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OEMトレーナーで人気のボックスシルエットとドロップショルダー設計

目次
はじめに 〜進化を遂げるOEMトレーナー〜
製造業の主要なビジネスモデルの一つとして確立されたOEM(Original Equipment Manufacturer)は、アパレル業界でも発展を続けています。
特にトレーナー分野では、ボックスシルエットやドロップショルダー設計がトレンドとして人気を集めています。
本記事では、20年以上の現場経験に基づき、OEMトレーナーの最新動向と、なぜボックスシルエットやドロップショルダーが支持されるのか、その裏側にある業界トレンドや調達購買の実態について深掘りします。
OEMトレーナーとは 〜業界視点での位置付け〜
OEMトレーナーはブランドが自社で製造設備を持たず、外部の専門製造業者に生産を委託するアイテムです。
ブランド独自のデザインや仕様を反映しつつも、コスト削減や生産効率化、高品質維持を実現できるため、国内外問わず多くのブランドがこのモデルを活用しています。
現場では、品質基準、納期、価格、サプライチェーンの柔軟性が調達購買担当者の最重要視点となっています。
特に近年は、SDGsやDXの潮流にも対応しつつ、変化し続ける消費者ニーズに迅速に追従できるOEMの“強さ”が際立っています。
ボックスシルエットの魅力と業界動向
ボックスシルエットが人気の理由
ボックスシルエットとは、胴体部分が箱(ボックス)のように直線的・ゆったりとした形状のことを指します。
このデザインは近年、ジェンダーレス、体型をカバーする機能性、リラックス感の高まりといった消費者のライフスタイル変化にマッチしたシルエットとして支持されています。
現場目線で見るボックスシルエットの設計ポイント
製造現場では、ボックスシルエットはパターン設計の自由度が高いため多様なバリエーションが可能です。
逆に“シンプルだけど奥が深い型紙作り”が求められます。
縫製ラインでは、単純な直線縫いが多くなり効率化しやすい半面、裾や袖、ネック周りの始末や仕様検討には細心の注意が必要です。
なぜなら、デザイン上微妙なラインやシームの工夫一つで着心地やシルエットが大きく変化するためです。
調達購買担当者のレベルが試される点としては、生地選択や副資材の選定、必要な強度や縮率管理、コストの抑制と品質維持のバランスをどうとるかが挙げられます。
この分野において“担当の知見と現場力”が完成度を左右する事例は枚挙にいとまがありません。
昭和型アナログ現場との接点は?
実のところ、ボックスシルエットの設計・生産は、CADやDX導入で標準化・効率化されていますが、現場ではベテランの職人技が今も色濃く反映されています。
“微妙なカーブや寸法補正は現場の勘”という昭和の技術遺産と、最新の自動裁断機や生産管理システムが並存している、まさにアナログとデジタルのハイブリッド現場が大半です。
ドロップショルダー設計の人気とノウハウ
ドロップショルダー設計とは
ドロップショルダーは、通常よりも肩のラインを下げて作られるデザインです。
肩線が二の腕の中ほどまで落ちることでルーズな印象を与え、リラックス感の演出や体型カバー、トレンド性の高さから人気が急上昇しています。
設計・生産現場が気をつけるべきポイント
ドロップショルダーは一見シンプルですが、肩の落とし位置、袖の形状、身幅とのバランスが極めて重要です。
設計工程では、サンプル作成〜フィッティング確認〜修正という“地味なトライ&エラー”が完成度の決め手となります。
また、生地の重さや伸縮性によっても着用時の肩ラインやシルエットは大きく変わります。
現場では、1mm単位のパターン修正や、ストレッチ素材用の特殊縫製機械の選択など、細部の調整が要求されます。
調達購買の視点では、単なるパターン発注だけでなく、生地の手配時にロットぶれや風合い変化にまで気を配る必要があります。
副資材との相性や大量生産での安定品質確保など、多くのチャレンジが伴います。
バイヤー、サプライヤー間の“見えない心理戦”
ドロップショルダー仕様のトレーナーOEM化では、バイヤーは“新しいトレンドを素早く市場に届ける”ことと“在庫リスクの最小化”を同時に求められます。
サプライヤー側は“歩留まり向上”“過剰在庫回避”“生産計画の柔軟対応”など、双方が自社利益をにらみつつ最適バランスを探ります。
お互いの立ち位置やKPIを理解し合い、高い透明性で話し合うことが、安定供給と品質向上を実現する鍵となります。
OEMトレーナーの調達購買戦略の裏側
サプライヤー選定は“スペック忠実”だけで勝てない時代
今や、単に設計図通りに作れるだけの工場選定では競争に勝てません。
ボックスシルエットやドロップショルダーのようなハイファッション性の高い製品では、現場対応力や“ノウハウの可視化”を持ったサプライヤーが重要です。
購買担当は、工場の生産技術、柔軟な生産体制、トレンド追随力まで総合判断する必要があります。
リレーション構築は“現場と現場をつなぐ”目配りが大事
業界では“調達=安く早く作る”の固定観念がいまだ根強いですが、そこから一歩抜け出す発想が必須です。
開発担当や縫製現場、物流現場とも密に連携し、QCD(品質・コスト・納期)最適化の現場知を生かしたリレーション形成が、ひいては商品ヒットと業績向上につながります。
昭和から抜け出せない現場の変革チャンス
部分最適から全体最適へ 〜製造業DXの断片化を防ぐ〜
いまだに“FAXと電話だけ”で調達が進む現場や、変更情報が手書きのメモでしか共有されないケースも散見されます。
こうした断片化された業務フローからの脱却こそ、現場発DXやデジタル化の最大チャンスです。
ボックスシルエットやドロップショルダーという新デザインをきっかけに、設計・生産・調達・現場が一体となって“全体最適”を目指すプロジェクト推進が求められています。
“現場の声を経営に活かす”ために
工場現場に眠る技術や経験、調達の現場知、開発ノウハウをいかに経営に反映するかが、これからの製造業の競争力となります。
現場に“自分事化”できるような仕事内容や、評価制度、情報共有文化が企業発展のカギです。
まとめ 〜OEMトレーナーは進化し続ける〜
OEMトレーナー市場は、トレンドや消費者ニーズを捉えるスピードと、製造現場の知見・ノウハウが融合し進化を続けています。
ボックスシルエットやドロップショルダー設計は、現代の“着心地・リラックス・自己表現”へのニーズと高度な設計・生産技術が生み出した賜物です。
今後も“現場発のラテラルシンキング”で、昭和の遺産と最新技術を融合し続け、サプライチェーン全体で“新しい価値”を創出することが製造業発展のカギとなります。
バイヤー、サプライヤーを目指す方は、現場視点を持ち相互理解に努めることで、時代を切り拓くOEM製品開発にチャレンジしてみてください。
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