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無料BIで始める受注出荷見える化グラフ三種だけの設計

目次
はじめに:なぜ今、「無料BI×見える化グラフ」なのか?
昭和から続く多くの製造現場は、紙管理やExcel個別運用、電話・FAXでのやり取りが依然として根強く残っています。
これまでのやり方は「慣れている」「失敗がない」と思われがちですが、今や企業競争やサプライチェーンリスク、働き方改革など、外部環境の変化は無視できません。
そこで注目されるのが、「BIツール(ビジネスインテリジェンス)」による情報の“見える化”です。
特に“無料BI”を活用した、受注・出荷の「見える化グラフ」は導入障壁が低く、初めの一歩を踏み出しやすい仕組みとして、多くの現場から評価されています。
本記事では、実務経験20年以上の現場目線で、最小限・最大効果を発揮する“グラフ三種”による設計のポイントを、具体例とともに解説します。
製造現場での「受注・出荷情報」の課題とは
従来型:「点の情報」と「属人化」から抜け出せない…
現場でこんな声をよく聞きます。
・客先からの注文状況が営業しか分からない
・今週どれだけ出荷されるか現場まで伝わらない
・部材調達や生産計画が後手にまわり、慌ててリスケ
・「あの案件どうなってる?」に即答できず信頼感ダウン
この状態を生む主な要因は「情報の点在」と「人に依存した運用」です。
Excelで手作業集計したものをそれぞれが管理、またはベテランだけが分かるファイル構成……
これでは現場全体で“共通認識”が持てません。
結果、余計な調整や、「もっと早く分かっていれば…」といった機会損失につながります。
DX化の第一歩は「使えるグラフ」と「即時性」
受注と出荷は、メーカーにとって「仕事(注文)」と「成果(納品)」そのものです。
この二つを“誰もが理解できる形”で示せれば、部門を超えて情報がつながります。
そして、現場ごとに「早く・自分で・見たい時に見れる」ことがとても重要です。
つまり「リアルタイム性」と「直感的な分かりやすさ」の両輪を実現しましょう。
ここで活用したいのが、「無料BIツール」の存在です。
無料BIツールとは? 現場の導入メリット
無料BI例:Microsoft Power BI free/Google データポータル(Looker Studio)
無料BIツールは、多種多様なデータを「ノーコード」でインパクトあるグラフに変換できます。
クラウド上で稼働するため、データ更新も即時反映、PCだけでなくスマホやタブレットでも閲覧可能です。
要件がシンプルな「受注・出荷の見える化」という目的では、十分すぎるほどの能力を発揮できます。
紙やExcelだけの運用との差別化ポイント
・集計作業が一瞬
・誰が見ても同じ“新しい数字”にアクセスできる
・社内外どこからでも閲覧可能
・手戻りや属人性が“視える化”されて自然に減る
特別なITスキルがなくても、テンプレートやドラッグ&ドロップ操作で簡単に設計できる点も魅力です。
受注出荷管理を一変させる「見える化グラフ三種」とは?
【1】受注残グラフ:失注予防と進捗遅延の早期可視化
「受注残」=これから納品しなければならない案件(注文)の全体像を見える化します。
(例)
縦軸:日付
横軸:各案件(製品・得意先ごと)
棒グラフ:残数/予定納期
ビジュアルで“山”が高くなったところや納期が近いものが一目で分かるため、
「この日程で間に合うのか」「遅れそうな大口案件はないか」といった現場の悩みを解決します。
また、営業や生産現場で“どこで遅れが生じているのか”をみんなで共有できます。
【2】出荷実績推移グラフ:品種・取引先別で見える実力
納品実績(過去実績)を週次や月次で見える化することで
・ピーク、ボトルネックの把握
・商品種ごとの出荷バランスのチェック
・納期遅延や品質トラブルによる“穴”の見極め
などが即時に分かります。
(例)
横軸:日付または週次・月次
縦軸:出荷数量
折れ線グラフまたは積み上げグラフ:商品別または得意先別
「どのタイミング」で「どれだけ」出荷できているのか、
もし急に出荷が止まった・伸びた時、「なぜ?」と追えるのも最大のメリットです。
【3】納期遵守率グラフ:ゼロ災害的な“納期の数値目標”
全社一丸で「納期」の意識を持つためには、納期遵守率(=納期通りに出荷できた割合)の見える化が不可欠です。
例えば、
月単位で「今月の納期順守率」=全発注件数のうち納期通り出荷できたものの割合
をシンプルに%表示。
(例)
棒グラフ:月別または週別の納期遵守率(%)
工場長や生産管理、営業がその数値を見ながら
・問題があれば即対策
・現場と一緒に原因分析
・顧客との信頼構築の指標
として使えます。
数ヶ月先まで予測するトレンド線も追加すれば、先手の対応力も格段に上がります。
無料BIを活用した「三種設計」の具体的なはじめ方
STEP1:集計シートを極限までシンプルにする
無料BIの最大の利点は「データ加工が自動」です。
最初は、CSV(Excel)で
・注文日、納期予定日、品番、受注量、出荷日、出荷量、納期遵守判定(○×)など
“必要最小限”な項目だけを持つ台帳を作りましょう。
余計なフォーマットや、複雑なマクロは不要です。
STEP2:BIのテンプレートでグラフ三種を作る
GoogleデータポータルやPowerBIに、表データをアップロード。
・ガイダンス通りに「棒グラフ」「折れ線グラフ」「%グラフ」など
項目をドラッグするだけでお手本グラフが完成します。
慣れればテンプレートから10分で立ち上げることも可能です。
STEP3:共有と運用ルール化(“現場全体”に浸透させる)
グラフを社内イントラネットやGoogleシート経由で共有。
「毎朝、朝礼前にグラフ確認」
「進捗異常時、即Slackやチャットで周知」
など“運用ルール”を一つ決め、みんなが参照する流れを作りましょう。
「異常がありそうなとき、グラフを基に現場を巻き込む」体制が自然と定着します。
製造業バイヤー・サプライヤーにも効く「見える化三種」の意義
バイヤー志望者・調達部門の視点で
リアルタイムで「何が受注残としてあるのか」「過去に納期遅れや多数出荷が集中したのはどこか」「サプライヤーの納期遵守傾向は?」など
一目で把握できる武器になります。
価格交渉や長期発注の材料、取引先担当者との信頼構築の「結果根拠」としても利用できます。
サプライヤーの立場で「バイヤーが気にするポイント」を先読み
バイヤーが見ている“生の数字”をサプライヤー側も自分達で分析すれば、相互理解のメリットは計り知れません。
納期トラブルや大量発注など、事前に気付き自主的な調整・相談が可能となり
「御社なら大丈夫」と信頼を厚くする土台が出来上がります。
アナログ文化との融合:昭和的現場を変革するには?
昭和的現場×見える化=“働きやすさ”と“若手育成”のきっかけ
ベテラン層の多い現場ほど「急な変化」への抵抗感が強いものです。
しかし、グラフ三種は“数字や資料作成”に慣れていない人でも「見れば分かる」「使い方が難しくない」仕組みです。
現場会話で
「今月の納期遵守率、何%だっけ?」
「●●案件、出荷予定いつ?」といった会話が活性化し、
若手社員や新任バイヤーの教育にもつながります。
自動化・見える化は「仕事を奪う」のではなく、「仕事を楽に、わかりやすく」する道具です。
まとめ:今こそ“最小限・最大効果”の見える化をはじめよう
製造業の受注・出荷業務は、経営の根幹をなすプロセスです。
昭和流の紙・Excel管理や属人的な伝達に頼る時代から「三種のグラフ」で誰でも数字を共有し、迅速に現場改善を進める時代へ。
「難しそう」と思わず、まずは
・無料BIで
・必要最小限の設計
・受注残/出荷実績/納期遵守率という三本柱
これだけで現場と調達サイド双方が“同じ方向を見て”動きはじめます。
無料BI×見える化三種設計で、あなたの現場の未来を“今日から”アップデートしましょう。
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