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投稿日:2025年9月19日

日本製品輸入の通関コスト削減を実現する購買部門の実務事例

はじめに:通関コストは「経営課題」になっている

製造業において、多品種・小ロット化やグローバルサプライチェーンの進展により、「通関コスト」は日増しに経営インパクトの大きい要素となっています。

とりわけ日本製品を海外の生産拠点や顧客へ輸出する際、あるいは海外グループ企業が日本製品を輸入する際には、見落とされがちな「通関コスト最適化」こそが利益率向上のカギを握ります。

本記事では、20年以上にわたり大手製造業で調達・購買・工場自動化に従事した経験から、「実務で効くコスト削減手法」を明かします。

通関コストの本質:表面化しづらい見えないコスト

通関コストとは何か?

通関コストとは、現場でイメージしやすい「関税」や「消費税」のみならず、通関に伴う輸入関連手数料、通関業者への委託コスト、ハンドリングフィー、NACCS(通関システム)の利用料、さらには通関が遅れることで発生する「逸失利益」までも含む極めて広範なコスト群を指します。

アナログ的な運用が損失を拡大させる

今なお昭和の延長線上、紙ベース・FAX・電話依存で進められている現場も多い中、「通関書類ミスによる手戻り」「在庫先出しによる二重通関リスク」など、実は見過ごされたコストの温床が散在しています。

購買部門が押さえるべき現場視点のコスト削減ポイント

1. HSコードの最適化で賢く関税コストを圧縮

HSコード(関税分類番号)の選定は、通関コスト削減の最重要ポイントです。

同じ製品でも、申告内容や部品構成・付属品の有無によって適用されるHSコードが変わり、それが関税率差として現れます。

現場の事例では、エンジニアと連携し「主要部品を分割輸送」することで、最終製品としての関税(10%)から機械部品単体の関税(3%)へ落とし、小ロット品で年間数百万円単位の改善につなげた実績も存在します。

2. インコタームズの見直しで費用負担の境界を再定義

INCOTERMS(インコタームズ)の選択によっても、通関費用の「どちら持ちか」が変わります。

CIF/FOBなどインコタームズの交渉権限をしっかり持ち、バイヤーサイド/サプライヤーサイド双方の間で「責任分岐点」を透明化・最適化することが通関コストの圧縮に直結します。

3. 通関書類ミス削減=工場の「現場力」向上に直結する

通関書類の誤記入やミスによる再申請・手戻りも「隠れコスト」の最たるものです。

購買部門主導で「社内通関マニュアル」を整備し、品質管理部門や現場と横断的に「書類記載の基準統一」「QC工程表レベルのWチェック体制」へ拡張することで、1回のミスによる数十万円単位の逸失コスト削減が実現できます。

4. 輸送ルート&輸入港見直し「物流の在り方を問う」

購入品の輸入港や路線見直しも、劇的な通関コスト削減に寄与します。

例えば、受取港を繁忙港(成田・横浜等)から地方港に変更し、港湾混雑や通関待機による遅延を回避することで、短納期ニーズを満たしつつ、コスト低減とリードタイム短縮の両立を達成した事例もあります。

5. サプライヤーとの共同プロジェクトで「工場間最適化」

サプライヤーとバイヤーは敵対関係ではありません。「共に通関プロセスを効率化し、コストを下げよう」という意識を持つことで、「まとめ輸送」や「事前通関システム導入」などの工場横断的な最適化も現実化します。

現場レベルで通関ペインポイントを出し合い、輸送・通関という目に見えない工程にこそ「製造業らしさ」を発揮することが今後のサプライチェーン最適化の土台です。

デジタル化:昭和型通関からの脱却がもたらす変革

通関業務のDXが世界標準

国際物流は今やDX時代です。

AI通関、RPAによる自動書類作成、NACCSのAPI連携、自社WMS(倉庫管理)システムとの統合など、デジタル化はすでに取り組んでいる先進企業の間では「常識」となっています。

これらを現場実装できれば「ミス減」「手数料減」「再調整工数減」と三拍子揃った大幅コストダウンが達成できます。

デジタル人材の育成と現場定着が成否を分ける

といっても「全部外注」では知見の蓄積が進みません。製造現場・購買部門から「通関の現場を知る人材」「物流ITに強い人材」の抜擢・育成が重要です。

人材の現場定着とノウハウ共有こそが、中長期的な競争力の源泉となります。

まとめ:通関コスト圧縮は購買部門から起こす変革

日本製品の輸入通関コストは、型通りのやり方を続けていては、大きく下げることはできません。

サプライヤーや現場スタッフ・IT部門・輸送会社など「多職種連携」によるラテラルな改革が必要不可欠です。

HSコード再設計、インコタームズ交渉、書類品質改善、物流経路見直し、デジタルシフト——これら一つずつが合わさって、初めて「競争力のある購買部門」「攻めの日本製造業」が実現します。

読者の皆様が現場で一手を打てるよう、ここで紹介した実務的ノウハウを活かし、日本のものづくりの通関現場からぜひイノベーションを起こしてみてください。

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