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竹の紙を活用した商品開発のアプローチと業務提携方法

目次
はじめに ― 竹の紙が切り拓く新たなモノづくりの可能性
製造業の現場は、先進技術の導入や効率化ばかりが注目されがちですが、実際には素材選定や独自性の追求こそが企業価値を大きく左右します。
「竹の紙(バンブーペーパー)」は、近年サステナビリティの文脈で注目される新素材のひとつです。
環境配慮型商品や脱・森林資源依存のニーズ拡大で、「紙」市場でも大きなパラダイムシフトが起きようとしています。
本稿では、製造業に従事する方、バイヤー志望の方、サプライヤーとしてバイヤー視点で業界を捉え直したい方に向けて、竹の紙を活用した商品開発のアプローチと業務提携の方法、さらには実務現場でこそ意識すべきポイントを現場目線で詳しく解説します。
竹の紙とは何か?現場視点で見る素材の基礎知識と利点
竹の紙の特徴――伝統とイノベーションの融合
竹の紙は、その名の通り原料に竹を用いた紙です。
従来の木材パルプや古紙パルプとは異なる以下のような特徴があります。
– 竹は成長が非常に早く、3~5年で収穫が可能
– 抗菌性・消臭性など、竹特有の機能を持つ
– 比較的しなやかで、独自の風合いを持つ
– 森林資源の保護・CO2削減にも貢献
業務現場で特筆すべき点はその“調達の柔軟性”です。
国内では放置竹林問題が社会課題化しており、竹資源利用を進めることは地域活性や環境問題と密接に絡む現代的テーマとなっています。
竹の紙の品質と用途―実用現場でのチェックポイント
竹素材の紙は、オフィス用のコピー用紙やトイレットペーパーだけでなく、食品包材や高級和紙、包装資材や什器など、幅広い業界で進展が見られます。
現場で特にチェックすべきポイントは
– 耐久性と耐湿性:意外としっかりして組み立て用途にも適する
– 加工への対応力:製袋、パッケージ、印刷品質、ラミネートとの親和性
– 価格競争力:木材パルプ品より原価が高くなりがちなため、差別化やターゲット層の明確化が必要
従来の品質基準だけではなく、素材としての“ストーリー”や“サステナビリティ”が新たな付加価値となる点にも注目が集まっています。
現場起点の商品開発 ― 竹の紙で勝ち筋をつくるアプローチ
ターゲット設定と顧客価値の再設計
竹の紙で商品を開発する際、まず意識すべきは【従来商品の置き換え】ではなく、【竹素材ならではの文脈と価値創造】です。
たとえば
– 「エシカル志向のギフト&パッケージ」
– 「抗菌・消臭機能を活かした衛生用品」
– 「国内外観光客向けのジャパンクールな和テイスト雑貨」
など、ニッチかつ高付加価値領域から攻めるのが現実的です。
現場での失敗例として「竹の紙だから安くなる」と短絡的に判断して原価計算を怠ると、思わぬコストオーバーに陥る恐れがある点は要注意です。
プロトタイピングと検証体制の構築
昭和的な“トップダウンの一発勝負”ではなく、早い段階から小ロット・小規模な試作を繰り返し、「ベータ品」を社内外のターゲットにぶつけて反応を集めます。
実務現場の感覚として、
– 紙の厚みや色味、加工感を現物で必ず確認
– 実際に印刷、抜き加工、ラミネートなど多工程での品質変化を小ロットで確認
– 実用現場でのフィードバック(汚れやすさ、耐久性、ユーザー受け)
ラーニングサイクルを現場でしつこく回し続けることが中長期的なヒット商品につながるでしょう。
業務提携の現場知恵――メーカー・サプライヤー視点で成果を出す
バイヤーが本当に望む提携とは?
大手メーカーの調達現場に長年いて痛感しているのは「サステナビリティ志向」と「安定供給力“も”ある」というバランスへの強烈なこだわりです。
バイヤーが重視するポイントは
– 安定調達のための複数調達先確保
– サプライチェーン全体の可視化とトレーサビリティ
– 短納期・小ロット対応力と価格合理性
– 環境認証取得状況(FSCやエコマーク等)
業務提携では、ただ「竹の紙を扱っています」というだけでなく、
「竹の調達ルート」「工場の生産安定性」「品質トラブル発生時の対応フロー」などを、事前にロジカルに整理したうえで提案~交渉するのが現場感のある進め方です。
サプライヤー側が採るべき提案型営業の実践例
差別化を狙うサプライヤーは、新たな竹紙サンプルや事例だけでなく、
– “どんな課題解決に使えるか”というストーリー提案
– CO2算定シミュレーションなどエビデンス付き資料
– 加工・印刷・ロット変更にも柔軟に応じる姿勢
これらの“伴走型サービス”を備えておくことで、バイヤーから「一緒に育てたいサプライヤー」として認識されやすくなります。
現場でありがちな「他でダメだったから卸してください」的な受け身姿勢ではなく、ラテラルシンキング的に「まだ世にない価値・使い方」を提案することが強い差別化戦略につながります。
アナログ業界こそ、“竹の紙イノベーション”の実践フィールド
変化を阻む昭和型組織の「壁」と、その突破法
製造現場では今でも「うちは木材紙しか使わない」「既存業者で十分」のような保守的な判断が強いケースが多々みられます。
だからこそ、
– 実際の竹紙ユーザーの声や導入効果の事例を仕入れて現場に横展開
– 現場スタッフも巻き込んだサンプル配布会、体感イベントの開催
– SDGsやESG評価の社内向け啓蒙資料を自作・共有
一方的な理屈よりも、「実際の手触り」や「自社としての導入メリット」に落とし込むことで、昭和型現場でも確実に変化の端緒を作り出せます。
製造業バイヤー・サプライヤーの“共創型プラットフォーム”の模索
近年、異業種連携や地域連携による“オープンイノベーション”も拡がりつつあります。
竹の紙も、
– 林業組合×製紙企業×デザイナー
– 地域NPO×メーカー×官公庁
といった異能との連携で新たな市場が切り拓かれています。
自社単独だけでなく「共創」の視点でチームアップし、竹の紙を使った“文脈ごと提案”できるネットワークを作ることも今後の大きな差別化要因となるでしょう。
まとめ ― 竹の紙と現場知恵が製造業の明日を切り拓く
竹の紙を活用した商品開発は、単なる“素材置き換え”では意味がありません。
現場目線での「強みの再発見」「新たな価値の創出」、そして業務提携による“つながる”力が、これからの製造業には絶対に不可欠です。
アナログで保守的な現場こそ、竹の紙のような新素材の巻き込み力がカギになります。
世の中にはまだまだ、使いきれていない現場知恵やサプライヤーパートナーが無数に存在します。
現場を知り尽くした立場だからこそ、既成概念を超えた「勝ち筋」を開拓し、持続可能なモノづくりの新時代を一緒に築いていきましょう。
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