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柔軟な職種変更が難しい製造業の会社に転職する40代へ送る業界の本音

目次
はじめに:変革を迫られる製造業の現場
日本の製造業は、長い間「安定」と「堅実」の代名詞とされてきました。
昭和から平成を経て令和に至るまで、正確な生産、徹底した品質管理、そして粘り強い現場力によって世界の市場で存在感を発揮してきました。
しかし、グローバル競争の激化、DX(デジタルトランスフォーメーション)や自動化の波、人材不足の深刻化など、かつてないほどの変化が押し寄せています。
そんな中で、職種の垣根を超えた「柔軟な人材活用」は、多くの日本メーカーにとっていまだに大きな課題とされています。
本記事では、40代で製造業への転職を目指す方、あるいはすでに働いているが今後のキャリアに迷っている方に向けて、「なぜ製造業では職種変更が難しいのか」「本音として現場はどのような人材を求めているのか」について、現場目線でお伝えします。
また、バイヤーやサプライヤー、それぞれの立場を経験したからこそ語れる、現場の「本音」や実践的なノウハウもご紹介します。
いまだ昭和型組織の残像──なぜ製造業は職種変更が難しいのか?
ジョブローテーションと日本的雇用習慣の壁
製造業、とくに老舗メーカーでは「配属された部門でじっくり粘り強く経験を重ねる」ことに価値を置く文化が、根強く残っています。
いわゆる年功序列・終身雇用的な「日本型雇用慣行」は、スキルアップはOJTが主軸であり、長年同じ業務を深堀りしながら信頼を積み上げていくことが昇進への近道とされてきました。
そのため、たとえば調達から生産管理、あるいは現場オペレーターから営業や品質保証へと「職種横断的」にキャリアチェンジすることは、実際にはとても難しいのが現状です。
組織としては「多能工化」を掲げていても、実体は「多能工=同じ現場内で似たような作業を担当する」というケースがほとんどです。
資格や経験に対する異常なほどのこだわり
証明書や実務経験への依存も、職種変更の障害となります。
たとえば、品質管理や調達の業務には各種の規格知識や社内ルール、法的な基礎知識が必要とされます。
これらは一朝一夕で身につけられるものではありません。
現場としては「これまでの不良ゼロを維持しろ」「納期遅れは許されない」「取引先リスクは徹底排除しろ」といった厳しい要請にさらされていますので、同じ事業所内の人間であっても、十分なトレーニングや実務経験が無いと任せられないという本音が根強いのです。
工場自動化やDXで変わる現場、しかし根底は変わらず
工場自動化やデジタル化も進んできました。
一方で、その多くは「既存業務の効率化」が主目的となり、新しい職種やスキルへの投資につながっていない場合が多く見られます。
結果、「自動化システムのオペレーター」や「IoTデータ分析担当」といった専門職は新設されても、いまいる従業員の職種移動や再教育は限定的になりがちです。
管理職として悩ましいのは、部署ごとに派閥ができやすく、現場と本部・設計部隊と製造部隊それぞれの「縄張り意識」が強いことです。
失敗が許されない製造業ゆえ、手堅さを重んじるマインドも大きいのです。
40代転職者に求める「現場からのリアルな期待」とは
高度な専門性よりも「現場調整力」「モノづくりの泥臭さ」
40代の転職者に対して現場がまず求めるのは、意外にも新技術や資格より「すぐに現場に馴染める泥臭さ」「板挟みも乗り越える調整力」です。
特に中堅・大手メーカーの場合、工程の調整やトラブル対応、サプライヤーとの交渉、現場オペレーターとの意思疎通など、「誰が間に立って段取りを整えるのか」がきわめて重要です。
新しい知識の吸収力はもちろん必要ですが、それ以上に「これまでのしがらみも含めてバランス良くまとめる力」が買われます。
他業界経験や異職種経験は「武器」にも「壁」にもなる
たとえばサービス業やIT業界からの転職者は、ロジカルな課題解決力や、カスタマー対応力といったスキルを持っています。
これらは確かに強力な武器になります。
ですが現場では「製造業の暗黙知(いわゆる空気)」に合わせた対応ができるか、という点も厳しく見られます。
また調達部門に入る場合、バイヤーの経験が他メーカー・他業界であれば「商談テクニックや価格交渉の引き出しは多いかもしれないが、当社の長年の仕入れ先と築いてきた特殊な関係性にはどこまで有効か」と懐疑的に見られることもあります。
バイヤー視点では「全社最適」「自分都合だけ」をどう脱却するか
調達購買や生産管理の仕事は、「現場の最適」と「全体の最適」がしばしばぶつかります。
たとえば特定の現場作業者にとっては、今まで通りの材料や工程が安心ですが、全社的には生産性向上や原価低減、サプライチェーンリスク低減が重要です。
40代転職者が成功するには、「自部門だけの正義」ではなく、「全体を見て落としどころを付ける」「反対意見にも耐えて合意形成・説明ができる」ことが大きな武器となります。
変わりたい製造業、変われない製造業──業界動向とラテラルシンキング
中小・大手とも意識改革の最前線は「現場の多様性」
近年では、製造現場も本格的な人材多様化が始まりました。
たとえば、女性リーダーや外国人スタッフの登用、定年後再雇用者、リスキリング制度など、多様なバックグラウンドの人材が求められています。
自動化やAI活用が進んでも、結局最後は「現場での意思決定」や「工程全体を俯瞰する力」が問われるのです。
ここで問われるのが「ラテラルシンキング(水平思考)」です。
他業界や異職種の成功や失敗事例をヒントにしつつ、「なぜうちではこれを導入できないのか?」「職種の壁は本当に必要なのか?」と既存ルールにとらわれない発想が大切です。
また、自動化=省人化だけでなく、「人が介在しないと変化に強い工程管理はできない」と気づく現場も増えており、大手でも多能工だけでなく「多職種融合」とも言える動きが出てきました。
サプライヤーとして見るバイヤーの考え方、そのギャップ
サプライヤーの立場でバイヤーを見ると、「コストダウン要求は厳しいが、長年取引の信頼感には勝てない」「新しい提案には慎重すぎる」といった印象を持ちがちです。
一方バイヤーとしては「競争力ある調達が使命だが、品質リスク・供給リスクを避けて安定路線に走りやすい」という事情もあります。
このギャップを埋めるには、現場で実際に調整や折衝を経験し、「どうすればWin-Winになるか」「単なる下請け・発注元の関係を超えて知恵を出し合えるか」というマインドチェンジが不可欠です。
40代での製造業転職で後悔しないためのポイント
1. 自分の「強み」は何か、徹底的に言語化する
現場に求められるのは、単なる「新入り」や「即戦力」ではありません。
これまでの他業種経験・課題解決へ主体的に関わってきた実績、他部門調整の経験値などを、現場の文脈に合うよう具体的に言語化しましょう。
2. 「なぜ(Why)」を問い直し、提案と実践を
現場に飛び込むと、慣習やルーティンワークが多く感じられるかもしれません。
そのとき、「なぜそれが続いているのか」「本当に今も許容すべきなのか」を問い直す視点が、とても貴重です。
ただし、すぐに変革を押し付けるのではなく、信頼関係を築きながら、一歩ずつ提案・実践していく姿勢が歓迎されます。
3. 部門横断でコミュニケーションの機会を増やす
製造現場でキャリアアップするには、現場だけでなく調達、品質管理、設備保全、生産管理など幅広い部門との接点を作ることが大切です。
メンターやモデレーター役として「違う考えを取り入れる調整役」を意識しましょう。
現場会議や工程検証会議、部門間プロジェクトなどがあれば積極的に関与することをおすすめします。
まとめ:昭和から未来へ、「自分ゴト」で働き方を改革しよう
日本の製造業はいまだに「職種の壁」や「部門の縦割り組織」のしがらみと戦っています。
ですが、現場は確実に変わり始めており、「異業種の知見」「調整力」「自分から働き方を提案できる柔軟性」がますます重視される時代です。
40代転職者にとっては、これまでの経験と今後の成長意欲のどちらもが強みになります。
今、製造業に携わるすべての方に求められるのは、「自分ゴト」として現場を変えていく姿勢です。
過去の常識や壁に縛られることなく、豊かな経験をラテラルに展開し、自ら変革の担い手となりましょう。
今こそ、職種の垣根を越えて真の現場力を発揮するときです。
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