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投稿日:2024年9月11日 | 更新日:2026年10月1日

不良品と不適合品の違い

はじめに

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製造業において、「不良品」と「不適合品」という言葉は頻繁に使用されます。しかし、これらの用語は似ているように見えても、実際には意味や管理方法が大きく異なります。この違いを理解することは、品質管理の精度向上や不具合の早期発見、さらにはコスト削減につながります。

不良品と不適合品の違い

不良品は「製品仕様や出荷基準を満たさず、出荷前の検査で排除される製品」であるのに対し、不適合品は「ISO規格・顧客要求・法令要件など特定の基準に適合しない製品」を指し、出荷後に市場で発覚するリスクも含む、より広い概念です。

この記事では、不良品と不適合品の違いを明確にし、それぞれの定義、種類、影響範囲、管理方法、さらには最新技術を活用した対策について詳しく解説します。
「不適合品 不良品 違い」「不具合品 不良品 違い」といったキーワードで検索される皆様にとって、現場で役立つ実践的な知識をお届けします。

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不良品とは

定義

不良品とは、製品仕様や出荷基準に適合しない製品を指します。具体的には、寸法が規定値を外れている、動作不良、外観の傷や汚れなどが挙げられます。
重要なのは、不良品は出荷前の検査段階で発見され、出荷を未然に防ぐことが求められる点です。

不良品の種類

不良品は一般的に以下の3つに分類されます。

  • 重大不良:製品の安全性や機能に重大な影響を与える不良。
    例:構造的な欠陥、動作不良、重大な安全リスク。
  • 軽微不良:使用には影響しないものの、品質基準を満たさない不良。
    例:小さなキズ、色ムラ、外観のわずかな欠陥。
  • 致命的不良:製品が全く機能しない、または使用不可能な状態。
    例:電源が入らない、主要部品の欠損。

管理方法

不良品の管理では、以下の手法が一般的です。

  • 検査工程の強化:初期段階で不良を発見し、最終検査の負担を軽減します。
  • 不良原因の分析:不良発生の原因を特定し、工程改善を実施します。
  • データ分析:過去の不良データを解析し、再発防止策を講じます。

不適合品とは

定義

不適合品とは、特定の基準や要件に適合しない製品を指します。この基準には、社内の品質基準、業界標準、顧客の要求仕様、法令要件などが含まれます。
不適合品は必ずしも「欠陥品」であるとは限らず、特定の規格や基準を満たしていない状態を意味します。

不適合品の種類

不適合品は主に以下の3つに分類されます。

  • 社内不適合:企業が定めた内部基準を満たさない製品。
    例:社内検査での寸法不一致、仕様書の逸脱。
  • 業界不適合:業界団体や規制基準に適合しない製品。
    例:法令違反、業界標準の安全基準未達成。
  • 顧客不適合:顧客の仕様や契約条件に適合しない製品。
    例:納品先の特定基準未達、カスタマイズ内容の不一致。

管理方法

不適合品の管理では、以下の取り組みが求められます。

  • 要求仕様の明確化:顧客や業界基準を明確にし、それに基づいて生産・検査を実施します。
  • 監査の強化:ISO基準に準拠した品質監査や第三者検査を実施します。
  • トレーサビリティの確保:製品の製造履歴や材料情報を追跡できるシステムを導入します。

▶ 調達・購買の視点

調達購買部門では、不良品はサプライヤーへの返品・代品手配で対処できますが、不適合品は顧客要求仕様や法令基準との不一致であるため、仕様確認プロセスの見直しや受入検査基準の再設定が必要です。発注時にISO 9001の「不適合品管理手順」を取引条件に含めることで、サプライヤーとの責任分界を明確にできます。

不良品と不適合品の違い

比較項目 不良品 不適合品
定義 製品仕様・出荷基準を満たさない製品 ISO規格・顧客要求・法令等の特定基準に適合しない製品
発生段階 製造工程・出荷前検査 設計・製造・出荷後のあらゆる段階
判定基準 社内の出荷検査基準(AQL等) ISO 9001・JIS規格・顧客仕様書・法令
管理部門 品質管理部門(QC) 品質保証(QA)・設計・生産管理・調達の複数部門
影響範囲 工場内で完結(出荷前排除) 市場出荷後のリコール・法的責任を含む
コストインパクト 廃棄・手直しコスト(内部損失) クレーム・返品・リコール費用(外部損失を含む)
ISO 9001での位置づけ 検査不合格品の一形態 8.7項「不適合なアウトプットの管理」で体系的に規定

📋 不良品・不適合品 判定の早見ルール

  • 出荷検査でNGになった → 不良品(社内基準との不一致)
  • 顧客仕様書・図面の要求値を満たさない → 不適合品(顧客要求との不一致)
  • ISO/JIS規格の許容範囲を逸脱 → 不適合品(規格基準との不一致)
  • 法令・安全基準に抵触 → 不適合品(法的要件との不一致)
  • 外観にキズがあるが機能・規格は適合 → 不良品(出荷基準のみ不適合)
ステップ 確認項目 判定
1 製品は出荷検査基準を満たしているか? NO → 不良品として隔離・手直し or 廃棄
2 顧客仕様書・図面の要求値を満たしているか? NO → 不適合品(顧客不適合)として是正処置
3 ISO/JIS等の業界規格に適合しているか? NO → 不適合品(業界不適合)として原因分析
4 法令・安全規制を満たしているか? NO → 不適合品(法令不適合)として出荷停止・報告
5 全基準を満たしている 合格品 → 出荷可

不適合が見つかった後の流れ——識別・隔離・記録・処置・是正

不適合品は、見つけた後の扱いが決まっていないと、良品と混ざって次工程へ流れたり、誰が処分を決めたのか分からないまま廃棄されたりする。見つかった場所が受入検査でも工程内でも出荷後でも、たどる段階はおおむね同じで、①識別、②隔離、③記録、④処置、⑤是正の 5 つに分けられる。

法令の条文にもこの並びが現れる。厚生労働省が医療機器などの品質管理について定めた「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」(QMS 省令)は、製品要求事項に適合しない製品を「不適合製品」と呼び、意図に反した使用や出荷を防ぐために識別し管理することを求めている。そのうえで、識別、不適合情報の文書、隔離、評価と措置の管理、それに関わる責任と権限について手順を文書にするよう定めている(第 60 条)[1]。JIS Q 9001 も、不適合なアウトプットの管理(8.7)と、不適合及び是正処置(10.2)を別々の箇条にしている[2]。前者は目の前の物をどうするか、後者は同じことを繰り返さないために何をするか、という役割の分け方である。

段階 目的 その場で決めること・残すもの 詳しく扱う記事
①識別 不適合品を良品と見分けられるようにする 現品票や色札で表示する。品番・ロット・数量と、見つけた日・場所を控える —
②隔離 誤って使われたり出荷されたりするのを防ぐ 置き場所(区画・棚)と持ち出しの権限。同じロットの在庫・仕掛品・輸送中の分をどこまで止めるか —
③記録 何がどの基準から外れたかを残す 不適合報告書(NCR)。基準値と実測値、対象のロット範囲 NCR の書き方
④処置 目の前の不適合品をどうするか決める 返品・手直し・再格付け・廃棄・特別採用のどれにするかと、決めた人 処置の決め方/特採の判断
⑤是正 同じ不適合を繰り返さない 原因の特定、対策、効いたかの確認。仕入先由来なら是正処置の要求 是正処置の求め方/8D の書き方

①識別と②隔離を、記録より先に済ませる理由

報告書を書き上げてから隔離しようとすると、その間に不適合品が使われてしまう。まず札を付けて置き場所を分け、数と場所を控えてから記録に移るのが順序になる。同じロットの在庫や仕掛品、輸送中の分まで止めるかどうかも、この段階で決める。

購入品には、もう一つ時間の制約がある。商人間の売買について商法第 526 条は、買主は受領した物を遅滞なく検査し、契約の内容に適合しないことを見つけたら直ちに売主へ通知しなければ、その不適合を理由とする追完や代金減額、損害賠償、契約解除を請求できないと定めている[3]。隔離して保全した現物は、仕入先に不適合を示すときの証拠にもなる。通知や返品には、商法・民法・取適法それぞれに期限があり、起算点も長さも違う[3][4][5]。期限を並べた表は不適合品の処置の決め方に、取適法の返品の可否は受領拒否・返品・やり直しの記事にまとめてある。

どの規定でも、見つけてから動くまでの時間が問われる。隔離と記録を後回しにする運用は、その時間を削る。

③記録には「どの基準から外れたか」を書き、推定原因は分けておく

記録の段階でよく起きるのは、現象と推定原因が一つの文に混ざることだ。「成形条件のばらつきによる寸法不良」と書くと、原因をまだ確かめていないのに確定したように読める。まず、どの図面・検査基準書のどの項目で、基準値に対して実測値がいくつだったかを書き、原因は別の欄に推定であると分かる形で書く。

取適法がかかる取引では、この書き方が後の扱いにも響く。発注時の委託内容の明示や検査基準があいまいで、納品物が委託内容と違うことがはっきりしない場合には、それを理由とする返品は認められないと公正取引委員会は説明している[5]。記録の欄ごとの書き方、ロット範囲や隔離場所の残し方は不適合報告書(NCR)に何を書くかで扱う。

④処置は選択肢から選び、誰が決めたかを残す

不適合品の処置には、仕入先への返品、要求を満たすように直す手直し、別の用途や等級に回す再格付け、廃棄、そして要求を満たさないまま条件を付けて使うことを認める特別採用(特採)がある。どれを選ぶかは、不適合の程度、安全や法規制への影響、顧客の承認が要るかどうかで変わる。不良品と不適合品で選ばれやすい対応の違いは後半の表に並べたが、実際にはどの条件でどれを選ぶかの手順を社内で決めておくことが要になる。

QMS 省令は出荷前の不適合製品について、見つかった不適合を除去する措置、本来意図された使用や操作ができないようにする措置、特別採用の下で使用や次工程・出荷を許可すること、のいずれか一つ以上で処理するよう定めている。あわせて、法令の規定等に適合しない場合は特別採用で処理してはならないこと、特別採用をしたときは許可した者を特定する記録を残すことも求めている(第 60 条の 2)[1]。医療機器以外の製造業に直接かかる規定ではないが、「法規制に反する物に特採は使わない」「許可した人を記録に残す」という線は、業種を問わず社内規程を作るときの目安になる。処置の選び方は不適合品の処置の決め方、特採を出してよい範囲と申請・承認の残し方は特別採用(特採)の判断と記録で詳しく扱う。

⑤是正は処置とは別に起こし、仕入先由来なら要求として出す

処置が済んでも、原因が残っていれば同じ不適合はまた起きる。是正は処置とは別の記録として起こす。QMS 省令第 63 条は、是正の手順で扱う事項を、起きた不適合の見直し(照査)から始め、原因を突き止め、再発を防ぐ措置が要るかを評価し、計画して実施し記録し、その措置が悪い影響を生まないか検証し、最後に効いたかを見直すところまで並べている[1]。

不適合品が仕入先から入ってきたものなら、是正は発注側が自分で進めるのではなく、仕入先に求めることになる。何を回答期限付きで求め、返ってきた回答のどこを見て差し戻すかは仕入先への是正処置の求め方に、仕入先が 8D 形式で回答するときの各欄の書き方は8D レポートの書き方と共有のコツにまとめた。処置を決める権限、是正の回答期限、費用の分担を取引の前に決めておく場所としては、取引基本契約の品質保証条項の記事が参考になる。

この①〜⑤を書類の上でどうつなぐかは、newji 実務書式パック②「受入検査・不適合処理」の第 2 章「不適合が出たあとの流れ」で、受入検査記録票から不適合報告書へ、そこから特別採用の申請・承認書や是正処置要求書へと記録が引き継がれる形として示している。現象と推定原因を別の欄に書く理由、隔離した現品の置き場所を必須の欄にする理由も、同じ章で説明している(無料サンプルあり)。

最新技術動向と対策

AI・IoT技術の導入

不良品と不適合品の管理において、AIやIoTの活用が進んでいます。AIを用いた画像検査システムは、不良品の早期発見を可能にし、人的ミスを削減します。また、IoTセンサーを利用することで、生産ラインの状態をリアルタイムで監視し、不適合品の発生を予防できます。

データ活用による統計管理

SPC(統計的プロセス制御)やビッグデータ解析を活用し、生産過程の変動を予測することで、不良や不適合が発生する前に対策を取ることが可能です。

トレーサビリティ強化

最新のデジタル技術により、原材料から最終製品までの全履歴を管理するトレーサビリティシステムが導入されています。これにより、不適合品の原因追跡や改善が迅速に行えます。

▶ 品質管理の実務ポイント

不良品と不適合品では対処フローが異なります。不良品は「発見→隔離→手直しor廃棄→原因分析→工程改善」の社内完結型フローで処理しますが、不適合品は「発見→記録(CAR:是正処置報告書)→根本原因分析(RCA)→是正処置→有効性確認→顧客報告」という流れで、ISO 9001 の 8.7項(不適合なアウトプットの管理)・10.2項(不適合及び是正処置)を踏まえて体系的に管理する企業が多くあります。

対応方法 不良品 不適合品
手直し・修理 ◎ ○
廃棄・スクラップ ◎ △
特別採用(特採) ○ ◎
是正処置報告書(CAR) △ ◎
顧客への報告・通知 — ◎
設計変更・仕様見直し — ○

◎ 最も一般的な対応 / ○ 状況により実施 / △ まれに実施 / — 通常は不要

結論

「不良品」と「不適合品」は製造業において品質管理の要です。それぞれの違いを理解し、適切な管理体制を整えることで、品質の向上やコスト削減、さらには顧客満足度の向上が期待できます。

さらに、AIやIoT、トレーサビリティ技術を活用することで、品質管理の精度を飛躍的に高めることが可能です。現場に合ったシステムを導入し、不良品・不適合品ゼロを目指しましょう。

出典・参考資料

  1. 医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  2. JIS Q 9001:2015 品質マネジメントシステム―要求事項(無料プレビュー)(日本規格協会/2015 年 11 月 20 日改正。追補 JIS Q 9001:2015/AMENDMENT 1:2025 が 2025 年 3 月 21 日に発行されている)
  3. 商法(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  4. 民法(e-Gov 法令検索(デジタル庁))
  5. 中小受託取引適正化法テキスト「下請法」から「取適法」へ(公正取引委員会・中小企業庁/令和 7 年 11 月)

不適合が出たあとの記録と判断を、欄のそろった様式で残す

この記事で扱った③不適合報告書(NCR)、④特別採用(特採)申請・承認書、⑤是正処置要求書(供給者向け)を含む、受入検査・不適合処理の様式 6 点と判断基準の解説です(NEWJI総研「newji 実務書式パック② 受入検査・不適合処理」)。各欄に何を書き、何を根拠にどう判断するかを、実務の順序に沿ってまとめています。

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