製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
製造業のマーケティングとは、商品やサービスを売るだけでなく、生産計画から販売後サポートまで製品ライフサイクル全体を視野に入れた社内外へのコミュニケーションを指します。
ビジネスの目標達成のために必要な情報を正しく把握し、自社の強みをアピールすることが重要になっています。
しかしながら、製造業では大量のデータが生産工程や在庫管理、販売数から集まっていても、意思決定に活かされることが少ないのが現状です。
そこで注目されるのがデータ分析技術の進歩によるビッグデータの活用です。
生産データから洞察を導き出し、営業・マーケティング力を高められるのではないかと期待されています。
例えば、機械メーカーA社では生産ラインから得た生産ログデータと、金融機関から提供された顧客データとを結合分析しました。
その結果、特定部品の生産量が多い期間は、同業他社からの受注が増加傾向にあることが判明。
さらに、売上高の良い顧客は一定期間ごとに商品を更新したり補修したりする傾向にあることも分かりました。
これらの知見を営業現場に活かし、特定期間に重点的に営業活動を行えば、受注増加が期待できる他、既存顧客の定期メンテナンスサービス提案も可能になりました。
生産データから顧客行動を予測できることで、競合他社に勝るマーケティング力が生まれたのです。
最近では、IoT技術を活用し生産設備にセンサーなどを設置し、稼働データを収集・分析する事例も増えています。
ある自動車メーカーは、生産ラインで使用するロボットアームに小型センサーを取り付け実装データを収集。
その分析結果から、特定機種でトラブルが生じやすい部品などを洗い出しました。
この知見を活かし、トラブル発生リスクが高い機種向けに定期点検契約の提案を行い、メンテナンス事業の新規受注につなげることができました。
IoT技術を活用すれば、従来計測不能だった微小データからも洞察が導け、マーケティングの場面はさらに広がっていきそうです。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。