- お役立ち記事
- リユーザブルストローOEMでゼロプラ市場を拡大する洗浄ケース設計
リユーザブルストローOEMでゼロプラ市場を拡大する洗浄ケース設計

リユーザブルストローOEMでゼロプラ市場を拡大する洗浄ケース設計
はじめに:ゼロプラ市場とリユーザブルストローの本質
ここ数年で「ゼロプラ」「脱プラ」といったキーワードをニュースやSNSでよく目にするようになりました。
特に外食産業や小売店を中心に、プラスチック製品の代替となるアイテムへの需要は着実に高まっています。
その中で脚光を浴びているのがリユーザブルストローです。
ストロー1本の切り替えが与えるインパクト自体は小さいかもしれませんが、その背後には消費者のサステナビリティへの意識の変化、企業のSDGs方針への取り組み、市場全体の価値観の変容があります。
しかし、ただ単に“使い捨てストローをリユーザブルにする”だけでは、ゼロプラ市場の真の拡大は難しいのが現実です。
そのブレイクスルーとなるのが、“OEMでの独自仕様ストロー”と“洗浄ケースの設計革新”です。
この記事では、現場目線とバイヤー思考の両軸で、ゼロプラストロー市場の成長可能性とOEMによる競争優位、洗浄ケース設計の最前線について深堀りしていきます。
リユーザブルストローとは?—素材から構造まで
リユーザブルストローは繰り返し洗えて環境に優しい飲料用ストローです。
代表的な素材は下記のとおりです。
・ステンレス(SUS304など)
・シリコーンゴム
・竹・木材
・ガラス
・ポリ乳酸(PLA)など生分解性素材
それぞれ、
ステンレスは丈夫で衛生面に優れ、シリコーンは柔軟性、安全性が高いのが特長です。
竹・木製やガラス製はエコ志向の強い顧客に訴求力があり、 PLAなどは「脱プラ」はしつつも価格・大量生産性を意識するユーザーに人気があります。
リユーザブルストローは洗って繰り返し利用できるぶん、“衛生性”と“持ち運びやすさ”“メンテナンス性”が購入の大きな決め手になります。
つまりストロー単体ではなく、「洗浄ケースのクオリティ」が商品価値を大きく左右します。これは意外と見落とされがちな視点です。
OEMビジネスの特徴:バイヤーに求められる視点
リユーザブルストローのOEM(相手先ブランドによる製造)は、「千差万別なニーズに応じオリジナル製品を供給できる」点が魅力です。
バイヤーは、一線を画すコンセプトや機能性、コスト競争力が求められます。
以下の観点で考えてみましょう。
・ターゲット市場(飲食店、イベント用、家庭用、ノベルティなど)に合わせた提案力
・素材選定における安全性・環境負荷・価格訴求力
・洗浄用ケース・携帯用ポーチ等の付属品で付加価値を出す設計
・デザイン、ロゴ印刷などブランディング要素への柔軟性
・自動化や工程簡略化による納期・品質・コストメリット
製造現場から見れば、“OEM仕様の多様化=管理の煩雑化・生産効率低下”の懸念がつきまといます。
だからこそ、設計段階から量産性、洗浄性、歩留りの高さ、小ロット対応のしやすさ、工程自動化の余地を緻密に考えておくことが絶対条件となります。
ゼロプラ推進の肝:必要なのは「洗浄ケース設計」のイノベーション
たとえ高耐久のリユーザブルストローであっても、洗浄が不便、持ち運びがしづらい、乾燥しきれない、ケースがかさばる……という「使い勝手の悪さ」があれば、普及拡大には大きな壁となります。
〈ゼロプラ市場で洗浄ケース設計が占める重要性は、家庭用洗剤・化粧品市場における“パッケージデザイン”に相当すると言っても過言ではありません。〉
ここで、現場でよく起こる“昭和的な失敗”を例示します。
・ケースが簡素すぎて耐久性がなく、短期間で破損・買い替えが続発する
・ずさんな設計で密閉度が高すぎ、ストローの水滴が蒸れやカビの原因となる
・洗浄ブラシや中性洗剤とセット収納できず、衛生管理が不十分になる
・外出先で使い終わったストローの水分や汚れが漏れだしバッグが汚損
・複雑な形状やパーツ分割で、洗浄どころか組み立て・乾燥自体が手間
こうした“リピート性を阻害する障壁”を技術でどう乗り越えるか。
現場の工場長としても、バイヤーへのヒアリングで意識すべき提案視点を下記にまとめます。
1.洗浄ケース設計の最新トレンド
(1)自動乾燥機能付き
USB接続でケース内部に温風、UV殺菌を組み込むIoTケースも開発が進んでいます。
中国・深圳のメーカーを中心に最小ロット1,000個からOEM可能な時代になりました。
(2)パーツ一体型・工具不要組み立て
余計な分割部品を極限まで減らし、クリックで一発セットアップできる構造がトレンドです。
部品点数の削減は生産管理上も、現場の歩留まり改善に寄与します。
(3)エコ素材×高耐久
バイオ樹脂(PLA+木粉、竹繊維強化プラスチックなど)や、抗菌コートされた再生ABS等、“見た目がナチュラルかつ強度がある”素材が注目されています。
(4)持ち運びに配慮した超軽量・コンパクト設計
バッグやポケットに入れても違和感なく収まるサイズ感は、Z世代~ミレニアル層の必須条件です。
カラビナ付きケース、ストラップ仕様などファッション性も兼ね備えています。
2.OEMで差別化する洗浄ケースの設計アイデア
◎スライド式or折りたたみ式で、洗う時のみ全開口・収納時はコンパクト
◎各パーツが丸洗いでき、カビ・汚損が溜まりにくいフルオープン構造
◎ワンアクションで収納からスムーズに取り出せるギミック
◎洗浄ブラシや小さな中性洗剤ボトルまで“全部収まる”一体型設計
◎ケース自体に抗菌性をもたせる、Ag+や竹炭など天然由来の抗菌加工
◎ユーザーが好みに合わせて名入れ・イラストが簡単に着せ替えできるパーツ提供
OEMを検討するバイヤーとしては、上記のような“暮らしのUX向上”を意識した要件出しが品質競争力の明暗を分けます。
3.洗浄ケース設計における工程改善と自動化
OEM案件が増えれば増えるほど、「多品種少量」の壁に直面します。
そこで製造現場では、自動組立装置や3Dプリンタの活用、金型設計の工夫による“共通部品化”がカギを握ります。
・金型設計段階で、パーツ数削減・一体成型と組み立て性を重視
・設計と現場(製造技術)エンジニアが初期からレビューを行い、最短リードタイムと高品質化を両立
・バーコードやICタグ活用の自動検査による脱ヒューマンエラー
・海外サプライヤーとのコラボ開発によるコスト・納期競争力
昭和の感覚で「部品は多いほど高級感がある」「複雑な作業イコール付加価値」と考えてはいけません。
今こそ令和ならではの「合理化×サスティナブル」の視点で現場をアップデートする絶好のチャンスです。
サプライヤー視点:バイヤーの裏側を読むコツ
サプライヤーは「こんなおしゃれなストロー+ケースができます」というだけでは選ばれません。
バイヤーの上司や経営層は下記のような意図を読み取っているケースが非常に多いです。
・「洗浄性が悪いとクレームが来て、販路が止まるリスクがある」
・「OEM案件はBtoB案件ゆえ、納期や歩留りでブランド全体の信頼が直結する」
・「ゼロプラへの本気度がアピールできる独自案が欲しい」
・「普及の壁となる“面倒くささ”を打ち破る新設計への期待」
・「SDGsに本気で取り組む姿を社内外に示したい」
だからこそサプライヤーは、【完成後の現場オペレーションや販促、消費者体験までトータルで提案できるか】が勝負の分かれ目になります。
まとめ:リユーザブルストローOEM市場の未来展望
今、リユーザブルストローとその洗浄ケースは「脱プラの象徴」として世界的に注目されています。
ですが一方で、単なる“応急的な代替”に終始せず、真に市場を“拡大”していくためには、OEMバイヤー・サプライヤー双方に新しい視点が求められます。
昭和型思考に陥らず、ゼロプラの社会的意義を腹落ちさせ、UX・使いやすさ・生産性・コストの全てを革新していく。
その軸となるのが「洗浄ケース設計」のイノベーションです。
積年の現場ノウハウとラテラルシンキングで、今までにない体験価値と市場拡大を実現しましょう。
そして共に、製造業から世界をより良く変えていきましょう。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)