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新しい働き方に対応できず混乱が続く課題

目次
製造業の現場が直面する「新しい働き方」への対応課題
新型コロナの影響をきっかけに、働き方改革が多くの業界で急速に進みました。
しかし、製造業、特に部品・装置メーカーや現場主導の生産を行う工場では「新しい働き方」が上手く浸透せず、混乱が続いています。
この背景には、長年にわたり培われてきた昭和時代の現場文化や、アナログな運用慣習が今も色濃く残っているためです。
本記事では、現場目線から見た新しい働き方への対応課題とその打開策を深く掘り下げます。
昭和から続く「現場主義文化」とその限界
紙と電話が主役の世界
いまだ多くの工場では、運用ルールやコミュニケーションが「紙」と「電話」中心で回っています。
生産スケジュールの変更、部品手配の確認など、現場担当者が直接顔を合わせて話し合うことが日常です。
このアナログな文化は、熟練者に頼ることで絶妙な調整やリカバリーが可能という強みもあります。
しかし一方で、ナレッジの属人化、情報の非共有化、イレギュラー発生時の混乱が慢性的に起こりやすいという問題も抱えています。
「見て覚える」OJT文化の影響
製造業の教育体制は、属人的なOJT=On the Job Trainingが中心です。
熟練工が若手に「現場の勘」や「暗黙知」を直接伝え、それを見て学べというスタイルが一般的でした。
この方法は一人ひとりの成長には寄与しますが、体系的な技術伝承や多様な働き手への対応には必ずしも適していません。
また、テレワーク化や多拠点化が進む現代の働き方には馴染みにくく、情報の分断や「ノウハウが引き継げない」という難題も浮上しています。
新しい働き方とのギャップ—何が障壁となっているのか?
多様化する働き手と製造現場の現実
現在、育児や介護、働き方の選択肢の多様化により、フルタイム勤務や工場への常駐が難しい人材も増えています。
一方、製造現場側は「その場にいなければ分からない」「現場を見なければ判断できない」仕事が依然として多く、「柔軟な働き方」は単なる掛け声にとどまりがちです。
デジタル化対応の遅れと現場の反発
他業種がDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる中、製造現場では、既存システムや紙帳票から脱却できず、部分的なデジタルツールの導入にとどまっています。
現場の多くは「ITは難しい」「使いこなせない」という心理的バリアを抱え、新しい業務フローへの移行自体が進まないのが実情です。
バイヤー・サプライヤー視点で見る混乱とリスク
調達・購買業務に潜む非効率
部品調達・購買など、サプライチェーンを担うバイヤーの立場でも、「FAXによる見積り」「紙伝票での受発注」といった前時代的なプロセスが根強く残っています。
急ぎの発注や納期変更依頼が電話一本で飛び交い、記録やエビデンスが残らないままトラブルになるケースも増えています。
取引先サプライヤーは「なぜ今もメール・FAXなのか」「デジタル化して情報をオープンにできないのか」と不満や不信を感じやすく、ビジネスチャンスの損失やパートナーシップ悪化にも繋がりかねません。
サプライヤーはバイヤーの何を知りたいか?
サプライヤーにとって、バイヤーがなぜ柔軟な働き方やデジタル化に消極的なのか、その背景には「現場に浸透しない新制度」「従来の力学や評価制度」が根強く残っていることが多いです。
調達購買の最前線も現場の声に引っ張られ、「前例踏襲」で新しい仕組み導入が進まない場合も多々あります。
そのためサプライヤー側も「単なる効率化提案」だけでは刺さらず、「現場や業務プロセスに寄り添った提案姿勢」が信頼構築のカギと言えるでしょう。
現場目線で考える「新しい働き方」実現のカギ
小さなデジタル化から始めよ
すべてを一足飛びに変革するのは困難ですが、例えば日報の電子化、現場の棚卸し管理のスマホ活用など、現場が「これならできる」と感じる小さなデジタル化から始めるのが効果的です。
現場の悩みに直結するテーマ(例:手書き帳票の紛失・転記ミス防止など)を一つずつ仕組み化することが、「これは便利だ」という成功体験につながります。
ここで重要なのは「現場の声を聴きながら現場主導で進める」ことです。
トップダウンの押し付けは反発を招くだけなので、地道な共創意識が不可欠です。
働き方のパターンを複線化し、人材活躍の幅を広げる
従来のフルタイム工場勤務だけでなく、時差勤務、一部業務のリモート対応、産休・育休から復帰しやすいジョブ設計など、働き方の複線化こそが多様な人材確保の近道です。
一例として、調達・購買では発注・納期調整は在宅からシステムを通じて実施、本当に現場訪問が必要な場合だけ出社するなどメリハリのある働き方が推進されています。
このような「現場に寄り添った柔軟制度」により、社員のモチベーションやライフワークバランスも向上します。
属人的ノウハウの「見える化」にチャレンジ
製造業こそ「暗黙知」の共有が組織の力を底上げします。
ベテランのOJTを単なる後輩への引き継ぎではなく、動画マニュアル化やQ&Aのナレッジデータベース化で「誰もが利用できる形」に変換しましょう。
TeamsやSlack などのチャットツールや、タブレット端末の活用も一案です。
デジタルツールが現場オペレーションの一部になれば、「慣れ」の心理的障壁も徐々に下がっていきます。
ラテラルシンキングで切り拓く新たな地平線
「現場」×「デジタル」=新しい現場力の創造
新しい働き方を変革する最大のポイントは、「現場の知恵」と「デジタルの力」を混ぜ合わせることです。
たとえば、現場スタッフのアイデアを起点に業務アプリを自作する、BIツールでリアルタイムに歩留まりや在庫推移を見える化するなど、ボトムアップ型の変革が持続的な成果を生みます。
DX人材を外部から採用するだけでなく、「現場のベテラン」にこそツール活用のリーダーシップを任せることで、組織全体の底力も底上げされます。
「昭和的現場力」と「イノベーション」の融合
アナログな現場力、たとえば「現物、現場、現実」を重視する三現主義や、顔を突き合わせたコミュニケーションも消してしまうべきではありません。
むしろ昭和時代から受け継がれる現場目線の機転や動きの速さを、新しいツール・働き方と融合させることで、唯一無二の「現場力イノベーション」が生まれます。
現場の混乱・反発をどう乗り越えるか?
変革には必ず摩擦が生じますが、「現場の苦労を理解し、寄り添う姿勢」が何よりも鍵を握ります。
経営層は現場責任者と直接対話し、小さな成功を共有しましょう。
バイヤーもサプライヤーも、単なる効率追及だけでなく、情熱と信頼の関係構築が新しい市場と働き方の創造につながるのです。
まとめ—製造業を次世代へ進化させるために
製造業は日本経済の根幹を担う存在であり、その現場には唯一無二の「ものづくり魂」が宿っています。
新しい働き方を定着させるには、昭和的なアナログ文化と最新の技術、柔軟な制度を融合させ、現場を主役にした変革を地道に継続するしかありません。
すべての製造業従事者、バイヤー、そしてサプライヤーが「現場の真実」と「未来への可能性」を共に考え、一歩一歩進化していくことこそが、日本のものづくり力を次の地平へと押し上げる鍵になるのではないでしょうか。
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