投稿日:2026年1月9日

OJT頼みの現実を知る製造業の会社に転職する第二新卒たちへ送る業界の本音

はじめに ― 製造業で広がるOJT頼みの実情

製造業の現場では、今なお「OJT(On the Job Training)頼み」が根強く残っています。
特に、昭和から平成初期にかけての価値観ややり方が色濃く残り、マニュアルや体系化された教育が充分に整備されないまま、現場の先輩・上司が新人に仕事を“直接教える”スタイルが主流になっています。
この傾向は「見て覚えろ」「聞いて盗め」という言葉にも象徴されており、時代が令和となった今でも、多くの現場では改善が思うように進んでいません。

これから製造業に転職を考えている第二新卒の方々は、その現実に戸惑い、不安を抱くかもしれません。
しかし、そのOJT頼みの実情こそ、この業界の“変わらない本音”であり、同時に変革の余地がたくさん残っていることの証でもあります。

昭和型OJTの特徴と現代のギャップ

「一緒にやって身体で覚える」の深層

製造業のOJTは、単なる仕事のハウツーだけでなく、「業界の暗黙知」「阿吽の呼吸」といった非言語的ノウハウの伝承が重視されがちです。
工場ラインや設備保全、調達の現場では、細かな段取りやトラブル時の対応など、明文化されていない知識が多く存在します。

このような体験型の学びは、確かに現場経験を積むには効果的な一方、教える側の“気まぐれ”や“力量”に大きく左右されてしまい、「教え方が人によってバラバラ」「新人の能力やバックグラウンドによって吸収度に差が出る」という課題も蔓延しています。

情報のデジタル化が進まない理由

なぜ今なお、業界全体でOJT頼みの傾向が残るのでしょうか。
理由は複合的ですが、主に以下のような点が挙げられます。

– 製品や生産ラインごとにカスタマイズされた工程が多く、標準化・マニュアル化が困難
– 長年の現場勘や経験則が“財産”として価値を持ち、属人化を歓迎する文化がある
– DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のノウハウが充分に浸透していない

こうした背景を理解することは、転職を考えている方にとって現場の現実を知る第一歩です。

第二新卒がOJT頼みの現場でできること

素直な質問力と自主的なメモの重要性

経験の浅い第二新卒に求められるのは、“わからないことを素直に聞く力”と“気づいた点を自分なりに記録する習慣”です。
現状のOJTは体系立っていない分、自分なりの解釈や見直しが必要不可欠です。
「この工程はなぜ必要なのか」
「不具合が起こったとき、どう対処しているのか」
といった疑問を遠慮なく先輩や上司に質問しましょう。

また、現場で聞いた内容を単なるメモではなく「自分用のプロセスマニュアル」にまとめていくと知識が整理され、次第に周囲へも“気づき”や改善提案として還元できるようになります。
現場はアナログですが、Excelやスマートフォンのメモアプリでも十分です。

“暗黙知”を“形式知”に変える挑戦

OJT頼み組織の最大の弱点は、「人が辞めればノウハウも消える」という点です。
業務の中で得た注意点やコツ、トラブル事例などを「見える化」していく意識を持つことで、業界の旧態依然とした仕組みを自分自身から少しずつ変えていくことができます。

たとえば、部品の発注管理に使う発注先リストや、納期トラブルが発生した際の調整フローなどを簡単な表やフローチャートにまとめていくだけでも、次世代の新人や現場の改善に貢献できます。

バイヤー志望者・サプライヤーに知ってほしいOJT現場の心理

調達現場にとって「阿吽の呼吸」は本音

資材調達を担うバイヤーや、その取引先であるサプライヤーから見ると、製造業の現場はどう映るでしょうか。
しばしば「なぜこんなに面倒な調整や確認が多いのか」「どうして社内承認や現場の意見が優先されるのか」と感じる場面が多いはずです。
それは、OJT文化と深く結びついた「現場の流儀」が背景にあります。

たとえば発注の際、「このサプライヤーの場合は電話一本で口頭手配が通るが、別のサプライヤーだと稟議書が必要」といった現場特有の運用が多発します。
内部では「これまでそうしてきたから」が理由になっていることが多く、業務が形骸化しやすい一方で、万一のトラブル時には旧態依然の“人の繋がり”が頼りになるという心理も見逃せません。

サプライヤー側がバイヤーの心理を読むヒント

OJT頼みの現場では、本質的な業務改善よりも「今を回すこと」が優先されがちです。
サプライヤー側は
「こんな非効率な発注フローはない」
「まともな納期回答が書面で来ない」
とストレスを感じることも多いでしょう。

しかし、そうした場面で「なぜこのフローが存在しているのか」「現場は何を恐れているのか」に思いを巡らせることで、相手の本音や不安の根に手が届く提案が可能になります。
たとえば
「納期調整のために、要点をメールでまとめます。後日で良いので承認だけご返答ください」
「同じ部品で過去にトラブルはありませんでしたか?」
と一言添えることで、現場との信頼が深まり、OJT的な曖昧な伝達のミスも防ぎやすくなります。

OJT頼みからの脱却に必要な“自分ごと化”

日々の小さい“気づき”を業務改善に

業界を問わず、会社を変えるのは“トップダウン”だけではありません。
現場で培ったOJT体験を「自分ごと化」し、「ちょっと面倒だな」「なんでこれやってるんだろう?」という小さな気づきを業務改善やデジタル化への第一歩とすることが大切です。

たとえば
– 手書き伝票が多いなら、一部だけでも共同のExcelシートに変える
– 朝礼で注意喚起しているヒヤリハット情報を、簡易フォーマットで蓄積・共有する
こうしたアクションが、現場の属人化リスクを少しずつ和らげます。

変化へのネガティブに向き合う勇気

OJT頼みの現場では、新しい改善や提案が「変化への恐れ」として歓迎されないことも多々あります。
「若手が生意気だと思われるかも」
「前例がないと拒まれるのでは」
という空気には、確かに“昭和的な壁”が残っています。

ですが、「できることから着手し、小さな成果を積み重ねていく」ことで、次第に自分の努力や姿勢は評価され、後輩や上司にも伝わります。
「誰もやらないなら自分がやってみよう」と、一歩踏み出す勇気が次世代の製造業を変革する力となります。

まとめ ― これからの製造業で自分らしく活躍するために

製造業の現場は、いまだにOJT頼みから抜け切れていません。
しかし、そこには「新人が自分で考え、主体的に動ける余地」や「現場から業務改善や進化を生み出すチャンス」が多く残されています。

第二新卒として、またはバイヤー・サプライヤーの立ち位置からこの現実に向き合うときは
– OJTの現状を前向きに捉え、自分なりの学び方を工夫する
– 暗黙知を形にし、業務の可視化やデジタル化にトライする
– 現場や相手の心理を理解し、提案やコミュニケーションを丁寧に重ねる

これらを意識することで、昭和型の硬直した組織文化や人頼みのリスクを突破する力が身につきます。

「なぜ、今でもこのやり方なのか」
「自分から小さな変化を起こせないか」
と問い、昨日より少しでも前に進む――。
この積み重ねが、“OJT頼み”から“自律型の現場リーダー”への進化につながるのです。

製造業には、まだまだあなたの力と発想が必要です。
ぜひ現場での体験を自分の糧とし、新たな価値を創造していきましょう。

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