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*2025年2月28日現在のGoogle Analyticsのデータより

電子部品における故障解析の進め方と不具合原因究明への取り組み方と要点・事例

目次
はじめに
製造業における電子部品の不具合は、製品の信頼性を欠く要因となるだけでなく、顧客の信用性にも大きな影響を及ぼすため、故障解析は極めて重要なプロセスです。
そのために一連の調査および解析が必要となり、原因究明を徹底することが求められます。
本記事では、電子部品における故障解析の進め方を具体的な事例とともに詳しく解説します。
故障解析のステップや、技術者が取り組むべき要点、また不具合原因の究明に向けてどのような方法があるのかを洗練されたプロセスと共にお伝えします。
故障解析の基本的なステップ
情報の収集と状況確認
故障解析の第一歩は、情報収集です。
ここで重要なのは、製品の使われ方や環境条件、そして製造工程に関する詳細なデータを集めることです。
顧客から提供される報告書やアクシデントの記録、製品の導入場所や使用条件の確認などを行うことが重要です。
また、故障に至るまでの挙動を再現するため、確認試験を実施することもあります。
失敗事象の分析
次に、収集したデータや製品の調査から、故障の内容やその兆候を確認し、表面的な現象だけでなく、根本的な要因に焦点を当てた解析を行います。
ここでポイントとなるのは、多角的な視点から失敗事象を分析することです。
不具合が発生するたびに、新たな情報が蓄積されますので、その都度、過去のデータとの関連性を探ることも大切です。
原因の特定と仮説の構築
原因特定の段階では、複数の可能性を考慮して仮説を立てます。
経験を基にした判断だけでなく、統計的手法や信頼性工学の技法を用いることで、より正確な予測を立てることができます。
例えば、FMEA(故障モード影響解析)を使うことにより、各段階での故障モードの発見と原因の特定を行うことができます。
実際の原因究明と対策の立案
仮説を立てた後は、仮説が正しいか検証を行い、可能な限り早期に確認作業を進めます。
最適なツールを選択し、必要に応じて再現試験を通じて原因究明を進めます。
また、この過程で対策案の立案も並行して進めておくことが求められます。
技術的な修正だけではなく、製造プロセスや設計に関する改善策の提案を行うことが重要です。
改善策の実施と再評価
故障原因が究明された後は、改善策を実施し、その結果を再評価します。
改善が顧客の要求に合致し、再発防止が確実になされているかを確認する必要があります。
そのために計画を立て、段階的に評価を行っていくことが重要です。
不具合原因究明への具体的事例と取り組み方
基板上のはんだクラックの事例
ある電子機器の基板上ではんだのクラックが頻発し、意図しない動作が発生する事例について取り上げます。
情報収集の段階で、製造時の熱管理や振動環境に関する問題が疑わしいことが分かりました。
そのため、資材選定から製造工程に至るまでの詳細な見直しが行われ、適切なはんだ材料の使用と、振動解析からの改善策が立案されました。
結果として、基板を含む全工程での品質改善が実現されました。
無線モジュールの通信障害の事例
無線モジュールの通信不良の原因究明においては、製品の使用環境が非常に重要な要素として浮かび上がりました。
複数の電波干渉源や、機器の設計変更による影響が重なっていることが判明し、徹底的な電波環境の調査と機器構造の再設計が行われました。
その結果、通信障害が劇的に改善され、顧客からの信頼を取り戻すことができました。
不具合解析の要点と成功への道筋
チームワークと専門的知識の活用
故障解析は一専門分野の力だけでは達成しづらく、多岐にわたる知識とスキルが求められます。
そのため、チームの連携や、各分野の専門家との協力が重要です。
例えば、電子設計、材料工学、製造工程の専門家が共に情報を共有し、迅速に対応策を考えることが欠かせません。
関係者とのコミュニケーションの徹底
顧客を含む関係者との情報交換を密に行うことで、故障解析の精度を上げることができます。
不具合が現場でどのように発生しているのかを正確に把握することから、的確な原因特定が可能となります。
その上で、顧客と具体的な改善策を共有し、合意形成に漕ぎつけることが必要です。
デジタル技術の導入
アナログな手法のみでは、複雑化する電子部品の不具合に対応しきれない場合があります。
そこで、AI解析やデータ管理技術を取り入れることで、より精度の高い故障診断が可能です。
これにより、人的ミスを軽減し、解析効率を向上させることができるため、導入を検討する価値があります。
まとめ
電子部品の故障解析は、原因の解明から改善策の実施と再評価まで、様々なステップを踏む必要があります。
失敗を恐れず、新技術の導入や多角的な視点を持つことで、製品の信頼性を向上させることが可能です。
また、実務においてはチームワークや専門的知識の活用、関係者とのコミュニケーションが成功の鍵となります。
故障解析は製造業における非常に重要なプロセスであり、この記事が皆様の職場で故障解析に役立つことを願っております。
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