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OEM実績を活かして自社ブランドの信頼性を高める展示会出展戦略

目次
はじめに:製造業のブランド戦略を再定義する時代へ
かつて製造業は「いいモノを作れば売れる」時代が続いていました。
高度経済成長を支えた昭和の大規模工場では、とにかく品質・コスト・納期が優先され、無名な下請けメーカーでも確かな技術力があれば生き残ることができました。
しかし、バブル崩壊以降、グローバル競争が激化し、競合他社との差別化や自社ブランドの強化が急務となっています。
いまやBtoBの世界でも「ブランド」が経営の根幹を揺るがす時代です。
そんな中、多くの中堅・中小の製造業が自社ブランドでの事業展開を模索しつつも、「自社名では知名度がない」「どんな強みを伝えたらいいのか分からない」といった壁に直面しています。
その際、見落としがちなのが「OEM実績」です。
本記事では、OEM(相手先ブランドによる生産)で培った技術や信頼を武器に、自社ブランドをどう磨き上げ、展示会出展などリアルな場での信頼獲得にどう活かすべきか、現場目線で解説します。
OEM実績がもたらす“無形の信用力”
OEM生産の実績は、一見すると単なる「裏方仕事」のように思われがちですが、実は自社ブランドを育てるうえで大きなアドバンテージとなります。
有名メーカーの“ものづくりパートナー”という社会的信用
たとえば、「大手電機メーカーや世界的自動車メーカーへの部品供給実績」があれば、それだけで品質・コスト・納期に対する並々ならぬ管理体制がある、と自ずと伝わります。
BtoBのバイヤーは、スペックやスペースの数字以上に「この会社は本当に約束を守れるのか?」という極めて現実的な信頼で取引先を見極めています。
OEMの“お客様層”はプロばかり。
その目利き役から認められて長期供給できている事実が、最大の保証書になるのです。
厳格な監査・品質要求を“日常”にした現場力
大手メーカーからのOEM案件には、一般の自社ブランドよりも数段階厳しい品質・トレーサビリティ要求やフルタイムの現場監査がつきものです。
日々それをクリアしていた現場力――「トラブル時の即応能力」や「小規模ロットのバラツキ抑制力」など――は、最先端のISO認証以上にリアリティを持って相手に伝わります。
現場を知り尽くした調達担当バイヤーにとっては、「認証書面」よりも「OEM実績」の一言のほうが、はるかに説得力がある場面が少なくありません。
OEM実績を展示会で“伝わる強み”に翻訳する
OEM実績が自社ブランドの信頼向上に効くと分かっても、展示会というリアルな場でそれをどう伝えれば良いのでしょうか。
単に「有名メーカーに納めています」と掲示するだけでは不十分です。
バイヤーや意思決定層に“伝わる形”へと昇華させる工夫がポイントです。
技術シーズを整理し、相手のメリットに落とし込む
自社のOEM実績が多岐に渡る場合、「どの分野で」「どんなパフォーマンス」を発揮してきたのかを具体的に整理しましょう。
例えば
・月産10万個対応の自動化ライン設計実績
・車載向けECU筐体で10年間トラブルゼロ
・医療業界でバリデーション取得ノウハウ保有
といった具体例です。
製品単体の説明にとどめず、「その管理力ゆえに御社の要望にも柔軟対応できる」といった形で、相手の調達・品質保証部門の“困りごと解決”に直結した強みに落とし込みましょう。
これは「なぜ、自社のOEM実績が顧客の安心に繋がるのか」をあえて言葉で明確に説明することが差別化に繋がります。
自社ブランドとOEMの差別化ポイントも用意
展示会で重要なのは、「OEMで培った現場力を自社ブランドではどう活かすのか」を示すことです。
・OEM→徹底した監査対応力
・自社ブランド→小回りやカスタム対応のスピード感
といった形で、「規格品の安定供給ならOEM品質で」「特注や試作・小ロットなら自社ブランドの俊敏性で」と使い分けできることを明示しましょう。
OEM実績を単なる“受身”や“裏方”で終わらせず、よりダイナミックな自社価値へと変換できれば、バイヤーの記憶に強く残ります。
“昭和アナログ産業”にこそ効く!信頼性訴求のツボ
製造業はいまだに昭和のアナログ文化――現物主義、現場主義、ムリ・ムダ・ムラの自己流改善――が根強く残る分野です。
この環境下で、「ブランド=ロゴやキャッチコピー」だけを磨いても響きません。
では、どうするか。
現場目線から、あえて泥臭い「信頼の言語化」をおすすめします。
生産トラブル・クレーム“即応”の事例をナマで伝える
例えば、「深夜のラインストップ時、徹夜で原因究明・再発防止書類をまとめ翌日朝に納入を再開した」といった具体的な対応エピソード。
「納期ギリギリの発注でも、なぜ対応できたのか(仕組みや社内連携)」など、現場が“汗をかいた”実話はバイヤーの共感を誘います。
昭和型バイヤーほど、形式的な品質管理書よりもこうした“人の顔が見える”信頼のエピソードに強く惹かれます。
顧客の社内外監査に何度も合格した“耐え抜いた実績”
「御社のお取引先の大手OEM様で、これまでに◯回の社内監査を受け、すべて合格・ゼロ指摘だった」
「海外監査にも都度対応してきた“現場の底力”がある」
こうした“耐久証明”は、製造業バイヤーにとって非常に刺さるキーワードです。
展示会ブースでは、作り込ませすぎたパネルよりも、こうした現場の現実をまとめた“ストーリー”パネルや、社内改善の取り組みレポートをラミネートして掲示すると効果的です。
展示会出展戦略の実践ポイント
業界主導の展示会や技術見本市は、リアルな人的ネットワーク構築と、競合との差別化の場です。
OEM実績を活かす展示会出展戦略の実践ポイントを整理します。
1.出展テーマは「課題×解決力」で絞る
やみくもな自社技術の羅列は禁物です。
自社のOEM経験で最も得意とする「現場課題」×「解決実績」に絞り、フォーカスを定めましょう。
たとえば、「自動車業界の脱炭素対応部品の小ロット対応力」や「電子部品の品質保証体制強化」など、時代の潮流とマッチさせたテーマに寄せるのがカギです。
2.バイヤー目線のパネル・資料設計
展示会では「30秒で立ち止まれるパネル」を意識しましょう。
スペックや製品画像だけでなく、「OEMで選ばれる理由」「多品種小ロットに応える仕組み」「監査対応の実際」など、現場目線のキャッチコピーを盛り込みます。
またノベルティや名刺交換のきっかけに、“サプライチェーンの困りごと●選”といった小冊子を用意するのも訴求力アップに繋がります。
3.現場トップや担当者の“生声”同席を手配
可能であれば、自社製造現場の責任者や改善担当も展示会ブースで同席しましょう。
現場の泥臭いドラマや顧客との距離感は、営業担当だけでは伝わりきりません。
「どんな失敗や苦労を乗り越えて今のものづくり体制を築いたのか」
「OEM先との長い付き合いの中で受けた一番きつい要求は?」
といったリアルな会話は、新規バイヤーの警戒心を一気に解きます。
OEM実績の“語り方”でサプライヤーの未来は変わる
今や日本の製造業は、世界的にも「価格競争」から「信用社会」へと大きくシフトしています。
過去のOEM受託に甘んじて“裏方”マインドから抜け出せない会社が多い中で、
・「OEMで認められた現場力」
・「あえて泥臭い現場の信頼」
・「バイヤーの心に刺さるリアリティ」
を全面に出して自社ブランドを磨き、展示会などリアルな場で語り続けることが成功への近道です。
製造業の現場目線で、
・今あるOEM実績をどう“言語化”してアピールするか
・自社ブランドとOEM生産のバランスをどう戦略化するか
・昭和型バイヤー/令和型バイヤーそれぞれに合った訴求をどう作るか
これを深く深く考え抜くことが、今後のサプライヤーの未来を開拓する原動力になるでしょう。
まとめ:OEM実績はブランド資産、そして大きな信頼の源泉
製造業の展示会は単なる営業機会ではなく、貴重な“現場の信頼”を相手へ届ける場です。
OEM実績を「過去の受託経験」ではなく「将来の取引保証」に変換できるか。
自社ブランドを磨く最大の“原石”として活かせるか。
この視点に立つことで、サプライヤーとバイヤー双方の未来が、きっと大きく広がるはずです。
経験と現場力に裏打ちされた“本物の信頼性”を武器に、ぜひ新しい時代の製造業展示会戦略へチャレンジしてみてください。
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