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仕入先に是正処置を求めるとき、回答のどこを見て差し戻すか

この記事のポイント(結論先出し)
仕入先への是正処置の要求は、目の前の不適合品を直させる・取り替えさせる請求とは別に立てる。民法が買主に認める追完の方法は目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡しの 3 つで、同じことを繰り返さない手当てはここに入っていない。だから是正を求める根拠は、取引の前に結ぶ品質の取り決めに置いておく必要がある。要求を出す前には、仕様の不明確さや検査基準の変更など原因がこちら側にないかを確かめる。回答を受け取ったら、問題の記述、囲い込みの範囲、発生原因、流出原因、原因と対策の対応、変更の届け出、効果の確認、横展開の 8 か所を見る。差し戻すのは様式の不備ではなく、この 8 か所のどこかが「実施済み」の一言で済まされているときである。同じ不適合が再び出たら、新しい要求を出す前に、前回の回答が効かなかったものとして開き直す。
目次
是正処置の要求は、返品や作り直しの請求とは別の話
納入品に不適合が見つかったとき、仕入先に対して求めることは大きく 2 つある。1 つは、目の前の物をどうするか。返してもらう、作り直してもらう、足りない分を納めてもらう、といった話である。もう 1 つは、次のロットで同じことを起こさないよう、相手の工程や仕組みを直してもらうことで、これが是正処置の要求になる。現場ではこの 2 つが 1 通のメールに混ざりやすいが、根拠も期限も終わり方も違う。
前者には法律の手当てがある。民法第 562 条は、引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないとき、買主は売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求できると定めている[1]。追完されないときは第 563 条で代金の減額を求められ、第 564 条により第 415 条の損害賠償や契約の解除も妨げられない[1]。
ところが、ここに挙がっている手段はどれも、引き渡された物についての話である。工程を見直す、検査を足す、他の品番に展開する、といった再発防止の手当ては、条文の列挙には出てこない。つまり是正処置を求める根拠は、法律が自動的に用意してくれるものではなく、契約の側に書いておくものになる。取引基本契約や品質の取り決めに、是正処置の要求と回答の期限、回答の様式を入れておく理由はここにある。取り決めに何を入れるかは取引基本契約の品質保証条項の曖昧さが招くトラブルで扱う。
規格の構成も、この 2 つを分けて扱っている。JIS Q 9001 は、箇条 8.4 を「外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理」、箇条 10.2 を「不適合及び是正処置」として、別々に置いている[4]。医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(以下、QMS 省令)の第 37 条第 5 項は、購買物品等に購買物品等要求事項への不適合が判明した場合、その不適合によるリスクに応じて、供給者と協力して必要な措置をとるよう求めている[2]。この省令は医療機器の分野にかかるものだが、是正を「相手に命じるもの」ではなく「相手と協力してとるもの」と書いている点は、どの業種でも要求の出し方を考える手がかりになる。
なお、取適法がかかる取引で、受け取った物を仕入先の費用でやり直させられるかどうかは、第 5 条第 2 項第 3 号の問題で[6]、是正処置の要求とは別に判断する。その線引きは受領拒否・返品・やり直しはどこまで許されるかにまとめてある。
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要求を出す前に、原因がこちら側にないかを見る
是正処置の要求書を出すと、相手は原因を自社の工程の中に探し始める。原因が発注側にあった場合、相手の調査は的外れな場所で空回りし、回答も的外れな対策になる。要求を出す前に、発注側の手元にある材料で確かめられることは先に確かめておく。
どこを見ればよいかは、取適法テキストの記述が手がかりになる。テキストは、委託事業者が費用の全額を負担することなく、給付の内容が当初委託した内容と異なることを理由にやり直しを要請することが認められない場合として、受領前に中小受託事業者から委託内容を明確にするよう求めがあったのに正当な理由なく仕様を明確にしなかった場合、中小受託事業者の提案を委託事業者が了承したのに後から委託内容と異なるとする場合、検査基準を恣意的に厳しくして委託内容と異なるとする場合などを挙げている[5]。違反行為事例には、従来の基準では合格していた金型について検査基準を一方的に変更し、無償でやり直しを求めた例も載っている[5]。
これらは取適法の違反の類型として書かれているが、品質の見方に置き換えると、「仕入先の工程が崩れた」のではなく「発注側の要求が揺れた」ことで不適合が生まれる典型でもある。要求書を出す前に、次の 4 つを発注側で確かめる。
- 不適合と判定した図面・仕様書の版は、発注時に仕入先へ渡した版と同じか
- 外観の判定に使った限度見本は、仕入先が持っているものと同じ版か
- 受入検査の基準や測定の方法を、最近変えていないか。変えたなら、仕入先に伝えた記録があるか
- 仕入先から仕様の確認や変更の提案を受け、こちらが了承した経緯がないか
もう 1 つ、設計の権限がどちらにあるかも見ておく。防衛省仕様書 DSP Z 9008C の解説は、外部から提供される製品のうち、契約の相手方が設計権限を有していない部分については外部提供者の技術的判断による処置が妥当である一方、契約の相手方が技術的要求事項を示して細部設計を外注先が行うものの要求事項に係る不適合は、契約の相手方の側で手続きを行うべきだとしている[3]。仕様そのものが原因なら、対策を決められるのは仕様を持つ側である。仕入先に工程の是正を求めても、仕様が変わらなければ同じ不適合は形を変えて戻ってくる。
調達現場で押さえるポイント
原因がどちらか分からない段階で要求書を出すこと自体は問題ない。問題になるのは、分からないのに「貴社の工程不良により」と書くことである。要求書には、発注側で確かめて問題がなかった点を先に書いておく。相手は調べる範囲を絞れるし、あとで原因がこちら側と分かったときに文面を撤回せずに済む。
自社の納入先から指摘を受けて、いったん合格とした物の引取り、やり直し又は損害賠償を行うことになった場面について、取適法テキストに収められた振興基準は、物品等の不具合の有無及びその原因を明らかにし、仕入先にも負担を求めることの必要性及び合理性の有無を十分に確認するよう定めている[5]。原因を明らかにすることは、費用の話より前に置かれている。選別や再検査の費用をどこまで仕入先に求められるかは流出不良の選別費・再検査費はどこまで請求できるかで扱う。
要求書に書くこと——回答の骨組みを先に渡す
是正処置の要求書は、「原因と対策を報告してください」の 1 行で送られることが多い。こう送ると、返ってくる回答の粒度は相手の社内の慣習で決まる。見る側が何を見るつもりかを、要求書の段階で渡しておくほうが早い。
回答に何を含めるべきかの骨組みは、QMS 省令第 63 条が参考になる。同条第 2 項は、是正措置の手順に、不適合(製品受領者の苦情を含む)の照査、不適合の原因の特定、再発しないことを確保するための措置の必要性の評価、是正措置の計画の策定・内容の記録・実施、是正措置が法令の規定等への適合性や意図した用途に応じた機能・性能・安全性に及ぼす悪影響の検証、是正措置をとった場合の実効性についての照査を定めるよう求めている[2]。この 6 つは、発注側が回答に求める項目の並びとしてそのまま使える。
要求書そのものには、次の欄を置く。
- 対象の特定——品番、図面の版、納入ロット、社内の不適合報告書の番号
- 現象と範囲——規格値と実測値、数量、疑っているロットの範囲(報告書の写しを添付)
- 発注側で確認済みの事項——仕様の版、限度見本の版、検査基準に変更がないこと
- 求める回答の範囲——問題の記述、囲い込み、発生原因、流出原因、原因と対策の対応、変更の届け出と影響、効果の確認、横展開(後の表の 8 か所と同じ)
- 回答の期限——囲い込みの回答と、原因・対策の回答の 2 段に分ける
- 回答の様式——8D の書式でも自社の様式でもよいが、4 の項目がそれぞれ分かれていること
- 目の前の物の扱い——返品・手直しなどは別に連絡する旨
不適合報告書の側にどの欄を持つかは不適合報告書(NCR)に何を書くかで扱っている。要求書は報告書の番号を引いて作り、現象の記述を書き直さないようにする。書き直すたびに、数量や表現が少しずつずれていく。
期限を 2 段に分けるのは、囲い込みと原因究明で必要な時間がまったく違うからである。囲い込みは、仕入先の在庫や輸送中の分に不適合が混ざっていないかを確かめる作業で、次の納入より前に答えが要る。原因と対策は、調べてみないと分からない。1 つの期限にまとめると、囲い込みの回答が原因調査の完了まで待たされるか、原因の回答が急がされて浅くなるかのどちらかになる。具体的な日数は、品質の取り決めで決めた値を使う。
回答のどこを見るか——差し戻す 8 か所
回答を受け取ったら、書式や分量ではなく、次の 8 か所を順に見る。右端の列は、回答が 8D の書式で届いたときに該当する欄の目安である。8D の各欄を書く側がどう埋めればよいかは8D レポートの書き方と共有のコツに譲り、ここでは受け取る側が判断する点に絞る。
| # | 見る場所 | 通してよい回答 | 差し戻す回答 | 8D の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 問題の記述 | 数量・ロット・現象がこちらの報告書と一致 | 数量が合わない、現象を軽い表現に言い換えている | D2 |
| 2 | 囲い込み | 相手の在庫・仕掛・輸送中それぞれの数量と、確認の結果 | 「在庫を全数選別済み」だけで、輸送中や次の出荷分に触れていない | D3 |
| 3 | 発生原因 | なぜその状態で作れてしまったかを、確認の方法とともに | 「作業者の不注意」「教育不足」で終わっている | D4 |
| 4 | 流出原因 | なぜ出荷前の検査で止まらなかったか | 発生原因しか書かれていない | D4 |
| 5 | 原因と対策の対応 | 3 と 4 の原因それぞれに対策が付いている | 注意喚起や検査の強化だけで、原因と結び付いていない | D5 |
| 6 | 変更の届け出と影響 | 工程や材料を変えるなら事前に知らせ、他の特性への影響を確かめている | 工程変更を対策に書きながら、変更の連絡や影響の確認がない | D5〜D6 |
| 7 | 効果の確認 | 対策後のロットの測定データと、確認した期間 | 「対策実施済み」の一言だけ | D6 |
| 8 | 横展開 | 同じ工程・設備を使う他の品番まで見ている | 当該品番だけで閉じている | D7 |
1〜2:記述と囲い込みは、原因より先に見る
回答を開くと、つい原因と対策の欄から読み始める。だが最初に見るのは問題の記述である。こちらの報告書と数量が違っていれば、相手は別の現象を調べている可能性がある。原因の議論をいくら重ねても、対象がずれていれば噛み合わない。
囲い込みは、回答の中で唯一、次の納入に直接効く欄である。「全数選別済み」とあっても、選別した数、見つかった数、選別の方法(何を測ったか)が書かれていなければ、次に届く荷を信用する材料にならない。相手の在庫だけでなく、仕掛品、輸送中、すでにこちらへ納めて受入待ちになっている分まで範囲に入っているかを見る。
3〜5:原因が「人」で止まっていたら、もう 1 段聞く
発生原因が「作業者の確認漏れ」で止まっている回答は、差し戻してよい。確認漏れが起きた事実は正しくても、なぜその確認が漏れうる作りだったのか(手順に確認の工程がない、治具で位置が決まらない、表示が紛らわしい)まで行かないと、対策が「再教育」になり、担当者が替われば同じことが起きる。DSP Z 9008C の解説も、不適合の是正についての点検は、個々の不適合の当面の対策だけにとどめず、再発防止のための発生原因の究明の妥当性についても行う必要があるとしている[3]。
流出原因が書かれていない回答も差し戻す。発生を止める対策と、出荷前に止める対策は別物で、発生側の対策が効かなかったときの備えは流出側にしかない。原因の欄と対策の欄を横に並べ、原因ごとに対策が付いているかを線でつなぐように見ると、抜けが分かる。
6:対策そのものが、新しい変更になっていないか
対策が工程や材料、設備の変更である場合、それ自体が次の不適合の入口になりうる。QMS 省令は、購買情報に、購買物品等要求事項への適合性に影響を及ぼす変更を供給者があらかじめ通知することについて書面で合意した内容を含めるよう求め(第 38 条第 3 項)、是正措置が法令の規定等への適合性や機能・性能・安全性に及ぼす悪影響の検証を手順に含めるよう求めている(第 63 条第 2 項第 5 号)[2]。回答に「加工条件を変更」「材料を変更」と書かれていたら、変更の中身と、変更で他の特性に影響が出ていないことを確かめたかを聞く。
7〜8:「実施済み」は効果の確認ではない
対策を実施したことと、対策が効いたことは別の事実である。QMS 省令第 63 条第 2 項は、是正措置をとった場合の実効性についての照査を手順に含めるよう求めている[2]。効果の確認として回答に求めるのは、対策の前後で同じ特性を同じ方法で測ったデータである。次は、寸法外れの是正について、通してよい効果確認の書き方の例である(数値は説明のための例)。
| 区分 | 対象ロット | 測定数 | 規格外の数 | 実測の最大値(規格上限 20.05 mm) |
|---|---|---|---|---|
| 対策前 | 3 ロット | 150 個 | 7 個 | 20.09 mm |
| 対策後 | 3 ロット | 150 個 | 0 個 | 20.03 mm |
| 差し戻す書き方 | 記載なし | 記載なし | 「不適合なし」 | 記載なし |
規格外の数がゼロでも、最大値が規格の上限に張り付いていれば、対策は効いたというより当たりが良かっただけかもしれない。最大値や分布が書かれていると、この区別がつく。何ロットを見れば効果ありとするかは、要求書を出す時点で決めて伝えておくと、回答の側で後から決められずに済む。
横展開は、同じ原因が他の品番にも潜んでいないかを見る欄である。回答の対策が「当該品番の加工プログラムを修正」で閉じていたら、同じ設備で同じ加工をしている他の品番をどう確認したかを聞く。こちらに納めている他の品番が含まれていれば、こちらの受入検査の重点もそれに合わせて変えられる。
差し戻すときは、欄を指して足りないものを書く
差し戻しが「内容不十分のため再提出願います」だけだと、相手は何を足せばよいか分からず、分量だけ増えた回答が戻ってくる。差し戻すときは、上の表の番号で欄を指し、何が足りないかを書く。たとえば「4:流出原因の記載がありません。出荷検査で当該寸法を測定していたか、測定していたならなぜ検出できなかったかを記載してください」のように、答えるべき問いの形で書く。
差し戻しの回数と日付は、要求書の側に履歴として残す。回答の版が変わるたびに、どこが変わったかを相手に書いてもらうと、読み直す範囲が小さくなる。囲い込みの欄に不足がある場合は、原因の欄の差し戻しとは分けて、先に返答を求める。囲い込みの判断を原因の議論の決着まで待つ理由はない。
同じ不適合が再び出たら、前回の回答を開き直す
同じ品番で同じ現象が再び出たとき、新しい番号で要求書を出し直すと、前回の回答はそのまま閉じたままになる。DSP Z 9008C の解説は、同一又は同種の不適合が発生することは、有効であると判断された再発防止策が適切でなかったものと考えられるとし、不適合製品の発生量や再発状況によっては処置の決定を事前審査で行わず、監督官等を含む再審委員会に委ねることも考慮しなければならないとしている[3]。再発は、前回の回答を通した判断が誤っていた可能性を示している。
再発したら、前回の要求書を開き、どの欄を通したときの判断が甘かったのかを見直す。発生原因が浅かったのか、流出側の対策がなかったのか、効果の確認の期間が短かったのか。見直しの結果を新しい要求書に書き、前回の番号とつなげておく。判断する人も、前回より一段上の立場に上げる。同仕様書は本文でも、再審の記録の点検について、責任ある管理者が不適合を起こす原因に対する是正状況を定期的に点検するように定めることを求めている[3]。
QMS 省令第 63 条第 1 項が、是正措置を「発見された不適合による影響に応じて」とるよう求めている[2]ことも、ここで効いてくる。軽微な外観の不適合が 1 回出ただけで工程の全面的な見直しを求めるのは釣り合わないが、同じものが 3 回出たなら、影響の見積もりそのものが変わっている。監査で見つけた指摘を後から追う場合の段取りはサプライヤー監査のやり方で扱っており、不適合を起点とする是正とは入口が違う。
よくある質問
8D の書式で出してほしいと伝えたのに、自社の様式で回答が来ました
表の 8 か所がそれぞれ分かれて書かれていれば、様式の違いだけを理由に差し戻す必要はない。見るのは中身である。8 か所のどれかが混ざっていて読み取れない場合に、「発生原因と流出原因を分けて記載してください」のように、分けてほしい欄を指して差し戻す。
「原因は特定できませんでした」と回答されました
その回答だけで閉じない。囲い込みが続いていることを確かめたうえで、何を調べて何が否定できたのか、次に何をいつまでに調べるのかを回答させる。原因の特定に発注側の情報(組付け後の状態、使用条件など)が要るなら、こちらから提供する。QMS 省令が供給者と協力して措置をとるよう求めている[2]のは、この場面を想定すると分かりやすい。
回答の期限を過ぎても返ってきません
まず囲い込みの回答だけでも先に求める。そのうえで、期限を過ぎた事実と催促の日付を要求書の履歴に残す。回答の遅れが続く場合は、仕入先の評価に反映させる材料になる。どの項目にどう反映するかはサプライヤー評価の項目と点数化の設計の側で決めておく。
選別や調査にかかった費用も一緒に請求してよいですか
是正処置の要求書とは分けて扱う。費用を請求することと、支払う代金から差し引くことは別の論点で、取適法がかかる取引では、後者が代金の減額(第 5 条第 1 項第 3 号)に当たりうる[6]。どこまで求められるかは、先に挙げた費用の記事で扱っている。
小さな不適合でも、毎回同じ水準の回答を求めるべきですか
求めなくてよい。QMS 省令も、購買物品等の不適合への措置を不適合によるリスクに応じてとり(第 37 条第 5 項)、是正措置を不適合による影響に応じてとるよう書いている[2]。安全や法規に関わる特性、顧客に流出したもの、再発したものは 8 か所すべてを求め、社内で止まった軽微な外観の不適合は囲い込みと原因の簡易な回答で足りる、というように、要求の水準を先に段階で決めておくと、要求書を出すたびに迷わずに済む。
まとめ
是正処置の要求は、目の前の物の追完とは別に立てる。民法が用意しているのは物についての手当てで[1]、再発防止を求める根拠は品質の取り決めに置く。要求を出す前に、仕様の版、限度見本、検査基準の変更、了承した提案の 4 点を発注側で確かめ、原因がこちらにないことを先に示す[5]。
回答は、問題の記述と囲い込みから読み、発生原因と流出原因、原因と対策の対応、変更の届け出、効果の確認、横展開の順に見る。差し戻すときは欄を指して、答えるべき問いの形で書く。同じ不適合が再び出たら、前回の回答を通した判断を開き直し、判断する立場を一段上げる[3]。要求書を「原因と対策を報告してください」の 1 行で終わらせず、見る側の物差しを先に渡しておくことが、回答の往復を減らすいちばん確かな方法である。
出典・参考資料
- 民法(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
- 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
- 防衛省仕様書 DSP Z 9008C 品質管理等共通仕様書(防衛省/平成 22 年 5 月 18 日制定・令和 6 年 9 月 25 日改正)
- JIS Q 9001:2015 品質マネジメントシステム―要求事項(無料プレビュー)(日本規格協会/2015 年 11 月 20 日改正。追補 JIS Q 9001:2015/AMENDMENT 1:2025 が 2025 年 3 月 21 日に発行されている)
- 中小受託取引適正化法テキスト「下請法」から「取適法」へ(公正取引委員会・中小企業庁/令和 7 年 11 月)
- 製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(取適法)(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
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