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OEMペットフードの輸出に必要な規制対応と証明取得の流れ

目次
はじめに:OEMペットフードの輸出ビジネスの魅力と課題
日本のペットフード産業は、国内市場の成熟とともに、OEM商品の輸出が新たなビジネスチャンスとして注目を集めています。
特にアジアや北米、ヨーロッパの伸長するペット市場へ進出することで、安定した生産量や新規顧客の獲得が期待できます。
しかし、OEMペットフードの輸出には、各国の規制や認証、証明取得といった高いハードルが存在します。
昭和時代からの慣習が色濃く残る製造現場や、調達・生産管理の業務に従事する多くの方にとって、最新の輸出関連規制を把握し、スムーズな証明取得プロセスを身につけることは非常に重要です。
本記事では、OEMペットフードの輸出に欠かせない規制や証明対応の全体像と、現場目線での実践的なプロセス改善ポイントを徹底解説します。
OEMペットフードとは何か?業界動向とバイヤー視点
OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、発注者(バイヤー)がブランドや仕様を示し、実際の生産を受託業者(サプライヤー)が担う形態です。
ペットフード分野においては、自社ブランド製品を必要とする海外バイヤーが、日本国内の信頼できる製造工場に製造を委託するケースが増えています。
これにより、日本の高品質な原材料や高度な衛生・品質管理体制を海外でのブランド価値向上に役立てることができます。
一方で、バイヤーが最も重視するのは「現地市場での安全規格を満たしているかどうか」です。
証明書類取得や規格適合状況を確実に説明できなければ、いかに製品そのものが優れていても商談に勝つことはできません。
サプライヤーとしては、バイヤーの「規制リスクを徹底して管理したい」「証明取得のコストと期間を最小化したい」といった根本的なニーズを正確に理解し、能動的な資料整備や書類対応が不可欠です。
各国ごとの輸出規制:どこが厳しいのか?
ペットフードの輸出先ごとに輸入規制の厳しさや特徴が異なります。
輸出を検討する際、まずは現地の規制動向を正確に整理し、自社の体制と照らし合わせることが不可欠です。
アメリカ(米国)
・FDA(食品医薬品局)による商標登録。
・各州ごとに登録が必要な場合あり。
・AFCOOの規格への準拠。
・動物用飼料添加物、原材料の安全性証明が必須。
中国
・輸出前の政府間調整が必要(日本産品は都度規制が変わる)。
・現地動物検疫証明書が求められる。
・GACC(税関総署)への情報登録やラベル表示義務。
欧州連合(EU)
・輸出施設のEU登録(認定番号取得)が大前提。
・原材料のトレーサビリティ、製造工程の詳細な文書管理。
・第三者による監査書類が必要な場合も。
アジア・東南アジア(タイ、ベトナムなど)
・日本の輸出証明書に加え、現地の追加検査。
・現地バイヤーが指定する分析機関の証明を要求されることも増加中。
輸出に必要な主な証明書類と取得ステップ
OEMペットフードの輸出には、下記の主要な証明書と、それに付随する申請・取得業務が求められます。
動物検疫証明書(Animal Health Certificate)
・農林水産省の出先機関である動物検疫所が発行。
・輸出品、原材料、製造ラインが特定感染症に侵されていないことを証明。
成分分析証明書(Certificate of Analysis, COA)
・第三者分析機関による発行。
・原材料や完成品のタンパク質、脂質、水分、灰分などの成分規格適合を証明。
輸出先国が要求するその他独自書類
・現地語でのラベル・成分表示書。
・GMP(適正製造基準)、HACCP等の認証登録証のコピー。
・工場見取り図、製造フロー図などの工程記録。
証明書取得の流れ:現場担当者が押さえるべきポイント
1. バイヤーへのヒアリングと規定書の読み込み
バイヤーによって求める証明や記載内容が異なります。
最初に、納入仕様書や輸出仕様書(SPEC SHEET)を詳細に渡してもらうことが肝心です。
書類作成時には、単なる翻訳ではなく、意図(どの成分基準やリスクについて証明が必要か)を明確にしなければなりません。
2. 社内体制とのすり合わせ・工程確認
証明書類の大半は「生産現場の事実と突合して虚偽がないか?」が問われます。
原料サプライヤーのトレーサビリティ、混入リスク防止、設備の洗浄記録、バッチナンバー管理など、実務者が裏付け資料を作成するプロセスが不可欠です。
現場の昭和的な口伝・経験則依存を、ドキュメントによる見える化に切り替えましょう。
3. 外部分析機関との連携
指定分析項目について、信頼性の高い第三者機関にサンプル提出・証明発行依頼を行います。
検体採取から分析依頼、結果受領まで通常1週間~2週間前後が目安ですが、出荷直前の突発依頼には対応できません。
プロジェクト全体の工程に組み込み、余裕あるスケジュールを立てましょう。
4. 行政機関・検疫所との調整
動物検疫証明書や、各国による特殊証明には、事前申込・立ち入り検査・書面発行プロセスが存在します。
「どうせ規制は変わらない」ではなく、直近の改正事例や行政ガイドの最新版を必ずチェックし、バイヤーにフィードバックできる体制にしましょう。
現場で陥りがちな課題と対策:デジタル化・省力化のポイント
昭和モデルの現場では、「担当者の経験に頼る」「紙管理が主流」「バイヤーの指示待ち」というアナログな運用が根強く残っています。
これにより、証明書作成で下記のようなミスや手戻りが多発します。
- 証明書の記載ミスや期日遅延
- 原料トレース不可や帳票抜けによる再発行
- 担当者間の引継ぎが曖昧で属人化
解決のためには、下記のデジタル基盤導入が有効です。
- 生産実績・原材料仕入のバーコード管理システム
- 証明証ファイル・帳票のクラウド保存と世代管理
- 異物混入・洗浄記録など、モバイル対応の現場入力ツールの導入
これらは大手メーカーだけでなく、中小規模のOEM工場でも導入可能です。
「将来の輸出案件を考えた業務設計」を日常業務に組み込むことが、監査対応ばかりで疲弊しない現場への一歩となります。
バイヤー・サプライヤーの協働で生き残る輸出ビジネスの未来像
今後、ペットフード輸出の拡大と並行して、国際規格の厳格化や、情報開示義務の増大は避けられません。
バイヤーからの「御用聞き発注」に徹するのではなく、規制・証明の最新動向を現場で受け止め、素材選定や工程管理、帳票類まで「一歩先」を見越した取り組みが求められます。
サプライヤーとして優位に立つには、
・自社独自のトレーサビリティ構築
・多国対応できる証明ドキュメントの整備
・現場スタッフのリスク意識、品質リテラシーの底上げ
が必須です。
現場目線の地に足のついた情報発信や、調達・品証・生産管理の垣根を越えた連携体制こそが、業界全体の発展と「昭和からの脱却」を現実的に後押しします。
まとめ:製造現場から始めるグローバル対応の第一歩
OEMペットフードの輸出プロジェクトでは、現場での日々の積み重ねや、小さな帳票管理の徹底が、国際市場での信頼獲得につながります。
今回紹介したような証明書対応や規制理解を、自社の強みとして磨きあげることが、最先端のサプライヤーへの変革につながります。
バイヤーの目線で現場を見直し、調達・生産・品質管理の全段階で「根拠と証明」を日常業務として仕組み化していきましょう。
昭和から続く現場力に、デジタル知見とグローバル規格対応力を上積みすることこそが、製造業の現場から世界市場への扉を開くのです。
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