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AI導入で現場が抱える抵抗を乗り越えるための考え方

目次
はじめに:AI導入と現場のリアル
2024年現在、国内外の製造業はデジタル化の波にさらされています。
中でも「AI導入」は生産性向上やコスト削減、品質管理の高度化に直結するとして注目を集めています。
調達購買、生産管理、品質管理など多くの領域でAIの導入事例と成果が伝えられていますが、実際の現場では「人の抵抗」という見えない壁に多くの企業が直面しているのが実情です。
私は20年以上、製造現場の最前線で働き、管理職も経験してきました。
その立場から、机上の理論では語りきれない「現場目線」で、AI導入を進める中で直面する抵抗や課題、そしてそれを乗り越えるための“実践的な考え方”をお伝えします。
この記事は、製造業に携わるすべての方、特に現場でAI導入を推進する立場の方や、サプライヤー・バイヤー間の視座を広げたい方に向けて書いています。
なぜ現場はAIに抵抗するのか?
1.「変化」への不安感
製造業の現場には長年培われたノウハウや慣習が強く根付いています。
昭和から連綿と続く、現場重視の文化は効率や安全、品質を守る上で大きな柱でした。
その一方で、従来のやり方を突然大きく変えることへの「不安」が根強く残っています。
AI導入は今までの作業や判断のプロセスを刷新することを意味します。
これに対し、「自分たちのノウハウが否定されるのでは?」、「自分の仕事がなくなるのでは?」というネガティブな気持ちが生まれやすいのです。
2.スキルギャップと教育コストへの懸念
多くの現場作業者や中間管理職にとって、AIやデジタル技術は決して馴染み深いものではありません。
導入に伴い、「今さら新しいことを覚えるのは大変だ」という声や、「IT技術を理解できなければ置いていかれる」という焦り、不安が広がります。
また、教育やトレーニングにかかるコストや工数も、現場の抵抗理由となりがちです。
3.「属人化」した業務への依存
製造業の現場では、長年勤める熟練者による“匠の技”や目利きに頼っている部分が依然として多く存在します。
これらのナレッジがAI化にあたって取り込まれるのか、取り残されるのかという懸念が、現場を一層慎重にさせています。
抵抗を力に変える「現場起点」のアプローチ
1.「敵」としてではなく「仲間」としてAIを捉える
AI導入を現場に押しつけるのではなく、「現場の課題・負担をAIがどのように軽減できるか」を中心に置いて語ることが大切です。
例えば、煩雑なデータ入力や、繰り返し発生する異常の一次判別といった「本来の業務価値とは直結しないルーティンワーク」を、AIが肩代わりすることで本業に集中できる環境を作る。
この具体的なメリットを現場に実感してもらうことで、AIは「仕事を取る敵」ではなく、「共に現場を良くする仲間」となります。
2.「小さく」「早く」体験させる
大規模なシステム導入ではなく、まずは小さな現場課題に限定した“PoC(概念実証)”や部分的な導入からスタートするのがカギです。
たとえば、「品質不良の初期検知」や「在庫管理作業の一部自動化」など限定的なテーマで、現場作業者自身が操作体験できる仕組みを作りましょう。
早い段階で成功体験を現場で共有できれば、現場全体に良いムードが広がります。
また、現場の疑問や課題点も明確になり、次のステップに繋がりやすくなります。
3. 「現場の声を拾って共創する」ことの重要性
上からの命令だけでAIを導入しても、形骸化しやすいのが現実です。
現場を熟知するキーパーソンを巻き込み、定期的に対話やフィードバックの場を持つことが非常に大切です。
彼らの「この作業がなくなれば本当は嬉しい」「ここはAIだと難しいと思う」などの“ナマの声”を取り入れてカスタマイズと改善を繰り返す。
このプロセスが、AIを現場になじませる最大の推進力となります。
4.成功事例を「見える化」し拡大する
現場でのAI活用の成功事例や効果を、「見える化」して社内にどんどん発信することも重要です。
例えば、AIによって「毎月100時間の残業が削減できた」「不良品発生率が10%改善した」といった具体的なデータや、現場スタッフの笑顔と共にストーリーとして共有します。
この積み重ねが、他の現場や部門にも「やってみよう」という前向きな空気を伝播させます。
AI導入の先にある「新たな現場力」
AIを導入することで、単に効率化やコストダウンを狙うだけではありません。
むしろ、AIによって「人ならでは」のクリエイティブな仕事や、現場改善活動により多くのリソースを割けるようになります。
1.「考える力」を高める現場へ
ルーティンや単純作業をAIや自動化に委ねることで、現場スタッフは今までできなかった改善アイデアの発案・試行や、工程全体の最適化といった付加価値の高い仕事にシフトできます。
「どうやったら現場がもっと良くなるか?」という力が、AI導入現場では確実に育ちます。
2.データドリブンの意思決定
AIの導入は、現場で集まる膨大なデータを「見える化」し、それを根拠に意思決定する文化の醸成にもつながります。
これまで勘頼みだった調達計画や生産スケジュールも、より正確な予測とリスクヘッジが可能になるでしょう。
「昭和マインド」からの脱却に必要なこと
1.トップが「姿勢」「覚悟」を見せる
現場のマインドチェンジには、経営層や部門長が自身の体験を語り、一緒に現場に足を運ぶといった“本気度”を見せることが不可欠です。
「未曾有の時代変化を勝ち抜くために、自分たちは一緒に挑戦したい」という強いメッセージが、現場の不安の壁を溶かします。
2.再チャレンジを許容する“心理的安全性”
AI導入は一足飛びに上手くいくものではありません。
失敗事例も積極的に共有し、「やり直せる・改善できる」現場風土を作ることが長期的にはAI浸透の最大のカギとなります。
まとめ:現場力×AIで「新たな製造業の地平」を切り拓く
AI導入に対する現場の抵抗は一朝一夕にはゼロにはなりません。
しかし、現場の声やリアルな課題を起点に、一歩一歩“体験と対話”を重ねていくことで、「昭和的アナログ文化」であっても必ず変革の兆しが見えてきます。
AIは現場から人を排除するものではなく、人の知恵や創意をさらに引き出す“仲間”です。
現場力とAIの融合がもたらす新たな価値は、製造業の未来を切り拓く大きな原動力となります。
今一度、現場と向き合い、共にAI活用の新しい地平を目指しましょう。
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