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オリジナルデザインを活かしたペットおもちゃOEM事例

目次
オリジナルデザインを活かしたペットおもちゃOEM事例
ペット市場の拡大に伴い、近年ではユニークで高品質なペットおもちゃへの需要が高まっています。
特に、他社との差別化を図れる「オリジナルデザイン」を活かしたOEM(相手先ブランドによる製造)は、多くのバイヤーやブランド、サプライヤーにとってチャンスとなっています。
今回は、製造業現場から見たオリジナルデザインペットおもちゃOEMの実践事例とそのポイント、業界動向も交えながら、実際の視点で深堀りしていきます。
OEMとは何か?ペットおもちゃ業界での意義
OEM製造の基本
OEM(Original Equipment Manufacturing)は、発注先のブランドや会社(バイヤー)が要望する製品を、受託先(サプライヤー)が設計・製造する形態です。
発注先は自社ブランドで商品を販売でき、サプライヤーは技術を活かして商品供給が可能です。
ペットおもちゃ業界におけるOEMの魅力
ペットおもちゃ業界では、大量生産によるコモディティ化が進む一方で「自分だけのオリジナル」を求める消費者ニーズが高まっています。
一般的な量販品だけではなく、「他にはない」「個性が出る」「安全性や素材にこだわった」商品作りが求められる時代。
OEMは、このようなブランド独自の個性を具現化する理想的な手段です。
現場で見た!オリジナルデザインOEMの実際のプロセス
1. バイヤーのニーズヒアリングと企画立案
まず重要なのが、バイヤーが思い描いている「オリジナルデザイン」の意図やペットオーナーのインサイトを正確に引き出すことです。
たとえば、「猫が夢中で遊ぶ」「噛んでも安心な素材」「部屋に置いてもおしゃれ」など、時代とともに多様化しています。
現場では、デザイン画や仕様書だけでなく、市場調査やトレンド分析、競合品の分解などの地味な作業も欠かせません。
これを怠ると“見た目だけ”のOEM品になりがちで、結果的に売上やブランド評価に大きな差が出ます。
2. 設計・試作段階での課題と解決事例
試作段階ではデザイン性と生産性、安全面のバランス取りが命です。
たとえば、「布系おもちゃでユニークな形状」を実現しようとした際、意外な課題が出てきたことがあります。
現場では「デザイン通りの縫製が難しい」「縫い合わせの強度が弱くなる」「材料ロスが多くコスト増になる」など、アナログな問題が露呈します。
これらを解決するため、昭和世代から引き継いできた現場の“知恵”と最新CADシステムを融合しました。
「どこに補強ミシンを入れると耐久性が上がるか」「工程をシンプル化しつつもデザインを壊さないアプローチ」をラテラルシンキングで徹底しました。
また、犬用ゴムおもちゃの案件では、一般的なゴム成型では成形が難しい複雑な凹凸形状のリクエストが来ました。
ここでも現場は発想を転換。
「金型を2分割ではなく3分割にする」「硬質部と軟質部を2色成形で一体化する」ことで唯一無二の製品に仕上げた経験もあります。
3. 生産管理・品質維持のための工夫
OEM案件では「品質の安定化」が最重要課題です。
デザインや素材が一般品と異なるため、既存の生産ラインでは不具合が多発することも珍しくありません。
ここでポイントとなるのが、徹底した「現場カイゼン活動」です。
新しい治具を開発したり、初期生産ロットで品質トラブルを炙り出し、製造フローや検査項目をチューニングします。
たとえば、縫製品では「糸の種類と針の太さ」「皮膚に当たる部分だけ異素材を使用」「パーツごとの組み立て順番」などを徹底的に見直します。
この一連の品質改善活動が、リピート受注やブランド価値向上に大きく寄与しています。
バイヤーとサプライヤー、双方の視点を知るメリット
バイヤー側:OEMで理想をどう実現するか
バイヤー目線では、「自社ブランドで今までにない付加価値を提案したい」「短納期・低コストも両立したい」といった希望があります。
ですが、現場を知らないと理想論だけが先行しがちです。
信頼できるサプライヤーと連携し、物理的・技術的制約を理解したうえで「どう譲るか、どこを絶対守るか」を明確にすることが成功のコツです。
また、カタログやECだけでなく、量販店や専門店のスタッフ・ペットオーナーのリアリティを吸い上げ、企画検討段階からフィードバック回路を設けると、商品の完成度が格段に上がります。
サプライヤー側:顧客目線に立った提案が差別化につながる
昭和から抜け出せない「作れば売れる」という発想では、今の時代通用しません。
どうすればバイヤーの狙いを具体的な設計値や工程に落とし込めるか、柔軟に対応する提案力が問われます。
例えば「量産性が低いけどインパクトのある形状」を求められた場合、現場の経験則や生産設備の知識を活かし、試作回数やコスト構造を現実的な範囲に縮める具体案を出すことが大切です。
また、SDGs意識が高まる今、リサイクル素材や環境対応型包装材など、時代とともに進化する知識も不可欠です。
昭和的アナログ業界の課題と、最先端への脱皮
職人技とデジタル技術の融合
製造現場は、今なお「職人の勘や経験」に支えられています。
特にOEMの現場では、機械だけでは生み出せない微妙な“仕上がり”が重要です。
一方で、3DプリンターやAI設計支援、IoTによる生産管理の精度向上も進んでいます。
「昭和の技術」と「令和のテクノロジー」をどう組み合わせるかが、今後のペットおもちゃOEMの新地平を切り拓く鍵となります。
情報の非対称性を解消する取り組み
アナログ業界では、「現場の情報が上層部や取引先に伝わりにくい」などの問題も根強いです。
これを解消するために、デジタルツールによる設計・工程情報の「見える化」や、オンライン会議やチャットツールの導入が重要です。
これにより、開発初期段階からリアルタイムに意見や課題を共有でき、「知っていれば未然に防げた」トラブルを大幅に減らすことができます。
実際のOEM成功事例紹介
事例1:猫用オリジナルデザイン布おもちゃ
あるバイヤーが、SNS映えする猫用おもちゃを企画。
多面体の変形デザインとハーブ入り安全設計、洗濯OKの耐久力を同時に実現するのが課題でした。
これに対しサプライヤー側は、多段裁断用の新パターン導入、補強布所有セクションの手縫い併用、素材は国内織物メーカーと連携し、安全認証もクリアしました。
発売と同時に、従来品の約2倍の販売スピードを記録し、ブランドの新たな顔となりました。
事例2:犬用二層式ゴムおもちゃの量産転換
従来は単一成型であった犬用おもちゃに、内部におやつを仕込める「二層式」設計を求められた案件です。
従来ラインでは歩留まりが悪く、価格転嫁できないジレンマがありました。
そこで、「成型金型をモジュール化」「検品も独自検査ジグの開発」で不良率を1/5に、かつコストも15%削減を達成しました。
OEMのおかげで、元々下請けだったサプライヤーが「共同開発パートナー」として評価される転機となりました。
まとめ:未来志向のOEMで業界の新地平を切り拓く
ペット業界は今、かつてないスピードで多様化・高付加価値化しています。
オリジナルデザインのOEMは、バイヤーとサプライヤー双方が“現場の知”を活かすことで、そのブランドの個性や顧客満足度を最大化する重要な手法です。
現場目線の工夫を怠らず、職人技と最新技術を融合し続けることで、今後も新しいスペシャルな商品を生み出せます。
既成概念にとらわれず、自社・自分にしかできないオンリーワンを見つけ出し、業界の新しいスタンダードを作りましょう。
OEMを検討する方、バイヤーを目指す方、サプライヤーとしてOEMへ挑戦する方。
すべての方が、主体的に現場と対話し、時代の変化に遅れずチャレンジすることが成功への第一歩です。
今こそ「ものづくり現場」から、新しい可能性の扉を開きましょう。
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