投稿日:2025年10月22日

営業未経験者でも全国営業を実現できるテンプレート化された提案書の構成

営業未経験者でも全国営業を実現できるテンプレート化された提案書の構成

はじめに 〜営業の壁と“テンプレート”の可能性〜

製造業の現場で20年以上培ってきた私の経験から言えるのは、「営業資料づくり」が多くの現場担当者にとって高いハードルになっているという事実です。
現場出身の方や調達・生産・品質など技術系のポジションから営業に転じた方はもちろん、サプライヤーの立場で全国のバイヤーと新たに接点を持ちたい方にとっても、この“提案書”が全国市場での営業成否を分けるキーマテリアルとなります。
しかし昭和的な「属人化営業」から脱し、仕組みで成果を積み重ねるには、「誰でも使える」提案書のテンプレート化が不可欠です。

この記事では、営業経験ゼロの方でも即実践でき、しかも現場の説得力を最大化できる営業提案書テンプレートの構成や工夫を、昭和的アナログ産業でも通用する視点で具体的に解説します。

高ハードル化する製造業営業の現状

なぜ提案書でつまずくのか

製造業が扱う商材やソリューションは、仕様が複雑で現場ごとの事情に大きく左右されます。
結果として、「提案書は担当営業の腕次第」という属人的営業文化が根強く残っています。
実際、多くの現場担当者が
“どこから手を付けていいか分からない”
“うちの強みを言語化できない”
“比較表や定量的訴求の仕方がわからない”
と苦手意識を持っています。

地方や中小企業ほど歴史的経緯から「口約束・現物勝負」文化も残っています。
ですが大手メーカーへの納入や、全国展開・海外事業進出など戦略的営業には、標準化・テンプレート化された提案力が必須です。

「形式×現場目線」こそ勝ちパターン

営業提案書のゴールは「相手が一目で、信頼と選択理由を感じる」ことです。
必要なのは、ただの会社案内でも製品カタログでもなく、
”全国誰に対しても、現場が「使える」提案フォーマット”
です。

標準化=汎用スライドのコピペ、ではありません。
「現場独自の強み」×「普遍的な営業ストーリー」
この二つを“誰が見ても説明できる構成”に落とし込むことが鍵です。

営業未経験者でも使える提案書テンプレート 〜全体構成とポイント〜

①「はじめに(概要)」 〜ターゲットを射抜く冒頭1P〜

1ページ目で必ず“背景と目的”を端的に明示します。
・御社の●●課題に対し、私たちがXXで貢献できる理由
・なぜ今ご提案するのか(業界トレンドや社会的背景も盛込む)

営業テンプレートの最重要項目です。
営業未経験者の場合、背景情報には
「カーボンニュートラルの流れ」
「サプライチェーンの安定化」
「不良低減とDX推進」 など
その時々で全国のどこでも通じる市場視点を入れ込みます。

②「提案内容(ソリューション概要)」

自社・自部門の提供バリューを3つ以内に整理します。
・現場起点の工夫や特徴(例:納期短縮の仕組化、検査自動化の独自ノウハウなど)
・競合との違いを定性的・定量的に表現
・プロセスや納期、価格レンジをざっくり記載

“誰が、どこでどう使っているか”を簡単な事例と数字付きで入れるのが説得力を増すコツです。

③「導入事例(ユーザーボイス付き)」

全国営業ならエリア横断の説得材料が必須です。
すでに導入実績があれば「〇〇県■■工場での導入例」「●●部材の歩留まり改善」などを簡潔に紹介します。
営業未経験者でも作りやすいフォーマットとしては
・課題 ・提案内容 ・成果
を定型化して2〜3事例書きます。
サプライヤーなら、納入先の業界や用途例、現場担当者の声などを文章やグラフで可視化できると尚良しです。

④「比較表(競合/従来品との違い)」

簡単な表で自社と競合品・従来品・他方式(外注/内製など)を比較します。
できれば事実ベース(定量化)すること。
納期・価格・品質・対応範囲など、中立的な指標で1枚でまとめることで“業界比較に慣れたバイヤー”にも信頼されます。

⑤「ビジネススキーム(納品・支援体制)」

・全国対応可能かどうか
・現場立上げや教育支援、トラブル対応窓口などを明記
ここはバイヤーにとって「購入リスクゼロに近づける」非常に重要なパートです。
営業未経験者でも図と流れを組み合わせれば、安心感を伝えられます。

⑥「基本情報・お問い合わせ先」

最後はお問い合わせ窓口(担当者直通、現場見学やオンライン相談可など)をシンプルに明記します。
ここではレスポンスのスピード感やサポート姿勢が伝わるように工夫しましょう。

昭和的アナログ業界でも効く「現場仕掛け」の工夫

全国で通用する“現場起点訴求”とは

提案書のテンプレート化と聞くと「汎用的で薄っぺらい内容」になりがちですが、製造業では“現場での実績”と“他社でも通用した工夫”を必ず入れることが最大の差別化ポイントです。

昭和的アナログ企業ほど
「顔が見える相手」
「現実的な改善事例」
「口だけでなく現物で示す」
ことを重視します。

提案書でも
・現場担当者の写真や作業風景
・実際のチェックシートや工程表
・トラブル発生時の対応事例
などを入れ込むことで、オンライン営業でも「現場感」と「安心」を与えます。

属人化から抜け出す「組織営業」型テンプレートのメリット

属人的営業が強い業界ほど、人の異動や休職がダイレクトに営業成績を左右します。
提案書テンプレートを標準化することで
・営業担当交代時も継続的提案が可能
・情報やノウハウの見える化
・新人や技術系、バックオフィス主導での営業アプローチも実現
と、組織力を底上げできます。

また、営業未経験者が型通りに提案書を使えることで
「しゃべりが苦手」「外向きの経験ゼロ」
という現場の技術者・担当者でも
“抜群にわかりやすい説明”
“選ばれる明確な理由”
を一発で打ち出せます。

実際に効く、全国提案現場の「あるある」パターンと対策

地方・小規模工場の現場心理

首都圏や本社決裁の案件と異なり、地方拠点や中堅サプライヤーは「現場主導」「社長即決型」が多いです。
提案書では
・現場の作業者や職長に響く「安全性」「疲労低減」「簡便さ」
・社長やオーナーが即断できる「数字や効果の見える化」
を冒頭で打ち出しましょう。

営業テンプレートとして
「●●工場でXX工程を改善」
「着工から2週間で本稼働」
など、わかりやすい数字で実績を訴求するのが有効です。

量産メーカー・大手バイヤーの視点

量産メーカー向けの全国営業や大手バイヤーとのやりとりでは、「標準化」「量の対応力」「品質保証体制」が必須です。
ここでは
・全国で安定供給できる生産体制図
・ISO、IATF等の認証状況
・検査機器やDX実績の写真
などの“理屈+物証”が求められます。

営業経験が浅い人でも、テンプレートにこれらの情報を組み合わせることで、即席で提案書が仕上がります。

テンプレート化と現場の掛け算が、全国営業を加速させる

製造業営業は「経験と熱意」だけでは勝てません。
地域も規模も目的も異なる全国の顧客・バイヤーに刺さる提案書を“自動生成”できるテンプレートは、昭和的属人営業からデジタルDX営業へジャンプアップする最短ルートです。

営業未経験の現場出身者や技術屋さん、サプライヤーの立場でも「これさえあれば」即全国提案が可能なテンプレートは、時代とともにますます重要になります。

この記事でご紹介した構成をベースに、御社独自の「現場ワザ」や導入事例、バイヤー・現場担当者目線の安心材料を組み込み、自社オリジナルのテンプレートをぜひ完成させてみてください。

整理された提案資料は、全国どこでも、誰でも、間違いなく“伝わる”最強の営業ツールです。
昭和の現場と最新の営業テクノロジー、その両方を融合させた全国営業、まずは一歩踏み出してみませんか。

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