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OEM製品をスムーズに立ち上げる“Ganttチャート管理”

目次
OEM製品の立ち上げにおける現場のリアルと変革の必要性
OEM(Original Equipment Manufacturer、相手先ブランド名製造)製品の立ち上げは、製造業の現場にとって避けて通れないプロジェクトです。
新規顧客との商談から仕様決定、部品調達、試作、量産立ち上げまで、一連の流れはまさにプロジェクトマネジメントそのものと言えます。
このプロセスで「何をいつまでに、誰が、どの順序でやるか」を錯綜なく管理することは、プロジェクト全体の成否に直結します。
しかし、多くの現場では、昭和時代からのアナログ的なやり方が未だ強固に残っているケースも多く、紙の進捗表やホワイトボード、口頭伝達による抜け漏れ、属人化した情報管理など、リスクを内包した運用が続いているのが現実です。
こうした状況下でGanttチャート(ガントチャート)によるプロジェクト管理が改めて注目されています。
本記事では、製造業の現場経験とバイヤー/サプライヤー双方の目線をもとに、OEM製品立ち上げにおけるGanttチャート活用の実践的ノウハウと新世代の管理手法について解説します。
OEM立ち上げプロジェクトの複雑化とGanttチャートの必要性
OEM製品立ち上げの一般的な流れ
OEM立ち上げの流れは、一般に以下のような工程で進みます。
1. 顧客との打ち合わせ・仕様決定
2. 見積書作成・発注条件決定
3. 部品サプライヤー選定・調達開始
4. 製造準備(設備の段取り、図面・工程表の作成)
5. 試作・評価・問題点是正
6. 量産立ち上げ
7. 出荷・納品
この一つひとつの工程に多数のサブタスクが内包されており、部門横断、複数サプライヤー、マトリクス組織などの管理も必要です。
なぜGanttチャートが必要なのか
OEM立ち上げでGanttチャートが有効な理由は、作業の「見える化」と「順序管理」にあります。
どのタスクがどのタイミングで、どの部門・担当者の手に渡り、どこがボトルネックや遅延の温床になっているのか。
Ganttチャートは線表形式で全体進捗と関連タスクの連動関係を可視化できるため、遅れやトラブルが即時発見でき、関係者間で共通認識を持つことができます。
これが、属人的・暗黙知型でプロジェクトマネジメントを進めてきた“昭和型アナログ現場”との差別化ポイントであり、管理精度と柔軟なリカバリーのカギとなります。
Ganttチャート管理の現場実践:具体的なポイント
1. タスクの細分化・オーナーアサイン
Ganttチャート管理では「タスクの粒度」が重要です。
工程全体を抽象的に把握するのではなく、例えば「A部品図面化」「B部品手配」「試作1回目(内作)」「一次評価」「是正対応」など、成果物(アウトプット)が具体的に意識できるレベルまで分解します。
そして、各タスクごとに必ずオーナー(担当者)を明記します。
「部署単位」や「全員で」ではなく、「誰が責任を持つのか」を可視化することが、遅延やボール落ち(対応漏れ)の防止に効果を発揮します。
2. クリティカルパスの管理とリスクヘッジ
OEM立ち上げでは、「このタスクが遅れると全体工程が止まる(直結する)」というクリティカルパスがあります。
Ganttチャートは、タスク間の前後関係や依存関係を線で結ぶため、どこが全体納期に直結するのか、どの工程に最優先でリソースを厚く振るべきかが一目で分かります。
クリティカルパスに対しては、リカバリープラン(代替手段や予備日設定、追加要員手配)をあらかじめ用意するなど、リスクヘッジを徹底することが重要です。
3. 進捗レビューと会議運営の効率化
Ganttチャート管理における進捗会議は、「全体の工程表をもとに今どこで何が起きていて、どこが遅れているのか」を即時共有する場とします。
エクセルやクラウド型ツールならリアルタイムで最新情報を反映し、関係者全員で共通認識を形成。
「各担当者の言い訳や主観が中心」の会議から、「事実ベース」「プロセス重視」「数字で語る」会議運営に変革します。
これにより、マンネリ化・長時間化した形骸的な進捗会議が生産性高く変わり、課題の早期発見→スピード解決へと進化します。
アナログ文化からの脱却:最新トレンド・ツール事情
現場の“紙とホワイトボード”の限界
多くの製造現場では、いまだ「進捗表やマグネットで線表をつくり、会議室の壁に貼る」「担当者同士が情報手渡しで進捗を管理」といった運用が根強く残っています。
このアナログ管理は、一定の規模や速度であれば支障は少ないかもしれません。
しかし、OEM立ち上げのように多部門・多サプライヤー・タスク大量発生の案件では、進捗のタイムラグや見落としが頻発。
ひとたび設計変更や納期トラブルが発生すれば、手作業アップデートでは現状把握が追い付かず、現場が混乱するリスクが高まります。
DX時代のGanttチャートツール活用法
現在では、さまざまなクラウド型のプロジェクト管理ツールが台頭してきました。
Microsoft Project、Smartsheet、Backlog、Wrike、Asana、Trelloなど、多彩なサービスが進化を遂げています。
特に製造業の現場においては以下のポイントが重視されます。
– Web上で複数部門・サプライヤーと同時編集できる
– 工程ごとにアラートやリマインド機能がある
– ドキュメントや図面、仕様書とのリンクがしやすい
– スマホやタブレットでも閲覧・更新ができる
これらのツールを導入することで、進捗管理の“タイムラグ”や“属人性”を一気に解消できます。
従来は工程ごとに紙ベース、エクセル複数管理だったものが、クラウド上でシームレスに同期され、海外拠点や時間外でも最新進捗を全員で確認できるようになります。
OEM立ち上げにおけるバイヤー・サプライヤーの心理とGanttチャート管理の真価
バイヤー目線:透明性と安心感の重要性
バイヤー担当者にとって、OEM製品立ち上げ時の一番の悩みは、「サプライヤー側の進捗・問題が見えないことによるリードタイム・品質リスク」です。
サプライヤーが納期遅延や問題隠しをしていないか、どこまで準備が進んでいるのか、全貌を把握することは困難を極めます。
しかし、Ganttチャート管理によって工程ごとの見積納期・進捗・遅延要因がリアルタイムかつ第三者的に可視化されると、バイヤー側は「一体感」「透明性」「根拠ある安心」を得られます。
特に、部品調達や工程変更が多発する最近では、「どの段階で何が起こる可能性があるか」「危険アラートをどうバイヤー・調達現場に通知するか」が信頼獲得の決め手となっています。
サプライヤー目線:成果アピールと納期コミットの武器に
一方、サプライヤー側としては「きちんと計画管理をして課題を早期解決している現場力」をGanttチャートでアピールできます。
「進捗は順調」ではなく、「ガントチャート上で何%進捗、次工程でどの波及リスクがあり、こうリカバリー中」という説明ができれば、バイヤーの評価(信用スコア)は飛躍的に向上します。
また、突発トラブル時でも、Ganttチャートを書き換えリスケした根拠を提示できれば、バイヤーとの協議が円滑化し、短納期対応や納期交渉の武器にもなります。
昭和から令和へ:「考え抜く」Ganttチャート革命への一歩
OEM製品立ち上げの現場では、単なる工程管理だけでなく、「どこにどんなリスクがあり、どの時点でどの手当てが有効か」「サプライチェーン全体(内製・外注含め)をどうつなぐか」といったラテラルシンキングの視点がますます求められています。
そのためには、
– サプライヤー同士/バイヤー間の情報共有インフラを標準化する
– エンジニア、調達、製造、品質管理の横断型連携を実現する
– トラブルシュートや“暗黙知”蓄積をガントチャートに残し、次世代の標準手順とする
など、単なる「線表」ではなく、「現場の知(ナレッジ)」を時間軸で視覚化・集約していくことこそ、これからの価値となります。
ひと手間を惜しまず、Ganttチャートを社内外コミュニケーションの“言語”に昇華させ、アナログな現場文化の限界を超えるイノベーションを一緒に実現していきましょう。
まとめ:Ganttチャート管理がOEM立ち上げの“成功の証”となる時代へ
OEM製品立ち上げプロジェクトの成功は「計画立案力+進捗可視化+柔軟なリカバリー」の3点セットにかかっています。
Ganttチャートは、現場のリーダー・バイヤー・サプライヤーの全てが同じ目線で“進化”できる土壌をつくる最強のツールです。
ぜひ貴社の現場でも「Ganttチャート管理によるOEM立ち上げ革新」にチャレンジしてください。
昭和のやり方を変えるのは勇気が要りますが、その先に「納期厳守と信頼獲得」「トラブル時でも安心なパートナーシップ」「現場力の盤石な深化」が待っています。
明日の現場をもっと強く、もっと柔軟に、ガントチャート管理でつくり出しましょう。