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ベビーカーシートライナーOEMが温湿度調整3Dハニカムエア層

目次
はじめに:製造業現場から見るベビーカーシートライナーOEMの進化
近年、ベビーカーに取り付けるシートライナーOEM市場が活発化しています。
特に温湿度調整機能を持つ3Dハニカムエア層構造の採用が、業界の新たなトレンドとなっています。
製造現場の長年の経験を持つ立場から、なぜこのような流れが生まれたのか、どのような現場ニーズや課題背景があるのかを解説し、サプライヤーとバイヤーの視点を交えた実践的な内容を共有したいと思います。
ベビーカーシートライナーOEMに求められる機能とは
デザインだけでなく機能性重視の時代へ
従来、ベビーカーシートライナーは、見た目の可愛らしさやブランド価値に注目が集まりがちでした。
ところが消費者の目が肥える現代では、「どれだけ赤ちゃんが快適に過ごせるか」「衛生的かつ安全か」といった、機能面の要求が大幅に高まってきています。
特に高温多湿な日本においては、ベビーカー内の『ムレ』『汗』『熱こもり』対策は重要課題です。
3Dハニカムエア層構造とは何か
3Dハニカム構造とは、断面が蜂の巣状(ハニカム)の立体メッシュ層を指します。
この構造は通気性に優れ、クッション性もあるため、体圧分散と熱気・湿気対策の両立が可能です。
従来のウレタンや綿入りでは実現できなかった「空気が動く」設計が、夏は快適、冬も温もりを保ちやすくする工夫となっています。
この仕組みの応用が、OEM受託生産における差別化ポイントとなってきています。
昭和から抜け出したい製造業界の現状と課題
アナログからデジタル志向への変革が進行中
ベビーカーシートライナーのOEMも、昔ながらの大量生産一辺倒から、少量多品種・高機能志向へと需要がシフトしています。
昭和の時代から根強く残る「コスト最優先」「お付き合い受注」体質では生き残るのが難しく、市場ニーズに即応できる「現場目線の改善」や、「企画から関与する提案型OEM」が求められています。
この流れが、日本の下請け体質からの脱却と関連し、業界の新たな進化を促しています。
バイヤーの視点:なぜ3Dハニカムエア層が選ばれるのか
バイヤーが3Dハニカムエア層構造のシートライナーを評価する根拠としては以下のような点があります。
– 明確な差別化: 汗や湿気を防ぐ機能は、エンドユーザーに“快適”という価値を提供しやすい
– 商品レビュー対策: 通気性・夏冬兼用など機能部分が高評価につながりやすく、EC市場で有利
– 品質クレームの低減: 洗濯耐性やへたりにくさがあり、アフターサービス工数を削減
これらは全て、従来型の綿/ウレタン詰め込み製品では対応しきれなかった部分です。
結果的に、「自社の企画力」「サプライヤーの技術力」「現場の実装力」が問われる競争領域が生まれているのです。
OEM現場で求められる意識改革と技術開発のポイント
設計段階からの現場の参画
バイヤー企業の多くは、大量生産によるコスト低減以外にも「強みとなる独自ポイント」をOEM先に求め始めています。
つまり、設計や素材選定の段階から、工場現場の声を反映することが極めて重要です。
例えば、3Dハニカム層の材質、厚み、密度、圧縮強度、復元力など、細かいチューニングが現場レベルで実現できるかどうか。
こうした専門性が、OEMサプライヤーの新たな付加価値になります。
工程管理と品質保証体制の強化
3Dハニカム構造の製品では、材料の選定、成型、縫製、仕上げに至るまでさまざまな工序の精度が「商品力」になります。
ここで昭和型の「作業の勘と経験」任せではなく、標準作業書やチェックリスト、工程の自働化、AIやIoTによる見える化など最新の管理手法が活きてきます。
また、品質不良の原因特定やトレーサビリティ確保など、コンプライアンス意識も重要です。
これらの現場力は、バイヤー(発注側)からも強く要求されるポイントです。
具体的な製造工程と自動化の動向
材料調達から生産管理、物流までの全体最適
シートライナーは一般的に、以下の工程を経て製造されます。
– 材料調達(3Dメッシュ原反、補強用芯材、表生地等)
– 材料裁断、加工
– ハニカム層の成型
– 縫製・組み立て・仕上げ
– 検品・出荷
各工程でのロス削減、ムダの排除は、生産管理改革の基本です。
ここに生産自動化が導入され始めたのが数年前からの大きな変化点です。
ハニカム層の自動成型装置、カメラ画像による外観検査、RFIDでの材料管理など、IoT技術の導入で少量多品種生産にも即応できる体制が構築しやすくなっています。
従来は人手&勘頼みが多かった工程管理が、データドリブン型となり、品質・納期・コストにおける競争力が大きく向上しています。
最新動向を踏まえたラテラルシンキングのすすめ
「温湿度調整3Dハニカムエア層」の本質的な強みを再発見
従来の直線的な「改良→コストダウン型」発想だけでなく、ラテラルシンキング——「異なる視点」「異業界のノウハウの応用」——を活用するべき時代です。
例えば、自動車シートで培われた体圧分散や品質保証の技術を、ベビーカーシートライナーに活かせないか。
医療・介護の通気マット技術から、赤ちゃん向けに最適化された新素材の開発はできないか。
こうしたアイデアをいち早く形にし、OEM先にプレゼンできる開発体制は、現場力が武器となります。
「売れる」商品開発のための市場観察の重要性
バイヤーが本音で求めるのは、「他社と違う」「共感される」商品です。
エンドユーザーの声をSNSやレビューで収集し、季節や地域ごとでどんな課題が話題になっているかリサーチすることが、商品設計の方向性を決定します。
現場経験がある人間ほど、机上の空論で終わらず、「現場に即した解決策」の提案に説得力が持てます。
OEMサプライヤーに必要な考え方と今後の成長戦略
「現状維持バイアス」からの脱却
昭和的な「これまで通り」で満足していては、生き残れない時代です。
OEM側も、従来の発注書に従うだけではなく、「どんな価値を提供できるか」「どんな潜在ニーズを顕在化できるか」を柔軟に考える「攻めの姿勢」が不可欠になっています。
パートナーシップ型バイヤー関係の構築
バイヤーは「安くて使いやすい」だけを求めているわけではありません。
「トラブル時のレスポンス力」
「ユーザー視点での新製品提案」
「共に成長できるパートナー」
こうした価値観で繋がるサプライヤーを強く求めています。
そのためには現場感覚を持つ担当者自らが積極的に情報収集・課題提案し、信頼を得ていくことが大切です。
まとめ:現場から生まれるベビーカーシートライナーOEMの未来
ベビーカー用シートライナーのOEM市場でも、温湿度調整3Dハニカムエア層のような先進技術に注目が集まっています。
その本質は「ユーザーの困りごとを現場知見と技術でどう解決するか」にあります。
昭和のやり方に固執することなく、柔軟なラテラルシンキングと現場目線によって、次世代の”売れる”商品を創りあげることが求められています。
全ての製造業従事者、バイヤー志望者、サプライヤーの皆さまが、この変革の時代に価値ある一歩を踏み出せるよう、これからも実践的な現場知見を発信してまいります。
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