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CMSを刷新したのにコンテンツが更新されなくなる理由

目次
CMS刷新による期待と現実のギャップ
製造業をはじめ、多くの企業でCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の刷新が話題となっています。
「最新のCMSに切り替えたから、これで情報発信力が強化できる」と胸を躍らせた導入担当者も多いことでしょう。
期待通りにWebサイトの新着情報や製品事例、ノウハウ記事の更新がぐんぐん活性化されれば、会社のブランド価値も高まります。
しかし、実際には「CMSを新しくしたのに更新が滞る」「リニューアル前より情報発信が減った」という現象が珍しくありません。
なぜ、このような期待と現実のギャップが生じてしまうのでしょうか。
本記事では、製造業の現場、そして昭和アナログ文化が色濃く残る業界事情を踏まえ、CMS刷新後にコンテンツ更新が停滞する本当の理由と、その打開策を探ります。
なぜCMSを刷新しても現場は動かないのか
技術進歩だけでは解決しない「人」と「文化」
CMS刷新の本質的目的は、最新テクノロジーを導入して作業効率を高め、現場での更新頻度を上げることです。
しかし、製造業の多くでは「現場=モノづくり優先」の意識が根強いのが現実です。
新しいシステムを導入しても「情報発信は後回し」「新しいCMSの使い方が面倒」「文章の承認フローが厳格すぎる」といった理由で、更新担当者のモチベーションが上がりません。
さらに、担当者が現場実務と兼務の場合、「現場優先でCMSは後回し」という事態も起きやすくなります。
昭和型体制の弊害と「情報発信=リスク」という意識
多くの製造業がまだ脱しきれていないのが「昭和的硬直型組織」です。
情報発信に消極的な理由は、古い体質の「失敗を恐れる文化」や「社外との無用な接触を避ける傾向」「現場の声が経営層に届かない風通しの悪さ」にあります。
そのため、「誰が何を書くか」「どこまでなら公表していいか」といった社内ルールがあいまいなまま運用が始まり、結局「面倒なので書かない」という流れが定着してしまうのです。
現場が本当に困っているのはそこじゃない
CMS刷新の議論は往々にして「システムの便利さ」や「デザイン」「SEO機能」などツール起点で進められがちです。
しかし、実際に現場が困っているのは「日常業務と両立できない運用フロー」「文章作成スキルや写真の品質管理」「現場の知見を分かりやすく伝えるノウハウ」など、人間くさいハードルであることが多いのです。
CMS更新滞りの本質課題とは何か
「CMS刷新=発信活性化」は幻想?
CMS自体は「書く」「アップロードする」という“手段”にすぎません。
最先端のツールを入れても、「何を、誰が、どんな体制で、どの頻度で、どう表現するか」という“中の人”の課題が未解決だと全く更新されません。
現場は「業務が忙しい」のが常態化しています。
そこに「Webコンテンツも…」と追加されても、自発的に動くのは相当にモチベーションの高い人だけです。
製造業では「守り=品質・納期・コスト遵守」が最優先です。
新しいチャレンジ(特に情報発信など“攻め”の活動)は仕組みづくりとトップからの継続的な後押しが不可欠なのです。
「伝わる」コンテンツづくりは現場力が鍵
外部の制作会社やマーケティング部門がコンテンツを用意しても、現場実情にそぐわない内容だと閲覧者(お客様・パートナー)には見抜かれてしまいます。
製造業らしい等身大の“現場語りコンテンツ”は、現場社員をうまく巻き込む仕掛けがないと生まれません。
一方で「文章は苦手」「写真撮影はハードルが高い」といった理由で現場からのネタ提供が進まない問題も根深いです。
承認フローの複雑さと「責任の所在不明」問題
製造業では情報公開に過敏になりやすく、コンテンツ公開前に複数部門や上司チェックを求められるケースが多々あります。
CMSが新しくなっても、この“承認渋滞”を解消しない限り小さな発信も滞りがちです。
また、「公開内容の責任はどこが持つのか?」が明確でなくリスクを恐れて誰も前に出ない、という状況も珍しくありません。
なぜ多くの企業は同じ過ちを繰り返すのか
「最新CMS導入」で課題解決した気になる危険性
CMS刷新は、組織にとって目に見えて「変えました」とアピールしやすい成果です。
経営企画やIT部門も「デジタル化促進」「DX推進」と旗を振りたがります。
しかし「使いやすくなります」「誰でも情報発信できます」という表面的なメリットだけ伝え、現場の本音やアナログな壁を打破する議論を後回しにしがちです。
過去の「仕組み化=自動化」の幻想の繰り返し
昭和型製造業組織では「仕組み作り=属人的運用の防止」「制度化しておけば自然に動く」幻想があります。
CMSも「ツールを変えれば変化が自動的に生まれる」という“機械化志向”で導入されがちです。
ですが実際には「現場の巻き込み・社内広報」「成功体験の共有」「責任の明確化」といった地道な変革こそが更新継続のカギになっています。
ラテラルに考える:CMS運用を本当に根付かせるには?
現場主体の仕組み作りと“ムリ・ムダ・ムラ”徹底排除
製造現場で培った「改善」「見える化」思想をCMS運用にこそ活かすべきです。
– コンテンツ更新業務を出来る限り標準化・分業化する
– 更新業務の“ジャストインタイム化”でムダ手間レスにする
– 業務スケジュール内で「ここだけは更新タイム」と割り切ってルーチン化
たとえば、現場ラインの朝礼や会議後に「写真1枚と簡単なエピソードを出せばOK」とすれば心理的ハードルも下がります。
「誰でもアップできる仕組み」ではなく「誰が何をどう出すか」を役割明確にし、「やらされ感」ではなく“小さな成功体験”を積み重ねましょう。
トップダウン×ボトムアップの両輪推進がカギ
組織トップが「情報発信は攻めの経営」「現場の知恵やストーリーを価値化する」ことを発信し続けるのは必須です。
その一方で、現場が「自分ごと」「自分たちの工夫が会社の顔になる」と感じるよう、感謝や褒賞制度を取り入れるのも有効です。
また、製造業ならではの「現場語り部」人材を発掘し、ストーリーテリング講座や取材ワークショップを定期的に開くのも現実的施策です。
サプライヤーや顧客を巻き込んだ双方向コミュニケーション型へ
CMSリニューアルは、サプライヤーや顧客との距離感を縮める契機にもなります。
現場成果・失敗談・改善ノウハウなどを共有し、「ものづくりネットワーク」として社外とも協働できる空気を醸成しましょう。
バイヤー志望の方や、サプライヤーである皆さんにも「製造現場のリアルな情報発信の難しさ・大切さ」を知っていただけたのではないでしょうか。
まとめ:テクノロジーアップデートだけでは変わらない
CMS刷新が「現場に情報発信のムーブメントを起こす魔法の杖」にならない理由は、人的課題・文化的課題・運用設計の未整備という根っこの部分にあります。
「CMSはあくまで道具」――どこよりも現場目線で、発信体制の見直しと現場巻き込みの工夫を地道に続けること。
そこにこそ、情報発信が会社文化となる「新たな地平線」が開かれていくのです。
昭和から続くアナログな組織文化でも、製造の現場力を武器に本物のCMS活用文化を根付かせていきましょう。
ご相談や現場の成功事例、失敗談などもぜひ皆さまから寄せていただければ幸いです。