投稿日:2024年4月15日

紡績の世界へ!糸が織りなすサステナブルな未来

糸が織りなすサステナブルな未来

紡績業界においてサステナブルな製品や製造プロセスの開発は急務となっています。

人口増加と消費拡大に伴い、原料となる繊維資源の過剰消費や、生産過程で発生する廃棄物・排出ガスの削減が課題になっています。

その中で注目されているのが生分解性プラスチックを原料としたバイオフィブルという天然に分解可能な人工繊維です。

バイオフィブルは化学的に合成されたポリマーからなりながら、土中の微生物によって自然に分解されます。綿や羊毛と同様の触感がある一方で、化学繊維ならではの強度を有しています。

トイレットペーパーや衣料などの消費製品として既に利用が進んでいる他、最近では糸そのものとして紡績工程に導入されるケースも増えてきました。

新たなバイオフィブル糸の開発に成功

私の取引先の一社は、トイレットペーパーの生産工程から出るセルロースを原料とするバイオフィブル糸の開発に成功しました。

廃棄物を再利用するこの取り組みにより、原料調達コストが削減できる一方で、CO2の排出量も大幅に抑えられるといいます。

生分解可能なバイオフィブル糸を使ったTシャツやジャケットも開発中で、既に欧州市場で好評を得ているそうです。

サステナブルな製品・プロセス開発は競争力向上にもつながります。

紡績業界においても、生分解性物質の利用拡大や廃棄物再利用は注目される手法の1つだと思います。

原料調達から生産、製品の使用・廃棄までを視点に入れた社会的責任のある取り組みが求められていきそうです。

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