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改善すべき箇所が多すぎて優先順位がつけられない問題

目次
はじめに:なぜ「改善すべき箇所が多すぎて優先順位がつけられない」のか
製造業の現場では、日々数多くの課題や改善点が浮き彫りになります。
生産効率の低下、不良率の増加、設備の老朽化、人材の確保や育成、購買コストの削減など、どれもが重要なテーマです。
しかし、現場で直面する悩みの一つに「改善すべき箇所が多すぎて、どこから手をつけて良いのかわからない」という問題があります。
これは、現場のリーダーや管理職のみならず、これからバイヤーを目指す人、サプライヤーの立場でバイヤーの考えを知りたい人、誰にとっても共通した悩みです。
この記事では、改善策の優先順位がつけられない背景と、優先順位付けの具体的なアプローチ、さらには現場ならではのアナログ的な解釈や成功事例まで、現役プロの視点で深掘りします。
現場で優先順位がつけられない理由
1. 情報が多すぎて選択が困難
昭和から続くアナログな現場では、ベテラン社員の勘や経験に頼った「暗黙知」が多く、トラブルや現象が口頭で伝えられがちです。
このため現場リーダーのもとには「今すぐ調整してほしい」「先週も不良が出て問題になった」など、多種多様な要望や指摘が日々寄せられ、それを整理するだけでも一苦労です。
さらに、昨今のIoT導入や見える化の推進によって「データ」として把握できる問題も急増し、「情報過多」の状態になっています。
2. 改善の成果を測定しにくい
現場改善の効果は数値化できるものもありますが、「雰囲気が良くなった」「ミスが減った」など、定性的な項目もあります。
そもそも、何をもって「改善」とするのか。
すぐに効果が見える項目を優先すべきか、将来的なメリットを狙って投資効果が大きい部分を優先するのか。
指標があいまいだと「今やるべきこと」のコンセンサスが得られません。
3. 現場のリソース不足と突発対応
人材不足や設備の制約という現場固有の事情も、優先順位付けを複雑にします。
「やるべきだが、やれない」
「今は目の前のクレーム対応や日々の生産に追われて、新しく手をつける余力がない」
こうした声が、現場では常に飛び交っています。
4. 組織文化と現場の意識
製造業の多くの現場は「前例踏襲」が強く、リスクを避けて新しい取組みを後回しにしがちです。
根本的な問題解決よりも、とりあえず「やっている感」が重視される場面も見受けられます。
このため「やらなきゃいけないことリスト」だけが膨れ上がり、優先順位が不明確なまま時間が過ぎてしまいます。
改善活動の優先順位をつけるための現場的アプローチ
1. タスクを「緊急度」と「重要度」でマッピングする
シンプルですが極めて効果的なのが、「緊急度」と「重要度」の2軸で整理する方法です。
エクセルやホワイトボードでもよいので、「緊急かつ重要=A」「緊急でないが重要=B」「緊急だが重要でない=C」「緊急でも重要でもない=D」と仕分けると、自ずと「まず何からやるべきか」が可視化されます。
例えば、重要度の高い設備の故障対応や納期遅延案件などはAとなり、改善すべき箇所リストでは上位に入ります。
逆に、「将来的な働きやすさ向上」や「5S活動」は継続してBやDに分類されるかもしれませんが、定期的な見直しが重要です。
2. 「困りごとリスト」を現場全体で共有する
トップダウン型ではなく、現場の声を吸い上げた「困りごとリスト」には大きな意味があります。
日々現場に立つメンバーが実感する「本当に困っていること」を可視化し、毎週・毎月と定期的に更新していくことで、継続的に優先順位の見直しができます。
ここに「誰が」「どこまで」「いつまでに」やるのかという担当割りも明記することで「やりっぱなし」「口だけ改善」を減らします。
3. KPIで「効果の大きさ」を数値化する
「これを改善したら、どれだけ全体にインパクトがあるのか」
この問いかけを常に持つことが重要です。
歩留まり率、生産効率、コスト削減額、納期遵守率など、目的ごとに数値指標を設けることで、現場の共通言語として認識できます。
数値化しにくい定性的な改善も「年間でヒューマンエラーが何件減少したか?」「トラブル対応件数が年で何割減ったか?」という観点で無理やりでも数字に落とし込むクセをつけましょう。
4. 小さく始めるPDCAの徹底
一気に大きな改善を行うのではなく、小さな改善サイクル(PDCA:Plan-Do-Check-Action)を高速で回し、少しずつ成功体験を積み上げていくことが大切です。
小さな「できた!」を積んでいくうちに、現場の主体性や一体感も高まり、自然と次の優先課題に取り組む余力が生まれます。
アナログ現場で実際に機能した事例
1. マニュアル化→カエル会議での見える化
昭和世代が多い工場で、OJT頼みだった作業手順を一旦すべて書き出し、「カエル(変える)会議」と銘打った月1回の現場ミーティングで明文化。
「何が大変か?」「どこが危ないか?」を全員で議論し、それぞれの改善度合いに点数をつけるルールを設けました。
これにより、どの項目から着手し、どこまで完了したのかが見えるように。
“何となく”や“昔からそう”を脱却し、年間40件以上の小規模改善を積み上げています。
2. バイヤー視点での現場課題の洗い出し
サプライヤーの立場で「納品不良が多い」と頻繁に指摘されていた現場では、「なぜ不良が出るのか」を現場に任せるのではなく、バイヤーが現地を見て工程分析。
「工程の手戻り・チェック機会不足・作業者の教育不足」など、バイヤーの視点で優先課題を提示し、早急に改善計画を立案しました。
この現場型アプローチは現場にも好評で「外部の目」を活用したことで意識改革のきっかけとなり、不良率が5%改善されました。
製造業現場の「優先順位付け」ができる人材に求められる力
1. 論理的思考力と現場観察眼の両立
機械的なランキングや数値マッピングだけでは、現場の“本当の痛み”はつかめません。
日々の現場観察・ヒアリングを通じて肌感覚も大切にしつつ、論理的に全体を俯瞰できる“バランス感覚”こそ、これからの製造業人材に必須です。
2. 巻き込むコミュニケーション力
改善活動を現場の当事者が「自分ごと」として捉えられるように、現場の声に耳を傾け巻き込む力が不可欠です。
また、サプライヤーやバイヤーなど他部門と「本音」でやりとりできる信頼関係の構築も重視しましょう。
3. 変化・失敗に前向きな姿勢
「やったことがない」「どうせダメだろう」といった保守的な空気が蔓延しないよう、小さな変化でも果敢にチャレンジし、失敗もオープンに共有できる雰囲気づくりが大切です。
最後に:一歩ずつ、優先順位を可視化しよう
製造業の現場は多種多様な課題の宝庫です。
だからこそ、全てを完璧に行おうとせず、「やるべきことを整理する」「現場の困りごとを可視化する」「少しずつカイゼンを積み上げていく」──この現場ならではの愚直な姿勢が、最終的に製造業全体の競争力につながります。
あなたも、今日できる小さな優先順位整理から始めてみませんか?
一つひとつ課題をクリアしていくなかで、必ず現場は変わります。
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