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OEMトレーナーで重視される“袖リブの伸び耐性”の試験方法

目次
OEMトレーナー製造で見落とせない「袖リブの伸び耐性」とは
OEMトレーナーの製造現場において、「袖リブ(袖口のリブ地)」の品質は、製品全体の信頼性やブランド価値に直結します。
特に、何度も着脱や洗濯を繰り返す中で、袖リブがダレてしまう=「伸びて戻らない」現象はクレームにも直結しやすく、OEMメーカーの実力が問われる重要なポイントです。
本記事では、20年以上にわたり製造現場で培った知見に基づき、袖リブの“伸び耐性”に関わる試験方法や、業界動向、さらにはバイヤー視点で重視される基準など、現場で活かせる実践ノウハウを徹底解説します。
今、OEMアパレルで「袖リブの伸び」が一段と重視される理由
OEMビジネスの変遷に伴い、「消費者の不満ポイント」はより緻密かつ数値化された視点で可視化されています。
とくに近年、ワークウェア、スポーツウェア、ユニフォームなど強度や耐久性が求められるアパレル分野では、袖口リブの「型崩れ」や「伸びっぱなし」へのクレームが急増しています。
これは以下のような背景によるものです。
– エンドユーザーの「コスト意識」「品質選別眼」の高まり
– ECを中心とした、実際に商品を触らずに購入する環境の拡大
– サステナビリティ・長寿命商品の訴求拡大
– 製品レビュー(口コミ)を重視するバイヤー/ブランド担当者の増加
OEM工場としては、目に見えづらい部分こそ「数値」で品質保証しなければ、バイヤーとの取引が長期化しない時代です。
袖リブの“伸び耐性”とは何か:基礎知識を現場目線で押さえる
袖リブとは、一般的にトレーナーやパーカー、スポーツジャケットの袖口に用いられる「ゴム編み(リブ編み)」の生地部分です。
このリブ部分に期待される「伸縮性・復元性」こそが製品全体の着心地や耐久性を左右します。
まず注目すべきは「伸び耐性」とは単純な“伸びるかどうか”ではなく、「伸びた後で元の寸法にしっかり戻るか(回復性能)」を指します。
1. リブ素材(糸・編み方)の影響
リブの伸び耐性は、素材や編み構造に左右されます。
– 綿リブ:着心地がよいが復元性が弱い傾向
– ポリエステル混紡:復元性・耐久性が高い
– ポリウレタン(PU)混:高い回復性があるが耐久年数に注意
– ゴム糸使用:強い伸縮性、ただしコスト増
これらの特性を念頭に、使用目的に応じた選定と試験が不可欠です。
2. 加工・縫製の影響
袖リブと袖本体部の縫製方法(2本針、オーバーロックなど)がリブの張力・回復性に与える影響も見逃せません。
OEM現場では、「素材テスト」と「縫製仕様テスト」を分けて管理し、問題の切り分けを徹底することが重要です。
現場で信頼される“袖リブ伸び耐性”の代表的な試験方法
続いて、袖リブの伸び耐性を科学的かつ標準的に評価する主な試験方法を解説します。
1. JISに基づく「伸び・回復率」試験
国内外でもっとも広く採用されているのがJIS L 1096(引張試験)です。
手順は以下の通りです。
– 袖リブの一部(例:幅50mm × 長さ200mm)を切り出す
– 所定の荷重(例えば4kg)を一定時間(1分間)かけて引き伸ばす
– 荷重を外し、一定時間(5分など)放置後の寸法を計測
– 「伸び率」「回復率」を算出
– 伸び率=[(伸ばした後の長さ ÷ 元の長さ)-1]×100%
– 回復率=[(元の長さ ÷ 放置後の戻り長さ)]×100%
基準値については業界・ブランドごとに異なりますが、回復率90%以上が求められるケースが多いです。
2. 洗濯後の変化試験
製品の実際の使用状況を意識するなら、「洗濯耐久テスト」も有効です。
– 一定条件で複数回(例:5回、10回など)洗濯機洗い
– 洗濯前後での袖リブ幅、伸長性、回復力を測定
– 結果を数値管理し、製品へのマーキングや仕様書に反映
この工程を積極的に行うことで、OEM開発段階から製品の耐久度向上につながります。
3. 現場独自ノウハウによる応用テスト
ときにJIS規格だけでは見抜けない問題もあります。
例えば「実際の袖に腕を通し、複数回着脱する」模擬動作テストを自社基準で設定し、実際の着心地/耐久性を目視やタッチで確認する工夫も大切です。
現場&バイヤー視点での「袖リブ伸び耐性」管理の勘所
1. OEMメーカーこそ「提案型」姿勢が鍵
バイヤーは現場の細かな仕様や材料特性に必ずしも精通しているわけではありません。
逆に言えば、OEM側から「このグレードなら、貴社の製品性に○○%以上の伸び耐性を担保できます」と数値付きで能動提案できれば、高信頼を得ます。
また、「リブ部分だけでなく、縫製部分や洗濯後の挙動もあわせて管理しています」と説明できれば、同業他社との差別化要素となります。
2. アナログ文化が残る業界の現実的アプローチ
「アパレル=感覚頼み、最後は現物主義」という、昭和から続くアナログ文化が根強く残る現場もまだまだ少なくありません。
しかしデジタル化、ロット管理、素材ロット追跡などの現代手法と、伝統的な“職人の勘”の両立こそが今求められています。
「数値試験 + 現場の着用テスト」で品質保証するハイブリッド管理が有効です。
3. サプライヤー側から見た「バイヤーの目線」
サプライヤーとしては、自社のリブ素材や縫製技術が「バイヤーの求める性能を本当に満たしているか」という逆算思考がカギです。
たとえば、サンプル提出時に「弊社での伸び耐性試験データ」や「洗濯後回復データ」をまとめて同封し、バイヤー提案資料として活用すると受注率が上がります。
「バイヤーは、最終製品全体のトラブル回避・コスト低減・クレーム削減」を重要視していることを常に意識しましょう。
今後、OEMアパレルの「袖リブ試験」はどう進化するか
近年、アパレル業界にも「AI検品」や「物性試験の自動化」などのテクノロジー導入が進んでいます。
– 画像認識AIによるリブの変形測定
– IoTデータログによるロット品質追跡
– AR/VRを利用したバイヤーとの遠隔サンプルチェック
今後はこれらの先端技術を、現場の“勘”や“肌感覚”と組み合わせて、より高度な品質管理フローの確立が期待されます。
まとめ:袖リブ試験でOEMビジネスを強くするために
袖リブの伸び耐性試験は、単なる【品質管理】を超えた、OEMメーカーの信頼を左右する「ブランド価値の礎」と言えます。
現場で生命線となるのは、「標準規格の遵守+実用的な現場試験」の二本柱です。
バイヤー志望の方は、「サプライヤーがどこまで科学的な根拠や試験データを持っているか」を必ず評価項目に組み込みましょう。
サプライヤーの皆さんは、自社の強みを数値で説明し、過去事例や実地検証を積極的にバイヤーと共有する姿勢が、取引継続・受注拡大につながります。
昭和由来の“勘”も現代デジタル管理も大切にしつつ、市場の変化や品質思考に機敏に適応する―
この姿勢が、真の現場力と顧客信頼を生み出します。
最後に、袖リブ一つ取っても「時代の流れ・現場の知恵・バイヤー心理」が複雑に絡み合っています。
OEMメーカー、バイヤー、サプライヤー全体で「実践的な品質管理」を高めることこそ、これからの製造業発展の礎になるでしょう。
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