投稿日:2024年5月28日

ファイバセンサーの原理と業界での使用例

ファイバセンサーは、光ファイバを利用して物理量を測定するセンサーの一種です。

光の干渉や吸収を利用するため、電磁干渉に強く、厳しい環境下でも精度の高い計測が可能です。

本記事では、ファイバセンサーの基本原理と、製造業における具体的な使用例について紹介します。

ファイバセンサーの原理

ファイバセンサーは、その名の通り光ファイバを使用しているセンサーです。

光ファイバはガラスやプラスチックの極細な繊維で内部を通る光が減衰しにくい特性を持っています。

ファイバセンサーはこの特性を活用して、光の変動を検出し、物理量(例えば、温度、圧力、歪みなど)の変化を測定します。

ファイバセンサーの主な原理は、以下の3つに分類されます。

1. 干渉法
干渉法では、光の波長や位相の変化を利用して物理量を測定します。特にマッハ・ツェンダー干渉計やファブリ・ペロー干渉計などが用いられます。光が異なる経路を通る際の波長変化や位相シフトを検出することで高精度な計測が可能です。

2. 吸収法
吸収法は、光が物質を通過する際の吸収特性を利用します。特定の波長の光が物質中でどの程度吸収されるかを測定することで温度や化学物質の濃度を推定できます。

3. 散乱法
散乱法では、光の散乱特性を利用して測定を行います。例えば、光ファイバ中の光が微細な不均一部分で散乱する現象を利用するものがあります。分布型の温度センサーとして多用されるブリルアン散乱やレイリー散乱などがあります。

製造業におけるファイバセンサーの使用例

ファイバセンサーはその高精度で頑丈な特性から、様々な製造業の分野で使用されています。

以下に具体的な使用例を挙げます。

1. 金属加工作業における温度管理
金属加工では、高温の中で材料を溶接や加工することがあります。ファイバセンサーは高温環境でも正確に計測が可能なため、例えばレーザ溶接装置の温度管理に使用されます。光ファイバが直接溶接部近くに設置され、リアルタイムで温度を監視・制御することができます。

2. 構造健康モニタリング
橋やビルなど大型構造物の健康状態をモニターするため、ファイバセンサーが使われることがあります。特に長大な橋では、構造物が曲がったり、歪んだりするのをリアルタイムで監視することが重要です。光ファイバを構造物に埋め込み、その歪みや変形をリアルタイムで検知でき、早期に異常を発見し対策を講じることが可能です。

3. 石油・ガスパイプラインのモニタリング
石油やガスのパイプラインでは、漏えいや破損を素早く検知することが求められます。光ファイバセンサーはパイプライン全体に沿って設置され、温度や振動の変化を監視します。これにより異常が発生した際には、即座に具体的な場所を特定して対策が講じられます。

4. 化学プラントのプロセスモニタリング
化学プラントでは様々な化学プロセスが行われ、高精度な温度・圧力モニタリングが必要とされます。光ファイバセンサーは、高精度で計測可能なだけでなく、有害環境下でも耐久性を持ちます。これにより安全にプロセスの監視が可能です。

 

ファイバセンサーは、光ファイバを利用して精度の高い計測を行うセンサー技術です。

干渉法、吸収法、散乱法などの原理を用い、厳しい環境下でも安定した性能を発揮します。

その結果、製造業においては、高温環境での温度管理、構造物の健康モニタリング、パイプラインの監視、化学プロセスのモニタリングなどの幅広い応用が展開されています。

これからも技術の進化とともに、ますます多くの分野でファイバセンサーの利用が期待されます。

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