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貨物の結露被害を減らすコンテナライナーと乾燥剤の最適な組み合わせ

目次
はじめに ―結露被害が製造現場にもたらすリスク―
製造業のサプライチェーンにおいて、貨物輸送は最重要プロセスの一つです。
その中でも、特に船舶輸送や長距離トラック輸送で発生しやすい「結露被害」は、現場担当者にとって永遠の悩みの種となっています。
部品や原材料、完成品が輸送中の結露によって錆やカビ、機能不良などの被害を受ければ、顧客クレームや納期遅延、最悪の場合には商取引停止にまで発展するリスクが潜んでいます。
荷物に水濡れや変質リスクがあると、サプライヤーとしての信頼は一気に揺らぎます。
また、調達バイヤーの立場でも、「安心・安全・高品質な物流」が求められ、コストダウンだけでなく、リスクヘッジの観点からも結露対策は最重要課題となっています。
中堅・中小メーカーから大手まで、この課題は業界全体が直面しており、さらに近年はグローバル化や物流コストの高騰、エネルギー資源高など複合的な外部要因も重なっています。
この記事では、結露被害のメカニズムを整理しながら、現場目線で実践的な「コンテナライナー」と「乾燥剤」の最適組み合わせ方法について、昭和以前から続くアナログなトレンドとも照らしあわせながら深掘りしていきます。
結露被害が起こるメカニズムとは
温度差と水分が決定打になる
貨物結露は、一言でいえば「高い湿度が温度変化によって水滴化」する現象です。
とくに海上輸送や冷暖房未装備のトラック輸送で多発します。
たとえば、暑い東南アジアで積荷をしたコンテナが、冷えた日本の港に到着し、コンテナ内の空気が一気に冷やされると、空気中に含まれていた水分が露点を下回り、商品やコンテナ壁面に結露してしまうのです。
結露は肉眼でわかりにくい場合も多く、微細な水分が梱包材や製品表面に吸着し、長期的な錆びやカビ、機能不良の引き金にもなります。
実際の現場で起こるトラブル事例
たとえば、精密機械部品、自動車部品、電子基板、塗料や化学薬品、パルプや紙製品、穀物や粉体原料など、「水分が大敵な貨物」は業種を超えて膨大です。
しかも一見無害そうな段ボール紙や木製パレットも、湿気を吸うことで形が変形したり、緩衝材の強度低下や異臭発生につながる場合もあります。
製造現場の管理職としては、貨物のダメージが「出荷時の責任範囲か、輸送中の問題か」というトラブルシュートも厄介で、サプライヤー・バイヤー間の信頼感にヒビが入る要因にもなりかねません。
結露対策の王道――コンテナライナーと乾燥剤
なぜコンテナライナーが効果的なのか?
コンテナライナーとは、コンテナの内壁を覆う大型の内袋やカバーのことで、外部からの湿気や異物、コンテナ壁からの水滴移動を遮断する役割を持ちます。
素材は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの多層フィルムが主流で、最近では防湿性・強度・リサイクル性を兼ね備えた高付加価値タイプも普及しています。
「コンテナ内の大気を仕切る」ことで、輸送途中の温度差即応にも効果があり、食品や粉体原材料などバルク貨物の輸送ではほぼ標準装備となってきました。
乾燥剤との掛け合わせが主流
一方、乾燥剤(デシカント)も結露被害の対策では古くから用いられてきました。
多くの現場で「とりあえず段ボールの中にシリカゲルを入れておく」という対応が今も残っていますが、ここに課題が潜んでいます。
乾燥剤には、シリカゲル、クレイ(天然系)、カルシウム系など種類が多彩で、それぞれ吸湿容量や持続性が異なります。
「何グラム使えば十分なのか?」という問いにキチンと答えられる工場は意外に少なく、製品への影響、コストバランス、エコロジー設計の観点からも最適解を再考するタイミングが来ていると言えるでしょう。
組み合わせ最適化のためのポイント
貨物・輸送条件によるベストプラクティス
コンテナライナーと乾燥剤、それぞれの効果を最大化するには、貨物の特性・積載方法・輸送区間の環境(温度差と湿度)・梱包形態(防湿袋、パレット、段ボール等)に応じた“組み合わせカスタマイズ”が必須です。
現場の経験則として、例えば以下の点を重視しています。
– 長時間・長距離輸送(特に海上):30フィートコンテナなら、吸湿力1kg以上の乾燥剤を10パック以上。
– 湿度の高いアジア・南米航路:コンテナライナー+高性能乾燥剤を併用、多層フィルム型ライナーを採用。
– 精密機器や電子部品:個々の小箱毎にアルミ蒸着袋+乾燥剤封入とし、積載後にパレット全体をシュリンクラップ。
– 食品・化学品:バルク専用ライナー(フルライナー)+安全データシートに沿った規格乾燥剤の構成。
意外な落とし穴――現場起点のアナログ管理
現代でも根強く残る「現場の習慣」、たとえば「前年と同じ数量の乾燥剤を入れておけば安心」「倉庫で余ったフィルムをライナー代わりに使う」といった対応は、安全マージンが不明確であり、環境変化に追従できません。
昭和から続く“現場任せ”の対応は、実はコスト増や訴訟リスクの温床です。
きちんと輸送環境データを計測し、ベンダーと協議しながら「現状最適」のソリューションを選び直すべきなのです。
温湿度センサーロガーによる実測データ活用
最近では、輸送貨物と一緒に小型の温湿度ロガー(IoT対応)を同梱することで「本当に危ないのはいつ・どこか?」を可視化する企業も増えてきました。
このデータを用いて、ライナー有無・乾燥剤種類・投入量のPDCAサイクルを回すことが、次世代のベストプラクティスとなります。
現場・バイヤー・サプライヤーが抑えておくべき最新業界動向
サステナビリティ&コスト最適化の流れ
最近の業界動向では「エコロジー設計」と「物流コスト削減」が両立できるかどうかも重要テーマです。
リサイクル型のコンテナライナーや、生分解性乾燥剤といった地球環境負荷の低減を訴求するサプライヤーが増え、バイヤー側も「CSR・ESG調達」の一環として商品選定を強化しています。
また、乾燥剤の誤廃棄や空袋の再利用が違法となるケースもあり、現場のガバナンス強化や法規制対応もますます重要になってきています。
KL(知識と連携)の強化――部門横断型のリスク管理
従来は調達・生産・物流各部門が“縦割り”で動いてきました。
しかし、結露被害対策については、設計・調達・品質管理・生産・営業が横断的に連携し、現場のリアルな声を反映するチームづくり(いわゆる「フェイルセーフのシステム化」)が主流となりつつあります。
この「知識と連携」を高めることで、アナログからデジタルへの業務変革=スマートファクトリーへの第一歩にもつながります。
まとめ:差別化のための現場起点・戦略的結露対策を
結露被害対策は、ただの“コスト”ではありません。
調達購買、現場管理、生産技術、サプライチェーン全体の信頼性を底上げする=自社のブランド価値向上のカギとなります。
最適なコンテナライナーと乾燥剤の選定・組み合わせには、過去の習慣にとらわれず、個々の輸送条件と貨物特性に基づくデータドリブンな意思決定が求められます。
現場の“肌感覚”に加え、最新のセンサー技術や法規制動向もキャッチしながら、「アップデートされたアナログ力」を発揮しましょう。
バイヤーも、管理職も、サプライヤーも――“魅せる現場力”こそが、今後の製造業競争力の源泉となるはずです。
結露ゼロ化を、現場と経営が一体となって目指しましょう。
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