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サクションロール内部部材のメンテナンスが重要な理由

目次
はじめに~サクションロール内部部材のメンテナンスがもたらす価値
サクションロールは、製紙工場やフィルム製造現場など多くの製造業で不可欠な機械のひとつです。
その内部には多数の部材が組み込まれ、紙やフィルムの加圧・搬送・脱水といった極めて重要な工程を担っています。
しかし、現場の多くではサクションロールの「外観検査」や「表面のクリーニング」までは意識されていても、内部部材のメンテナンスまで十分注目されていないことが少なくありません。
この記事では、なぜサクションロール内部部材のメンテナンスが重要なのか、どのようなリスクを未然に防ぎ、いかに生産性や品質維持に寄与しているのか、現場で培った実体験を交えながら解説します。
サクションロールの基本構造と内部部材の役割
サクションロールとは何か
サクションロールは、表面に多数の小孔が開いた円筒形状のロールで、真空ポンプと連動し吸引力を発生させます。
紙やフィルムの搬送時、湿紙やフィルムを吸着させて制御する役割を果たします。
特に製紙工程のウェット部や、フィルム搬送工程、さらには不織布製造にも不可欠な設備です。
内部部材の主な種類と機能
サクションロールの内部には以下のような主要部材が存在します。
- ディフューザー(均圧板):ロール内の吸引圧力を均一化します。
- ベアリング:ロール回転をスムーズにし、軸受けの摩耗や焼き付き防止に不可欠です。
- エンドカバー:内部の気密性を保ち、異物侵入を防ぎます。
- シャフトシール・パッキン:内部への水や異物の侵入、また吸引漏れを防ぎます。
- 真空配管:適切な吸引力を発生させるため、内部の圧力制御を行います。
これらの内部部材が健全に機能して初めて、サクションロール本来の性能が発揮されるのです。
アナログ文化が根強い製造業~なぜ内部メンテナンスは軽視されやすいのか
現場の「動いていればOK」意識
日本の製造業は「故障するまでは動き続ける」文化が色濃く残っています。
表面の汚れやベアリング異音、回転不良といった「目に見える不調」で初めて対処が始まる、という現場もまだまだ少なくありません。
特にサクションロールのように「内部が見えにくい」機器は、内部の摩耗や詰まりがあっても長期間見過ごされがちです。
メンテナンスへの投資対効果の低評価
調達購買や経営層では、消費部品コストの削減や生産ロス低減には敏感ですが、「内部メンテナンス費用がどれだけの損失回避につながるか」を定量評価しにくい現実があります。
そのため、「内部部材の定期交換や予防保全」という投資が後回しになります。
バイヤーもサプライヤーも共通して、この“見えないリスク”の存在と、長期的に見たコストパフォーマンスに目を向けることが製造現場力を底上げするカギなのです。
サクションロール内部部材の劣化が引き起こす6つの問題
1. 加圧・吸引力のムラによる品質不良
内部ディフューザーの摩耗や詰まりが進むと、吸引圧力が均一にかからず、湿紙やフィルムに波打ち・シワのムラが発生します。
これが量産現場では抜き取り検査にも現れず、後工程で「なぜかトラブルが多い」という形で顕在化します。
2. ベアリングの摩耗・焼き付きによる重大故障
ベアリングは連続稼働の高温・高湿環境下でじわじわと疲弊します。
潤滑油の変質や水分混入、グリース切れなどが積み重なれば、いずれ焼き付きやロール破損事故を引き起こします。
この修理コストは非常に大きく、致命的なラインダウンにも直結します。
3. 真空漏れ・異物混入による効率低下
シャフトシールやパッキンの劣化が放置されると、吸引漏れにより必要な真空度が得られず、脱水・吸着作用が極端に落ちます。
また異物や水分が内部に侵入し、さらなる摩耗促進や不良発生のリスクが増大します。
4. 設備寿命の短縮と突発修理増加
日常点検で内部部材の状態を把握していなければ、小さな劣化兆候の見落としが蓄積し、設備寿命そのものが短くなります。
突発修理や部品緊急手配のため、生産計画全体にダメージが波及します。
5. 清掃コストとダウンタイムの増加
内部でペーパーの繊維くずやゴミが詰まると、急遽ロール分解清掃や薬品洗浄が必要となるケースも。
この突発対応も、通常の定期メンテナンスよりもコスト高になります。
6. 安全性リスクの高まり
劣化した部品が破断すれば、設備トラブルにとどまらず作業者巻き込む重篤災害の要因ともなり得ます。
安全配慮義務やコンプライアンス強化の観点からも、突発不具合の未然防止は企業責任の一部といえます。
昭和体質からの脱却~メンテナンス改革に必要な視点
現場主導からモノづくり全体の最適化へ
サクションロール内部部材のメンテナンスは、単なるオペレーション現場の「工数」と考える時代は終わっています。
「バイヤー・調達担当」「サプライヤー」「現場オペレーター」「品質保証」全員が、メンテナンスを設備投資の一部ととらえて連携することが必要です。
多くの失敗例を現場で見てきましたが、部門間連携が弱い状態では“場当たり的”な対応に終始し、真の課題解決には至りません。
データ主導の予防・予知メンテナンスへのシフト
ここ数年、IoTセンサー設置による温度・振動・吸引圧力データの常時監視などが現場でも進んできました。
異常値の自動アラームや劣化傾向の見える化が、定期メンテナンスの「タイミング最適化」「部品交換周期の科学的根拠化」に結びつきます。
昭和的な「経験値頼みの勘メンテナンス」から、根拠ある意思決定へ舵を切るべきです。
内部部材メンテナンス強化の具体的アクション
メーカー推奨より厳しい社内基準値の設定
多くのロールメーカーでは「通常運転●●時間ごと」「使用環境の標準条件下で交換サイクル▲年ごと」といった一般的基準しか示していません。
現場の実運転データから「自社特有の汚れ・摩耗スピード」を解析し、より厳しい独自メンテナンス基準値を打ち立てましょう。
定期的な内部開放・点検のルール化
分解・洗浄やAI画像診断など、内部点検フローを標準作業としてルーティン化し記録を詳細に残します。
ベアリングやパッキン、ディフューザーの摩耗進行を数値管理し、予防的な部品交換まで仕組み化すれば、「気がつけば重大トラブル」の芽を摘むことができます。
メンテナンスのコスト可視化と全社共有
メンテナンスにかかった工数・補修費用、ダウンタイム損失、部品購入コストを一元管理し、年次計画や投資効果に落とし込みます。
これにより、調達部門、経営層、現場それぞれが「サクションロールの内部部材メンテナンスが、最終的には全体最適で最小コストとなる」構造を腹落ちさせやすくなります。
サプライヤーとの協働による部品改良・最適提案
部品サプライヤーに「現場の使用実態」「摩耗の典型パターン」「トラブルの発生状況」など生のデータ情報を積極開示しましょう。
これにより、材質改良や設計変更、新工法の提案など、ベストな部品選定と今後のトラブル減少につながります。
バイヤーとしても、価格交渉だけでなく付加価値提案を求める姿勢が必要です。
まとめ~サクションロール内部部材のメンテナンスが製造業を変える
サクションロール内部部材のメンテナンスは、「故障したら対処」型から「壊れる前に維持・強化」型へシフトすることが現代の製造業に不可欠です。
現場目線・リアルな運用データ・部門横断の協働体制があってこそ、はじめて生産効率・品質・安全性を最大化できます。
特に、アナログ文化が色濃く残る昭和的な現場だからこそ、「地味だが本当に重要な内部部材メンテナンス」を軽んじてはいけません。
現場の納得感と経営判断、そしてバイヤー・サプライヤーのチャレンジ精神を掛け合わせ、日本のモノづくり現場が新しい地平を切り拓く――
その第一歩が、サクションロール内部部材のメンテナンス強化にあります。
今いる現場、関わるモノづくり仲間と共に、ぜひ自社のメンテナンス体制を見直してみてください。
製造業の未来は、足元の一つひとつのメンテナンス実践から着実に変わっていくのです。
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