- お役立ち記事
- 【リブ付き樹脂筐体】二次射出で強度増強+複雑形状を一体化するテクニック
【リブ付き樹脂筐体】二次射出で強度増強+複雑形状を一体化するテクニック

目次
リブ付き樹脂筐体の魅力:二次射出とは?
製造業の進化と共に、樹脂筐体の需要はますます高まっています。
特にリブ付き樹脂筐体は、軽量性と強度のバランスを保ちながら、複雑な形状を実現するための理想的な選択肢とされています。
ここでは、二次射出という手法を活用し、どのように強度を増して複雑形状を一体化しているのか、そのプロセスと技術の詳細を見ていきます。
二次射出成形の基本原理
二次射出成形とは、既に成形された部品に対して、追加で別の樹脂を射出して新たな部分を形成する手法です。
これにより、単一の射出成形では実現しにくい複雑な形状や機能を持つ製品を作ることができます。
コスト削減や製造効率の向上にも寄与する技術です。
この手法は、特に電子機器の筐体や自動車部品など、高度な機能を持つ製品で活用されています。
一つの例として、耐久性が必要な部分には強化樹脂を使用し、外観が重視される部分には艶のある樹脂を使用することができます。
リブ付きデザインの意義と役割
リブとは、板状に成形された樹脂部品に設けられる柱状の構造体であり、軽量化しつつも強度を高めるために非常に有効です。
リブの設置は、製品の全体的な剛性を高め、変形や破損を防止します。
自然現象や人為的な力によって筐体が変形することを防ぐため、リブの間隔や高さ、形状を設計段階で慎重に選定する必要があります。
二次射出成形を活用することで、リブの追加を行い、強度の調整を容易に行うことができるのです。
リブ設計のポイント
リブ設計のポイントは、製品の用途や環境に応じて最適な形状と配置を行うことです。
たとえば、高度な応力を受ける可能性がある場合は、円弧状やX字型などのリブ配置が考慮され、負荷分散がなされます。
また、リブの高さと厚さは、樹脂流動の妨げにならないように適切に設計されなければなりません。
過度に密集したリブは、樹脂が均等に流動しないため、歪みや不均一な強度を生む可能性があります。
CADやCAEツールを駆使し、シミュレーションを通して最も効果的な設計が可能です。
二次射出による複雑形状の一体化
二次射出成形は、製品の複雑形状の一体化を容易にし、多くの利点を提供します。
ひとつの射出成形では製造が難しかった複雑な構造体を、二次射出により精密かつ高精度に形成できるため、設計自由度が格段に向上します。
たとえば、多色成形として異なる色を持つ樹脂を一体化したデザインや、異素材との組み合わせで多機能製品を生み出す手法も、このテクニックの応用によるものです。
一体化における工夫と技術
樹脂の選択は、異なる機能を持つ要素を一体化する際に極めて重要です。
材質ごとに比重、耐熱性、成形温度が異なるため、それらに適した条件で成形する必要があります。
また、界面活性剤などの加工助剤を駆使することで、接着強度を高めることが可能です。
更に、安全性を考慮したデザインが求められる場合、リブやリブ以外の突起部分を滑らかにすることで、怪我のリスクを低減させることも検討されています。
二次射出成形導入のための設備要件
二次射出成形を成功させるためには、精密な制御が可能な成形機と、適切な金型設計が不可欠です。
特に金型設計は、このプロセス全体の成功を決定づける重要な要素です。
製品の形状に応じた金型設計と、適切なゲートの配置により、樹脂がムラなく流れ、均一な構造体を形成します。
二次射出専用の成形機は、多様な樹脂の混合と連続的な成形を可能にします。
射出圧力や温度の精密な調整が可能な設備は、複雑な成形を難なくこなせます。
導入のためのコストと効率
二次射出成形の導入にあたっては、初期投資が余儀なくされますが、長期的に見れば、製品の一貫性向上や不良品発生の低減、二次加工の削減といった効果が得られ、全体のコスト削減につながります。
加えて、設備のメンテナンスコスト、稼働率、成形精度を高めるための人材育成も重要です。
はじめに設備コストを考慮したビジネスプランを立て、ROI(投資収益率)の向上を目指すことで、企業にとって大きな利益をもたらす一助となるでしょう。
さまざまな産業への応用例
二次射出成形の応用範囲は広く、多くの産業で利用されています。
自動車産業では、インテリアパネルやバンパー、電子機器ではコンピュータ筐体やスマートフォンボディなど、用途は多岐にわたります。
これらの製品では、強度の向上と軽量化の両立が常に求められており、二次射出成形がその要求に応えています。
また、医療機器や家具産業でも、複雑な形状が必要なパーツやデザイン性を重視した製品に幅広く利用され、性能向上とコスト効率の両立を実現しています。
次世代製品開発に向けた注意点
製品開発においては、二次射出成形を駆使して新しい市場ニーズに応えていくことが企業の競争力向上につながります。
しかし、新しい製品開発を行う際には、市場動向の理解、ターゲット顧客のニーズ、そして技術的な限界を認識した設計が必要です。
また、環境負荷の低減やサステイナブルな素材の選定も重要な視点となります。
開発初期段階から廃棄物管理やリサイクルの視点を取り入れることで、環境に配慮した製品が実現できます。
リブ付き樹脂筐体の未来
二次射出成形とリブ設計を駆使したリブ付き樹脂筐体は、性能向上、コスト削減、そして設計の自由度を高めることで、製造業界に多大な変革をもたらしています。
これからも新技術や新素材の開発に伴い、より多くの産業での応用が期待されます。
製造現場においては、技術革新を積極的に取り入れ、ニーズに即した製品を提供することで、競争力の強化が求められます。
そのためには、技術者のスキル向上、設備の最適化、そしてマーケットのニーズを的確に捉える能力が不可欠です。
リブ付き樹脂筐体の開発と二次射出成形技術は、ものづくりの可能性を広げ、新たな価値を創造し続ける原動力となることでしょう。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)