります。

また、現場から発案されたリアルな課題解決型の改善提案が、バイヤーの安心と信頼につながります。

まとめ:現場改革・新規開発の両立こそ真の競争力

市場クレームの対応に忙殺され「新しいものづくり」ができない……そう悩む現場は決して少なくありません。

しかし、クレームは企業体質を鍛える“チャンス”でもあります。

「現場のデータ」と「現場の知恵」を最大限に活用し、対応の属人化・泥沼化から組織的学習とプロセス改革へステージアップしましょう。

最新のデジタル技術・現場主導の改善風土・経営の後押しを組み合わせれば、クレーム対応と新規開発の“二兎を追う”ことも決して夢ではありません。

日本の製造業全体が“昭和から令和への大転換”を実現し、グローバル競争力をさらに高めていけるよう、現場目線で知恵と行動を積み重ねていきましょう。

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