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曲げ加工機で使うフィルタ部材の清掃が後回しになる理由

目次
曲げ加工機におけるフィルタ部材清掃の重要性と現場実態
ものづくりの現場に20年以上身を置いてきた立場から、今回は「曲げ加工機で使うフィルタ部材の清掃がなぜ後回しになるのか」というテーマで掘り下げていきます。
現場では、生産効率や品質向上のためにさまざまな施策が講じられていますが、意外と見過ごされがちなのがフィルタ部材の定期的な清掃です。
なぜ重要であるにもかかわらず、清掃が後回しになってしまうのでしょうか。
その理由を現場目線で分析し、今後どのように改善できるかをラテラルシンキングで考えていきます。
製造業におけるフィルタ部材の役割とは
曲げ加工機のフィルタ部材とは何か
曲げ加工機においてフィルタ部材とは、主に潤滑油や冷却液、あるいは空気圧装置内部の異物混入対策として設置されています。
こうしたフィルタは、機械内部へ異物が入るのを防ぎ、装置の故障やトラブルを未然に防ぐために欠かせない存在です。
この部材が詰まれば、潤滑や冷却が正常に行われず、不具合が発生するリスクが高まります。
フィルタ清掃の意義
フィルタの清掃を怠れば、流体の流れが悪化し、機械負荷の増加や加工精度の低下が生じます。
さらに最悪の場合、ラインの停止や高額な修理費用が発生することも珍しくはありません。
つまり、フィルタの清掃は「見えない保全」として、極めて重要な作業なのです。
なぜフィルタ部材清掃は後回しになるのか
現場目線から見た「後回し」の背景
ベテラン現場担当者に訊くと、「忙しくてそこまで手が回らない」「今のところ問題が発生してないから…」という声をよく耳にします。
実際の現場では、生産計画や納期に追われる現実的な事情が山積しています。
現場リーダーや工場長もコスト削減プレッシャーの中、目の前のトラブル対応や生産数確保を最優先せざるを得ません。
そのため、定期的なフィルタ清掃のように「一見問題がなさそうな保全」は後回しになりやすいのです。
数値化しづらい「影響の見えなさ」
もう一つの大きな要因は、フィルタが詰まった際の影響が明確に数値化しづらい点です。
例えば顕在的な設備停止や異物噛み込みによる破損ならば、原因がフィルタ詰まりと明らかになりやすいですが、多くの場合は徐々に影響が蓄積されます。
「最近加工精度が悪い」「機械の動きが重い」など、あいまいな現象としてしか出てこないことがほとんどです。
このため日々の忙しさに埋もれてフィルタ清掃の重要性が後回しになってしまうのです。
アナログな現場文化の影響
特に昭和から続くアナログな現場では、「設備保全はベテランの勘と経験に頼る」という傾向が今なお強く残っています。
点検や清掃を「不具合があったときにやるもの」という後追い型の発想が根付いてしまっているのも、後回しになる理由の一つでしょう。
また、「自分がやらなくても次のシフトや保全担当がやるだろう」と、責任の所在が曖昧になりやすいのも特徴です。
現場でよくあるフィルタ清掃の実態
実務担当者の優先順位
現場の実務担当者は、日々の生産、段取り替え、不良対策などに追われています。
とりわけ少人数の現場では、改善活動や5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)も「やらなければならないけど時間がない」業務になりがちです。
フィルタ清掃も、日々の連絡事項や品種切り替えの際には意識されるのですが、どうしても「明日でも大丈夫だろう」と後ろ倒しになってしまいます。
品質・生産管理部門の関与不足
生産現場だけでなく、品質管理部門や生産管理部門も本来は保全活動のモニタリングを担うべきですが、人員不足や業務多忙のため、フィルタ部材の清掃履歴チェックまで十分に手が回っていません。
また、バイヤーや調達部門も、「フィルタ部材の寿命」や「メンテナンスコスト」を調達段階で十分議論しきれていない場合が多いのです。
バイヤー・サプライヤーから見たフィルタ部材清掃の課題
バイヤーが考えるコストとメンテナンス性
バイヤーは基本的に「調達価格」「コスト低減」「供給安定性」を最重要テーマとしています。
フィルタの交換頻度や清掃性については、導入段階の打ち合わせでは重視されづらい状況です。
そのため現場のオペレータや保全担当が「掃除しづらい」「アクセスが困難」と感じていても、問題の顕在化まではサプライヤーにフィードバックされにくいのです。
サプライヤーの立場からできること
サプライヤー側も、フィルタ部材の使われ方や現場の運用実態までは見えづらい傾向があります。
そのため、現場での「清掃しやすさ」や「交換サイクル」が設計段階で十分に考慮されていないことが多いのです。
現場密着型のサプライヤーであれば、定期的に現場を訪問し、ユーザーから直接ヒアリングを行うことで、より清掃しやすい製品開発や清掃管理の仕組みづくりに生かすことも可能です。
ラテラルシンキングで捉え直す「フィルタ清掃」の本当の価値
「めんどう」を価値に変える発想転換
忙しい現場で「めんどうだから後回し」になっている作業を、逆に現場全体の価値向上へつなげられないか、というラテラルシンキングも重要です。
たとえば、フィルタの清掃状況と設備の稼働率のデータを継続的に蓄積、可視化することで、設備停止率低減に直結する「攻めの保全活動」として再定義することができます。
また、「清掃しやすさ」を指標化し、バイヤーが調達方針を切り替えるような業界トレンドを生み出すのも一つの革新的アプローチです。
現場文化の変革を目指して
会社全体の品質マネジメントや生産性向上の観点からは、「担当者の気合い」「現場の善意」に頼るだけではなく、清掃計画自体を標準作業化し、見える化・仕組み化することが重要です。
IT化・IoT導入によって、清掃履歴や状態監視をデジタル管理できれば特定の属人的リスクも低減できます。
工場長や管理者が率先して「清掃のための時間確保」を全体工程で正式に位置付けたり、毎日の朝礼でチェックリスト化して習慣化したりすることで、アナログな現場文化にも少しずつ変化をもたらせるでしょう。
今後の課題と業界の新たな地平
清掃組み込み型の新しい設備設計
サプライヤー側は、今後「清掃の省力化」「メンテナンスフリー化」を徹底的に追求したフィルタ部材の設計開発が求められる時代です。
例えばセルフクリーニング機能付きフィルタや残量センサー搭載、ワンタッチ交換機構など、現場の声を反映した具体的なイノベーションが次世代標準となりつつあります。
こうした流れは、導入コストが若干高くなっても、ダウンタイム低減や長期的なトータルコスト削減につながります。
バイヤーは従来の価格重視だけでなく、「運用コスト・清掃性」を評価軸に加えることが競争力確保のカギになります。
人材育成と現場の意識変革
また、現場担当者への教育やマインドセット改革も欠かせません。
気付きやすい異常のサインや、清掃と設備寿命の相関を分かりやすく教育することで、「自分ごと」として清掃計画への積極的な巻き込みが図れます。
熟練者のノウハウや清掃のコツも次世代へ継承していくことで、現場のQCD(品質・コスト・納期)改善につながるでしょう。
まとめ:小さな「後回し」を現場進化の起点に
曲げ加工機のフィルタ部材清掃が後回しになる理由は、「目の前の忙しさ」「影響の見えなさ」「アナログな現場文化」といった複数の要因が複雑に絡み合っています。
しかし、これを「新たな地平を切り拓くチャンス」として捉え直すことで、現場の生産性・保全性・品質向上に直結する大きな一歩となり得ます。
バイヤーやサプライヤーも巻き込み、現場発の課題解決こそが、今後の製造業の新しい成長モデルとなるでしょう。
読者の皆様も、日々の忙しさの中で埋もれがちな小さな課題から再スタートを切り、「現場から会社を変える」ムーブメントの一翼を担っていただければ幸いです。
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