製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
製造業におけるグローバル調達は、原材料・部品調達先を低コスト国に拡大することで製造コストの圧縮を図る戦略として、既に定着している。
それに伴い、品質管理の課題も出てきている。
調達先国によっては、品質管理力や技術力の差異が生じていることがある。
また、品質基準や検査方法の違いから、調達商品の品質バラツキが生じやすい。
さらに、時差や言語・文化的な違いから、現場と本社間の動的な情報共有が進みにくい面もある。
加えて、新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により、調達先国の生産事情が急変するケースも出てきた。
工場の一時閉鎖などにより、供給計画が崩れるリスクが高まっている。
そこで、グローバル調達の品質管理対策としては、以下の点が焦点となる。
まずは、調達先工場と本社間でリアルタイムで品質データを共有できるITシステムの導入が必要不可欠である。
IoT技術を活用した検査結果管理システムや、品質基準への適合状況レポートシステムなどが考えられる。
次に、調達先工場の品質管理力向上のサポート体制を強化する。
例えば、本社の品質技術者による工場訪問や、品質教育を通じた共通理解の醸成が重要だ。
さらに、サプライチェーンの多面的リスクを見通す視点が求められる。
調達先1工場に依存しないバックアップ体制の確立や、必要に応じた調達先の多様化も危機管理の一環となろう。
このように、ITと人材力、そしてフレキシブルなシステム設計が組み合わさり、グローバルな品質管理が実現していくだろう。
製造業はさらなる生産性と品質向上を図るとともに、サプライチェーンをグローバル標準化していく必要がある。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。