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エンジニアが成果を上げる英語プレゼンテーション構成スライドデリバリー完全攻略

目次
はじめに:製造業エンジニアにとっての英語プレゼンの壁
製造業の現場で長年経験を積まれた方々にとって、技術や現場改善には自信があるものの、英語プレゼンテーションとなると足がすくむという声をよく耳にします。
それもそのはず、日本の製造業は海外と比べてまだまだ「現場志向かつアナログ色」が強く、英語で情報発信する文化は根付いていません。
しかしグローバル競争が激化する現在、英語での説明能力はエンジニアにとって必須スキルです。
商談、技術交流、国際標準化活動——そのどれもが英語力、そして「伝える力」に依存しています。
そこで本記事では、20年以上の製造業経験と現場視点をふまえ、「英語プレゼンテーションの本質」「成果を上げるスライド構成」「具体的なデリバリー(発表)のコツ」まで、最新の実務ノウハウを体系化してご紹介します。
なぜエンジニアの英語プレゼンが成果に直結するのか
デジタル化やグローバル調達の流れはもはや不可逆です。
海外バイヤーや多国籍チームとの会議、海外工場の監査対策など、現場エンジニアも容赦なく「英語で説明せよ」という場に放り込まれます。
この時、伝わらないプレゼンでは
- 自社技術の妥当性が理解されない
- 本来得られたはずの契約やプロジェクトが流れる
- 努力や工夫が評価されないまま終わってしまう
といった事態に陥ります。
逆に言えば、「相手の視点に立った、分かりやすい英語プレゼン」ができる人材は、国内外問わず高く評価されキャリアの幅も広がります。
現場の積み重ねや、泥臭い改善にも価値を与えられる——これこそエンジニアに必須の“武器”です。
成果につながる英語プレゼンテーションの三原則
英語が堪能でなくても、成果が出せるエンジニア型プレゼンには3つの原則があります。
1. ゴール(目的と求めるアクション)を明確にする
「何のために」「誰に」「何を決めてもらいたいのか」を自分の中で徹底的に整理しましょう。
発明品や改善策の技術的優秀さを並べるプレゼンほど伝わりません。
たとえば、
- バイヤー目線なら:「この材料コストをなぜ達成できるか」「どこに差別化要素があるか」
- 内部報告なら:「どこまで進行して何が課題か」「上司にどんな決断をしてほしいのか」
ストーリー開始前に“今日のプレゼンのゴール”を宣言し、オーディエンスを共通認識で導きましょう。
2. “Why—How—What”で組み立てる
エンジニアは「What(何をやったか)」に飛びつきがちですが、世界基準は「Why(なぜそれが必要か)」から始め、「How(どうやって実現するか)」→「What(結果やメリット)」で構成します。
事実、「なぜこうしたか」という根拠に納得があれば、多少英語がたどたどしくても、内容は十分通じます。
3. 図とデータで語る(言葉の壁をロジックで突破)
論理性と客観性。それは、技術系の国際コミュニケーションに絶対必要な視点です。
たとえば「不良率1/10に低減」と言っても、証拠となる前後のグラフ、施策の工程フロー、現場のビフォーアフター写真などがセットになって初めて納得を得られます。
言葉はあくまで“補助ツール”です。 EdrawやPowerPointの図解機能を駆使して、「見るだけで論点が分かる」資料を心がけましょう。
スライド構成:プロが実践する“鉄板”フォーマット
実際に成果を上げる英語プレゼンテーションのスライド構成をご紹介します。
このフレームワークは現場改善、製品開発、品質課題の報告など、あらゆる場面に応用できます。
Step 1:タイトル+目的宣言
タイトルで「今日の主題は何か」、目的宣言で「相手にどう動いてほしいか」を最初に明示します。
例:
- Cost Reduction Project Report
- Objective: To gain approval for the adoption of a new procurement method, which reduces annual material cost by 15%.
Step 2:課題(なぜ必要か/現状分析)

数値・図解を用い、そのまま外国人に見せても課題が明らかになるスライドを用意します。
例:
- Current cost structure breakdown (Pie Chart)
- Trend analysis of material cost over 5 years (Line Graph)
Step 3:解決策(施策とそのロジック)
「なぜそのアイデアが有効なのか」「他案との比較」まで記すことで、納得感が高まります。
例:
- Proposed Solution: Switching to Supplier B (Flow chart of process change, Comparison Table of Supplier A/B)
- Expected impact on the supply chain and quality control (Bullet Points with supporting data)
Step 4:実績・メリット
自慢話にならず、なるべく「客観データ+写真」を使いましょう。
例:
- Results after pilot implementation (Bar Chart showing defect rate before/after)
- On-site photos demonstrating improved process
Step 5:次のアクション・決定依頼
日本人は「何を決めてほしい」「どこまで進めて良い」と、淡白な指示にとどまりがちです。
むしろ
- “We would like your decision by (date)”
- “If this is approved, we can start the rollout from next month.”
というように、“行動を引き出す言葉”で締めることが大切です。
デリバリー(発表方法)の現場的ノウハウ
内容が完璧でも、話し方や見せ方で伝わり方は大きく変わります。
ポイントは以下3点です。
1. 「沈黙と間」を恐れない
「英語がすらすら出ない」「質疑応答が苦手」。
こうした不安は必ずあります。
しかし、沈黙は“考えながら対応している証し”でもあります。
大切なのは、焦って早口にならず、「1スライド1メッセージ」に納得をもって説明することです。
海外エンジニアの多くも、堂々と間をとっています。
2. “Jargon”を使いすぎない
専門用語を連発するよりも、なるべく平易な英語で“日本発の技術力”や“現場の工夫”を説明しましょう。
「カンバン方式」「ポカヨケ」「カエツケ(金型交換技術)」などの和製用語は、スライド下部に短い補足をつけておくと親切です。
3. 相手との双方向コミュニケーションを意識する
発表は一方通行ではありません。
- 途中で「Is this point clear so far?(ここまででご不明点ありませんか?)」と声掛けする。
- リアクションが薄ければ、「Let me explain from a different perspective.」と切り替える。
日本独特の“空気を読む”力を、グローバル戦略にも活かしましょう。
アナログ×グローバル時代の製造業にこそ求められる“伝える力”
日本の製造業には現場改善、熟練技能など“現場に根ざした強さ”があります。
しかし21世紀の競争では、その真価を「伝えきる力」こそが差別化の最大要因です。
英語プレゼンが苦手でも、論理構造と図解力さえあれば、伝えたいことは確実に届きます。
難しい文法やネイティブレベルを目指すより「相手への理解促進」にエネルギーを注ぐべきです。
まとめ:エンジニア流 英語プレゼン完全攻略でキャリアを切りひらく
昭和時代の“背中で語るものづくり”から、今や“確実に伝えるエンジニア”への転換期です。
英語プレゼンで成果を出すための本質は、
- 目的意識を軸に、ゴールを明確化
- Why—How—Whatの論理構成
- 図やデータを駆使したロジック重視
- 相手視点に立ったスライドと、落ち着いたデリバリー
という普遍の黄金律にあります。
日々現場で磨いてきた知見を、グローバルな舞台でも発揮したい、そんなエンジニア・バイヤー・サプライヤーの方々へ、この記事が新たな“成果の一歩”となれば幸いです。
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