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製造業の会社に転職する第二新卒たちへ送る業界の本音と業務量の波

目次
はじめに:なぜ今、製造業が再注目されているのか
近年、第二新卒を中心に「ものづくり」の世界へ新しい人材が入り込む動きが活発化しています。
コロナ禍を経て産業構造が変わり、サプライチェーン問題やグローバルな情勢不安が製造現場の重要性を浮き彫りにしました。
デジタルトランスフォーメーション(DX)や自動化技術が進む一方で、昭和から受け継がれる職人技や現場でのアナログ作業も根強く残る――それが日本の製造業の「今」です。
この独特な業界に挑戦したい第二新卒へ、20年以上製造の現場で腕を磨いた立場から、リアルな業界の本音や日々直面する業務量の波、そして明日へのヒントをお伝えします。
第二新卒が知っておくべき製造業界の「本音」
年功序列と現場主義、その厚い壁
製造業、とりわけ大手メーカーの現場には、年功序列と現場主義がいまだしっかりと根付いています。
長年勤めて現場の感覚や製品知識を積み、ベテランが舵を取る体制です。
一方で、知識やITリテラシーに長けた若手が「スピード感」と「合理化」を持ち込み、組織の新たな風になり始めています。
しかし、昭和からの“連続稼働”、つまり「変わらぬ日常」の価値や、“阿吽の呼吸”で進める現場文化は、そう簡単には消えません。
新しい力を発揮するには、まずこの文化や価値観を理解し、信頼を積み重ねる必要があるのです。
現場と管理部門、その温度差
製造業では、実際に手を動かしている現場(生産部門や品質管理部門)と、データ重視の管理部門(調達購買、経理、企画など)との間に、時として深い溝が生まれます。
現場が「とにかく不具合を止めろ、安全最優先」「納期厳守」と粘りを見せれば、管理側は「コストセンターでしかない現場より、利益への貢献度で評価したい」と考えがちです。
この温度差は、サプライヤーや外部取引先との関係性にも波及します。
「なぜ一手間余計なことをするのか」が分かっている人は重宝されますし、現場と管理、両方の価値観に橋を架けられる若手こそ成長が早いのです。
アナログとデジタルの混在、そのカオスに慣れよう
日々進化するモノづくり現場では、最新のIoTセンサーや自動化ラインが稼働する一方で、鉛筆と紙の工程表が今も現役という光景も珍しくありません。
特に中小企業や地方工場では、口頭伝承や職人芸が工程の要所を占めています。
ExcelのVLOOKUPやPowerPointで作った見栄えのいい報告書より、「今ここで製品が動いているかどうか」を肌で感じて動ける感覚が、いまだ現場での評価軸にもなっています。
こうした「カオス」にストレスを感じるのも当然ですが、逆にこの環境を乗りこなす力が、即戦力として認められる入り口でもあります。
業務量の波――繁忙期・閑散期のサイクルをどう乗り切るか
受注変動と納期プレッシャー、そのリアル
製造業の基本は「需要に合わせて流れを作る」ことです。
しかし、実際の受注は年度や市況によって大きく振れます。
普段の生産量の数倍の特急オーダーが舞い込む繁忙期がある一方で、一時的にラインの稼働を止める閑散期もあります。
生産計画、材料手配、ライン立ち上げ――自分の動きが全体の流れに不可欠なピースであるという責任が、想像以上のプレッシャーとなることもしばしばです。
「残業ありき」の働き方に飲み込まれることもあれば、逆に閑散期は“手持ち無沙汰”を感じる瞬間もあります。
業務量の波は避けられませんが、その都度「どこの工程に負荷がかかっているか」を把握し、優先順位をつけて行動する癖を身につけることが強みになります。
調達購買業務の“見えない競争”
原材料や部品を仕入れる調達購買部門では、サプライヤーとの綱引きや納期交渉、価格調整に終わりがありません。
「いいものを、安く、早く」を同時に求められ続け、レスポンスが1日遅れるだけで社内外の信頼を損ないかねません。
しかも近年は、海外取引先とのコミュニケーションや自社工場との在庫調整、急なカットインに振り回されることも少なくありません。
営業からは「簡単に調達できるだろう」と軽く見られ、現場からは「なぜすぐに材料が来ない」と詰められる。
この両者の板挟みが日常です。
そして同業他社を巻き込んだ“見えない競争”にもさらされています。
調達先を巡る情報戦や、コストダウン競争に勝つには、自社の現場をどれだけ理解しているかが決め手になります。
“ただの物品調達係”を抜け出すには、「現場も分かりサプライヤーとも対等に話せる調達者」としての成長を意識することが重要です。
季節によって変化する品質管理のストレス
気温や湿度の変化で品質に影響が出る製造現場では、季節ごとにチェックポイントやリスクが変わります。
たとえば夏場なら熱膨張や機器の劣化、冬場なら静電気や油脂の凍結、梅雨どきは製品への湿気付着など。
それぞれに「今まさに起こりうる不具合」と常に向き合いながら、場合によっては夜間や休日でもトラブル対応を強いられます。
この多面的なストレスを“面白さ”に変えられれば、本物の品質マンへの道が開けるでしょう。
「現場で生きる」ためのラテラルシンキングとは
既存の枠にとらわれない考え方が、“突破力”を生む
製造業の現場が抱える課題は、ルーティンワークで片付くものばかりではありません。
社内標準や長年の慣習の“外側”を探り、時には部門間の調整や全く新しい手法を提案する「ラテラルシンキング=水平思考」の力が求められます。
突然発生した設備トラブルや納期短縮の要求、想定外の品質不良――正面突破では解決しきれない場面にこそ、視点を大胆に変える柔軟さがカギとなります。
たとえば調達購買であれば、同じ部品を使う他工場の余剰在庫を一時的にシェアしたり、現場をよく知るサプライヤーに代替材料提案を求めたりと、既存のサイクルの外側に解決策を求める工夫が強みとなります。
「言われたこと」だけで終わらない一歩先の視点
昭和的な現場では、「指示待ち」や「前例踏襲」に終始している限り、存在感は発揮できません。
全体が忙殺される工期末や重大トラブル発生時こそ、「先回り」思考が力を発揮します。
「その依頼は何のために来ているのか?」「自身の担当範囲を超えて課題解決するには?」と、現象の“奥”に目を向ける癖を日頃から持ちましょう。
この積み重ねが、現場の“困った時の切り札”としての立場を築きます。
サプライヤー目線:バイヤーが考えている「本当のニーズ」
数字だけが“良いサプライヤー”の条件ではない
多くのサプライヤーが「コストを下げる」「品質を安定させる」「納期厳守」を第一義と考えがちですが、実際の現場ではそれだけが評価ポイントではありません。
バイヤー(調達購買担当)は受発注データやコストリストだけで相手を見ていません。
「この製品が今どこで、どう作られているか」「何が生産のボトルネックか」を理解し、自社工場のトラブルの際に手を差し伸べたり、現場見学会に積極的に応じたりする“現場力”を高く評価するのです。
「困ったときに即座に融通が利く」。
「夜間や休日でも連絡がつく」。
「こちらの悩みに寄り添って改善提案ができる」。
こうした姿勢が、受注の優先順位や長期パートナーシップに直結します。
業界動向や規制変化への「提案力」が差別化に
2024年現在、環境規制やサステナビリティ対応、円安・資源高騰による部材調整など、外部環境の変化も頻繁です。
バイヤーが「この先どうすべきか」と迷う中、先回りして最新情報や代替材料の提案を持ってきてくれるサプライヤーは、圧倒的に有利になります。
「うちも同じことで悩んでいました」「これなら短納期にも対応できます」と、業界全体の動きや他社事例を踏まえた具体策を語れる営業担当が、選ばれ続けています。
まとめ:製造業で「本当に必要とされる人」になるために
ものづくりの現場には、伝統的な価値観と最先端技術が交錯し、毎日違った課題やプレッシャーが押し寄せます。
第二新卒の皆さんは、フレッシュな感性と現場主義を武器に、変化の波の中で自分の強みを磨ける時期にあります。
「旧来のやり方」に染まりすぎず、現場の一歩外側の視点を持ち、繁忙期の嵐も閑散期の静けさも成長の糧にする。
また調達購買やサプライヤーの立場では、数字の裏側にある「現場の空気」や「人の思い」を五感で感じ取り、柔軟な“ラテラルシンキング”で課題解決の突破口を見つけてください。
製造業は、決して古びていません。
失敗を恐れず、一歩先の視点から現場を支える担い手として、ぜひ業界の新しい地平を切り拓いていきましょう。
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