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注射器用カニューレ針を含む医療用原材料の調達と流通管理の方法

目次
注射器用カニューレ針を含む医療用原材料の調達と流通管理の方法
はじめに:医療用原材料調達の重要性と現場の悩み
医療用原材料、とりわけ注射器用カニューレ針などの調達と流通管理は、製造現場のみならず医療現場にも多大な影響を与える重要なプロセスです。
現場では、「安定供給」「トレーサビリティ」「品質担保」という3つのキーワードが、常に強く要求されています。
ところが、根強く残るアナログ管理、グローバルなサプライチェーン寸断など、現場には表に出にくい課題が山積しています。
この記事では、20年以上にわたる製造現場視点から、医療用原材料の調達・流通管理について、実践的なノウハウと業界動向を深掘りしたいと思います。
押さえておくべき注射器用カニューレ針の要件と調達課題
カニューレ針の基本的な要件
カニューレ針は、患者の生命に直結する医療機用品です。
主に以下のような要件があります。
・高い寸法精度と内外面の平滑性
・耐腐食性(主にステンレス鋼 SUS304、SUS316L等)
・生体適合性、無毒性
・無菌状態でのパッキング対応
・ロットごとの品質均一性
これらの要件が担保されなければ、最悪の場合は医療事故に繋がります。
単純な金属製品と侮ることなく、調達担当者・バイヤーは技術仕様を正確に理解する必要があります。
調達現場の課題とは
品質要件が厳しい一方、低コスト化や短納期への要求も激化しています。
グローバル化の進展で調達先(例えば中国、インド、韓国などの工場)が広がった反面、政治リスクや物流混乱も増大しました。
伝統的な調達方法では、これら変化への柔軟な対応が困難になっています。
特に、昭和的な「紙と電話、FAXによる注文管理」「属人化したベテランバイヤーの経験値依存」が根強い場合、課題が顕在化しやすくなります。
サプライヤー選定とパートナーシップのあり方
選定基準の再構築が急務
安定供給を目指すなら、単純な価格比較ではなく、多面的な評価基準の構築が必須です。
【代表的な評価項目】
・製品品質(証明書、サンプル評価、工程監査の結果)
・供給安定性(地政学リスク、BCP体制の有無)
・納期遵守率
・技術力(合金開発力やバリ取り技術、高付加価値品対応など)
・環境・労働基準遵守(ESG対応)
これらを組み合わせ、サプライヤーを1社集中ではなく「分散調達」するリスクマネジメントが重要です。
また、有事対応マニュアルを共同で作成するなど、サプライヤーと「共創する姿勢」が長期安定の鍵となります。
競争・共創を両立する関係づくり
従来の「コストダウン一辺倒」な要求だけでは、優良サプライヤーは離れていきます。
たとえば、カニューレ針の加工ノウハウを共有し合い、納入先が求めるスペック以上の改善提案制度を設けるといった「Win-Win」関係へ発展させましょう。
また、現場(工場)での課題をサプライヤー現場にも開示し、現場同士のコミュニケーションを活性化させることも大切です。
漫然と社内会議や購買指示だけに頼るのではなく、現場感覚をサプライヤー開拓・育成にも活用することが飛躍的な品質向上につながります。
デジタル化による流通管理と昭和的アナログ運用の課題
デジタル改革で何が変わるのか
医療用原材料の流通管理は、トレーサビリティ確保が最重要事項です。
現在、先進的な企業は「生産・出荷・納品」までの全情報をITシステムにより一括管理しています。
【デジタル管理の主な効用】
・不良発生時の迅速なロット追跡
・入口から出口までの在庫量や移動記録の見える化
・自動発注/在庫管理の効率化による工数削減
・納期・品質トラブルへの早期対応力の向上
一方で、未だ「紙帳票」「Excel台帳」「印鑑まわし」に頼る工場も多く、属人化リスク・伝達エラー・手戻り増大を引きずっています。
アナログ運用からの脱却と現場説得のコツ
デジタル化推進には、「現場の納得感」と「段階的移行」が不可欠です。
昭和型管理には「現場熟知」「臨機応変な裏ワザ」など貴重なノウハウも多数眠っています。
むしろ、こうした経験と新システムの融合を目指した教育・巻き込み策がカギです。
現場ベテランの意見を取り入れつつ、「使いやすい」「成果(時短やエラー削減)」を実感できる小規模トライアルから始めると、抵抗感も薄まります。
調達購買バイヤー・サプライヤー双方が知っておくべき交渉ポイント
調達側(バイヤー)が注力すべき視点
コストや短納期だけを追い求めるのではなく、
・技術開発や新素材提案要求
・安全在庫量とリードタイムの持ち方
・共同でBCP(事業継続計画)を策定
・不良発生時の是正措置体制
にも目を向けて「共に強いサプライチェーンを築く」発想が求められます。
サプライヤーから見て「選ばれる顧客」になることで有事でも優先してもらえる関係性づくりが重要です。
サプライヤーがバイヤーの求めるものを先読みする
バイヤーが求める「コスト」「品質」「納期」だけでなく、納入先の「工場の現場課題」「最終使用者(医療従事者・患者)の視点」「生産設備との相性」にも関心を持ちましょう。
実際に生産現場での困り事や、不良の傾向、改善要求の背景などをヒアリングし、自社の強みをアピールできれば信頼度は一気に高まります。
また、医療分野の規制動向や新素材のトレンド、有事時の対応力など「付加価値情報」を先んじて提案することも、調達先としての存在感アップにつながります。
今後の医療用原材料調達・流通の新潮流
グローバルサプライチェーン再設計の流れ
近年、パンデミックや各地紛争により医療用原材料のグローバル流通の脆弱性が痛感されました。
複数国・複数企業への分散調達、BCP体制の再点検、現地生産拠点・在庫拠点の多極化が進んでいます。
加えて、サプライヤー自らが「脱・一極集中型」の体制作りに取り組むことも、業界全体のリスク分散につながります。
ESG経営・サステナビリティへのシフト
環境規制強化や人権問題への関心の高まりから、「グリーン調達」「コンプライアンス調達」が急速に進み始めています。
例えば、ステンレス鋼材であればリサイクル原料比率の高いものへの切り替え、危険薬品工程の排除、コンフリクトフリー認証品の採用など、調達現場が直接社会課題解決に寄与する機会が増えています。
まとめ:現場力×デジタル×共創=持続可能な調達体制へ
注射器用カニューレ針を含む医療用原材料の調達・流通管理を最適化するには、「現場力」の発揮と「デジタル技術活用」、そして「サプライヤーと共創する姿勢」が欠かせません。
昭和から続く現場の良さを残しつつ、時代に合った新しいやり方を柔軟に取り入れることが、日本の製造業がグローバルで勝ち続ける条件となります。
単なる注文・納品のルーチン作業から一歩踏み出し、業界を俯瞰し、自社とパートナー企業の「競争力を高めるための調達力」強化にぜひ挑戦してみてください。
あなたの現場経験が、明日の製造業の変革に直結しています。
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