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複数購買先設定で単価比較を自動表示しコストダウンを実現するnewji手法

目次
はじめに~なぜ今「複数購買先の活用」が重要なのか
日本の製造業は、長年にわたり「信頼できる決まった取引先から調達する」ことが安定生産の基礎とされてきました。
確かに安定調達は重要ですが、昨今の原材料高騰・サプライチェーン混乱・人手不足等の外部環境変化の激しさは無視できません。
このような環境下で、コストダウン&サプライチェーン強靭化のためには「複数の購買先を設定し、都度最適な取引先から調達する」戦略へ舵を切ることが急務となっています。
とはいえ、現場には「複数の見積を取っても、どこが一番安いか手作業でチェックするのが手間」「見積比較や発注先選定が属人的」「そもそもITに明るい人材が少なくデジタル化が遅れている」といった課題も根強いでしょう。
こうした現実の壁を打破し、徹底したコストダウンと効率化を同時に実現する──それが「複数購買先設定+単価比較自動化」のnewji手法です。
複数購買先戦略の現場的メリット
見積を「複数」取り続けることがもたらす継続的コストダウン
一社依存型では値下げ交渉が進みにくくなりますが、複数購買先と関係を維持すれば、サプライヤー同士の競争原理が働きやすくなります。
発注金額や単価推移が見える化され、価格面で緊張感あるやりとりが継続できるのが大きなメリットです。
特に資材や部品単価の変動が激しい昨今では、見積データを蓄積し過去比較することで短期的な価格異常にも迅速に気づくことができます。
これは現場としても「なぜコストが上がったのか?」の根拠を仕入先と健全に議論できる材料になります。
調達リスクへの対応力が高まる
コロナ禍や災害等で「いつもの仕入先が供給できなくなった」など、緊急時のバックアップ体制づくりも複数購買先戦略の大きな強みです。
一社トラブル時もスムーズに他社へ切り替えが可能となり、ライン停止や納期遅延などの重大トラブルを最小化できます。
品質・納期対応も選べる時代へ
部材によっては最安値より品質や納期対応が重要な場合もあります。
複数の取り引き実績を蓄積していれば、コストだけでなく「どこが納期に強い・品質対応が優れている」という定量化評価が可能になり、得意領域ごとの最適発注先選択(いわゆる“ベストプラクティス調達”)が実現します。
アナログ現場の壁─なぜ「複数購買先+単価比較」は進まないのか
現場ヒアリングで見えてきた3大課題
1. 見積比較の手間が大きい
Excelファイルで各社見積を入力、手計算で比較せざるを得ません。
それも管理者個人が表計算式等をゴリ押しで運用している状況が多く、ミスや見落としリスクも高いです。
2. 社内標準ルールがなく、担当者ごとの属人化が顕著
同じ品目でも調達先がバラバラ、標準購買先とバックアップ先の使い分けルールも曖昧。
組織としてのノウハウ蓄積が進まず、担当者が変わると履歴や背景意図が引き継がれません。
3. 「人の目視」を前提とした業務プロセス
紙の見積書やFAXがまだ幅を利かせており、せっかく取得した価格情報が後で生きないことも多いです。
業界の“昭和的風土”が効率化を阻む
購買担当者が「安定」を最重視しがちなのは、他社より低価格で調達したい一方で「トラブル発生時の責任」を回避したいためです。
また、デジタル化は推進されつつあるものの、中堅~大手でも、ITツールを使いこなせる人材が現場に少ないまま。
「結局は紙と電話と対面コミュニケーション」という実態が強く残っています。
newji手法~複数購買先×単価比較自動表示の実践アプローチ
①データ一元化(購買先・単価・取引実績台帳)を作る
最初のステップは「何を、どこと、いくらで、どの頻度で取引しているのか」をシステムまたは管理表で一元管理することです。
これがないと、そもそも比較すべき購買先リストや過去単価情報そのものが整備されません。
小さな現場ならExcel一括管理から始めても良いですが、理想はSaaS型購買管理クラウドなど“誰でも・どこでも・同じ情報を参照できる”仕組みの導入です。
②購買品目ごとに複数見積取得ルールを徹底
「この品目は原則2社以上から見積を取る」というルールを標準化し、発注ごとに都度自動で見積依頼メールが発信される仕組みにします。
この際、定型テンプレによる依頼・見積一覧表作成を自動化すると工数を大幅削減できます。
③見積結果を自動で一覧化&最安値を瞬時に可視化
肝は「複数仕入先が出した見積単価を、システムが自動的に横並び表示」「自動で最安値・納期ベスト・品質クレーム率等で色分け表示」するロジックです。
ここで人手による入力・チェックミスが激減し、誰が見ても瞬時に「今、一番有利な購買先」が明確になります。
予算比較や長期平均単価グラフなども合わせて自動集計すれば、工場長や経営層にも即レポート可能です。
④発注実績・購買先査定情報の蓄積・活用
ただ単に「都度で最安」を追い続けるだけでは、仕入先との長期信頼関係が弱くなり逆に調達リスクが高まる可能性もあります。
そこで過去実績から「価格パフォーマンス」「納期対応力」「品質クレーム率」等を定量化し、点数化あるいは星マーク等で可視化することで、「安心の判断材料」となります。
人による主観だけでなく、データドリブンな発注判断ができるようになります。
中堅~大手製造業現場での「導入成功事例」
某大手自動車部品メーカーの事例ですが、全社的な複数購買先運用が行われていない部門において、newji手法を導入しました。
1年で下記のような成果が出ています。
– 年間調達コスト3%削減を達成(数千万円規模)
– 見積比較~購買先決定までの業務工数1/3削減
– 単発・長期取引ともに納期遅延・品質トラブル案件が大幅減
– 若手購買担当でも数値根拠に沿った購買判断が習慣化し、属人化脱却が進展
現場ヒアリングでは「細かな見積一覧表作成が自動なので本当に楽」「メーカー側に“他にも見積を取っています”と適度なプレッシャーをかけられるので価格交渉も優位に進む」「ペーパーレス化も進み、テレワーク対応もバッチリ」といった声が多く寄せられました。
サプライヤーの立場で考える「複数購買時代の対応策」
サプライヤー(仕入先)にとっては「他社と価格競争になる=利益圧迫」と身構えるかもしれません。
しかし逆に、「最適サプライヤー」として選ばれ続けるための変革チャンスとも言えます。
– 品質や納期等、単価以外の「付加価値」を分かりやすくアピール
– 見積依頼への迅速・的確なレスポンス
– バイヤーの課題・要望に一歩踏み込んだ提案
– 自社実績や納入事例・具体的な改善ストーリーの提供
バイヤーがシステムで客観評価する時代だからこそ、「貴社ならでは」の強みを数値やストーリーで伝え、「単なる安売り競争」ではない“真のパートナーシップ”を築く発想がますます重要です。
まとめ~内外の環境変化に強い組織体質づくりへ
複数購買先を設定し、単価や納期・品質を自動比較・見える化する仕組み作りは、「徹底したコストダウン」と「リスク対応力強化」という製造業現場の永遠のテーマに答えるものです。
昭和的「人頼み・紙頼み」から脱却し、データに基づく最適な調達判断を日常化することで、現場もバイヤーも、そしてサプライヤーもWin-Winとなる競争力強化が進みます。
ぜひ貴社でもnewji手法を参考に、「次の一手」に踏み出してみてください。
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