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引き継ぎが曖昧な製造業の会社に転職する第二新卒たちへ送る業界の本音

目次
はじめに – 変化の時代に「昭和」が根強く残る理由
製造業は、日本経済の屋台骨とも言える重要な産業です。
一方で、IT化・デジタル化が進む世の中にありながら、現場ではいまだに手書き伝票や紙の指示書、口頭文化が温存されている会社も少なくありません。
本記事では、特に転職を考える第二新卒の方や製造業志望の若手に向けて、現場の「リアル」と変革のヒントを伝えていきます。
また、購買やバイヤーを目指す方、サプライヤーとして製造業とお付き合いする方にも参考になる「業界内の本音や視点」についても深掘りしていきます。
「引き継ぎが曖昧」はなぜ起こるのか
現場力=阿吽の呼吸という悪しき伝統
工場や製造業における「引き継ぎが曖昧」という課題はどこの職場でも珍しくありません。
OJT(On the Job Training)という名の「見て学べ」「慣れろ文化」が強く、業務手順やノウハウの可視化・標準化が後回しになる現実があります。
たとえば前任者からの「この業務、今までこうやってたから」「困ったら○○さんに聞いて」と丸投げされ、具体的な手順や判断基準がドキュメントで残っていなかった、という話もよく聞きます。
レガシーなやり方が残る理由としては「現場は忙しい」「数字には表れない部分での効率化重視」など根深いものがあります。
人間関係と暗黙知への依存
製造現場では「聞いた方が早い」「前例踏襲が当たり前」という空気が漂っています。
暗黙知を共有する組織内の人間関係が強固だからこそ、マニュアル化や仕組み化への意識が弱くなりがちです。
これが「新人は苦労して当然」という勘違いにつながってしまいます。
経験豊富なベテラン社員こそ、新人や転職者の目線に立ち手順や背景を丁寧に説明することが求められています。
第二新卒が戸惑う「アナログの壁」とは
現場はなぜIT化しない?
新卒や第二新卒でITリテラシーの高い若者が製造業に飛び込むと、驚くほど手作業が残されている現実に愕然とすることがあります。
タイムカードは紙、作業日報は手書き、引き継ぎは口頭――これが今も多くの現場の姿です。
理由は多々あります。
中でも「設備投資を抑えたい」「デジタルツールに慣れていない」など現場側の抵抗感が大きいのです。
また、何十年も続く業務フローを一新することへの不安や、現状維持バイアス(変えることでのリスクを過大視する傾向)も無視できません。
慣習が招く「属人化」とそのリスク
手順が標準化されず、人に頼った業務体制では、担当者がいなくなれば突然混乱が発生します。
「○○さんじゃなきゃ分からない」「彼が休むと作業が止まる」といった属人化は、効率や品質に直接的な悪影響を及ぼします。
このような現場で働く第二新卒の方は、モヤモヤやストレスを抱えがちです。
ですが、この現状は決して不変ではありません。
若い力が「現場の見える化」「手順のデジタル化」の旗振り役になれる余地は十分あるのです。
昭和の現場で「できる」人材になるために
まずは自分の引き継ぎ内容を「見える化」
もしあなたが転職先で「引き継ぎが曖昧」な状況に直面した場合、まずは自分の担当業務をいち早くマニュアルやチェックリストにまとめてください。
細かな手順やトラブル時の対応、判断基準など、メモ書きの延長でもかまいません。
この「自分なりの業務マニュアル」を上司や先輩と共有し、随時アップデートしていくことが重要です。
現場の先輩たちも「言われてみれば、確かにここ分かりにくいな」と気づいてくれますし、「後輩が分かりやすくしてくれて助かった」と評価されることも多いです。
「なぜこうしているか?」を深掘る習慣を
言われた通りに作業するだけでなく、「なぜその手順を踏むのか」「このやり方の根拠は?」を毎日疑問に思うことが成長の鍵です。
たとえば「なぜこの工程で手作業が必要なのか」「このミスはどうやって防げるのか」「設備を変えた場合のリスクは?」といった視点を持つことで、短期間で現場の全体像が理解できるようになります。
これが、後々のカイゼン提案やリーダーシップにもつながるのです。
バイヤーやサプライヤーに求められる新しい視点
良い関係を築くための「橋渡し力」
購買・調達やバイヤーの仕事は、工場や現場、そしてサプライヤーと多くの折衝が必要となります。
ここでも「引き継ぎが曖昧」「ノウハウが暗黙知」という課題は避けて通れません。
自分がバイヤーの立場で、サプライヤーとの初回商談で戸惑うこともあります。
「手順や基準、担当者が毎回バラバラ」「依頼内容が曖昧で伝わらない」といった摩擦の解消には、自分が現場目線で状況をヒアリングし、当事者同士の思い込みや前提をひとつひとつ言語化し、可視化していくことが大切です。
属人化から「チーム化」への転換
昭和的な人間関係重視の文化も、悪いことばかりではありません。
一方で、これからの時代は「特定の人に依存しない組織作り」「誰が異動しても動き続ける現場」が求められます。
属人化から「プロセスの見える化」へ、そして困ったときに自然と助け合うチームワークへ転換する意識を持ちましょう。
昭和的現場に風穴を開ける「ラテラルシンキング」のすすめ
既存の枠の外で考える力が問われている
今、製造業の現場に求められているのが「他業界のいい事例を持ち込む」「既存の常識を疑う」といったラテラルシンキング(水平思考)です。
たとえば、物流業界の効率的なピッキング手法や、ITベンチャーのナレッジ共有ツール、毎朝の短いミーティングで進捗確認するアジャイル開発の手法など、身近な改善例はたくさんあります。
「自分の現場には関係ない」と諦めず、小さな工夫からでも取り入れてみることが突破口になります。
変化を起こせる「道化役」を恐れない
新しいことを提案すると「そんな前例はない」「また若いヤツが張り切っている」と冷ややかな目を向けられることもあります。
しかし、歴史を振り返ると大きな変革はいつも道化役や異端児が起こしています。
現場で少し勇気を出して「なぜ?」「こうしたら?」を繰り返すことが、ゆくゆくは会社全体の体質改善に繋がります。
あなたが最初の一歩を踏み出すことで、同じ志を持つ仲間がきっと現れてくれます。
まとめ – 昭和と令和の知恵を掛け合わせる
製造業は古い慣習やアナログ文化が根強く残っていますが、それもまた過去の成功体験や現場の工夫の集積です。
一方で、これだけ変化が激しい時代にあっては、新しいやり方を躊躇なく取り入れられる柔軟さもまた不可欠です。
引き継ぎが曖昧な現場をよりよく変えていくには、業務を「見える化」し、標準化し、そしてプロセスをみんなで共有できる組織作りが必要です。
あなたが業界の「新しい風」となり、仲間と共に成長できることを心から願っています。
現場のリアルや本音を理解しつつ、時代の流れにも敏感に。
そのバランス感覚こそ、これからの製造業で活躍するための「武器」になるはずです。