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投稿日:2026年1月27日

ノベルティのコストダウン相談で必ず浮上する「前年踏襲」の問題

はじめに ― 製造業の現場とノベルティの「前年踏襲」文化

製造業の現場で、営業部門やマーケティング部門からよく挙がる課題の一つが、ノベルティのコストダウン相談です。
毎年の販促キャンペーンや展示会、取引先への贈答品として、ノベルティは実に多彩な形で活用されています。

ところが、ノベルティの企画や発注の現場でよく聞くフレーズがあります。
それが、「とりあえず昨年と同じ内容で」「前年通りでお願いします」という「前年踏襲」の問題です。
この言葉を聞くだけで、本質的な改善につながらない、閉塞感の漂う現場の空気が想起される方も多いでしょう。

本記事では、なぜノベルティのコストダウン相談で必ず「前年踏襲」が浮上するのか、その背後にある現場の事情やアナクロな業界体質を探ります。
さらに、現場目線で実効性の高い解決策を、思考の枠を広げながら解説します。

なぜ「前年踏襲」なのか―その背景に潜む製造業のジレンマ

変化を恐れるアナログな業務体制

なぜ多くの製造業の現場で「前年踏襲」が連鎖してしまうのでしょうか。
それは、業務プロセス自体が多くの部門間調整と、煩雑な決裁サイクルに縛られているためです。

新しいノベルティを提案しようとすれば、
・承認を得るための稟議書の作成
・製品のサンプル提出
・見積もり依頼の手間
・調達先サプライヤーの選定や再評価
など、
数多くの労力とマルチタスクが発生します。

すなわち「前年通り」であれば、稟議も簡素化され、誰もが「前例」に倣ってリスクを取らずに済む。
この構造的な惰性が、「前年踏襲」文化を生み出してしまうのです。

コストダウン要請と現場の温度差

一方、経営層や間接部門からは「利益改善」を目的とした定期的なコストダウン要請が下ります。
特にノベルティは「付帯的」「副次的」なコストとしてカウントされやすく、真っ先にターゲットに挙げられる傾向があります。

しかし、現場は通常業務で手一杯ですし、新しいノベルティや仕様変更のための追加業務は大きな負担になります。
「前年通り」「昨年実績ベースで検討」という“安易な選択肢”が粛々と選ばれてしまうのです。

「前年踏襲」の落とし穴 ― ビジネス的観点からのデメリット

コストダウンの本質的な成果につながらない

前年と同じ内容・仕様・サプライヤーで発注すると、強い値下げ交渉力も働かず、利益確保につなげにくくなります。
サプライヤー側も「前年通りで構いません」という受発注スタイルに慣れ切ってしまい、原価低減やイノベーションが阻害されやすくなります。

ブランド価値・顧客満足度の低下リスク

ノベルティは本来、企業のブランドやイメージ構築、顧客との絆づくりに不可欠な要素です。
しかし、「毎年同じもの」「記憶に残らないアイテム」では企業の印象は平板になり、せっかくの予算も無駄遣いとなりかねません。

サプライヤーから見たバイヤーとの信頼構築課題

サプライヤー側から見ると、「前年通り=価格勝負」の発想に陥り、長期的な協業や提案型ビジネスが難しくなります。
調達部門やバイヤーが「前年通り」を繰り返すことで、「この顧客は新しいことは求めていない」「差別化提案をしても通らない」と思われるのです。

昭和体質を打破するには ― 業界構造と現場課題

現場のマインドセット刷新がカギ

今なお残る「昭和型」意思決定や年功序列の文化では、新しいチャレンジをしようとする意識自体が湧きにくいものです。
現場主義を掲げながらも、抜本的な業務改善や提案には消極的な現場が多いのも事実です。

「失敗は評価を下げる」「前例がないので不安」といった心理的ハードルを、組織的にどう乗り越えるかが最初のハードルになります。

「脱・サイロ」協調の難しさ

ノベルティの発注・選定プロセスは、マーケティング部門や営業、生産、調達、品質保証など、複数部門の連携で成り立っています。
「前年踏襲」文化が根強い現場ほど、情報共有がサイロ化しやすく、イノベーティブな価値創造につながりにくいのです。

ヒントは“ラテラルシンキング” ― 発想転換のために今できること

1. 関係者(サプライヤー含む)との「対話型」ワークショップ導入

バイヤーや調達担当者は、サプライヤーに一方的なコストダウン要請をするだけではありません。
近年、「共創」や「パートナーシップ」の重要性が叫ばれるように、仕様の見直しや新しいノベルティアイデアの提案を、サプライヤーと一緒に検討する機会を設けてみましょう。

現場部門も交えたワークショップ形式のアイデア出しを行うことで、「前年踏襲」から脱却した、“現場視点の提案型調達”が実現しやすくなります。

2. サプライヤー視点=「使われ方」「現場での運用」に踏み込む

たとえば、「単なる文房具の配布」から「現場の作業者が本当に役立つノベルティ」へ発想を転換することで、意味のあるコストダウンの糸口が見えてきます。
現場での使い勝手や在庫保管のしやすさ、物流効率まで一緒に見直すことで、全体最適なノベルティ企画へ進化させましょう。

3. デジタル化・自動化活用で調達業務を効率化

ノベルティ選定や調達履歴、サプライヤー評価を全社共通のデジタルプラットフォームに集約すれば、属人的な「前年踏襲」は激減します。
また、簡易な相見積もりや受発注の見える化により、調達コストの透明性が高まります。

「前年踏襲」から脱却するためのポイントまとめ

1. 「安全志向・現状維持」マインドから一歩踏み出し、リーダーシップを発揮する管理職・バイヤー・調達担当を育てる
2. サプライヤーや現場部門を巻き込んだワークショップや意見交換会を定期的に開催する
3. デジタルツール・自動化の活用で調達業務を標準化・効率化し、“属人的な判断”を排除する
4. 顧客や配布先の「感動」「納得」につながるバリューにフォーカスし、ノベルティの本来の意味を再定義する
5. 成功体験や他社事例(ベンチマーク)を積極的に共有し、“変化する現場文化”をつくる

おわりに ― 未来志向のバイヤー・サプライヤーへ

ノベルティのコストダウンは、単なる見積もりの数字合わせや、前年の“焼き直し”作業にとどまりがちです。
しかし、その根本にある「前年踏襲」体質を打破できれば、調達業務全体の競争力向上、そして製造業全体のイノベーションにつながります。

私たち製造業の現場においては、一人ひとりが「なぜこれを続けているのか?」「意味のあるコストダウンとは何か?」を自問しつつ、周囲を巻き込むことが重要です。
未来志向のバイヤーやサプライヤー同志が“対話”を重ねることが、製造業の持続的成長と新しい地平線を切り開く鍵となるでしょう。

沈滞した現場の空気を少しでも変えようとする方、バイヤーやサプライヤーの立場で悩む方々が、この記事を通じて一歩前へ進むヒントを得ていただければ幸いです。

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