製造業の購買担当者がAIにかわることってあり得るの?
製造業の品質管理と生産管理には、生産ラインから得られる膨大な生産データを分析して、問題点を発見し改善点を導き出す作業が不可欠です。
しかし、従来型の品質管理方法では十分な分析ができず、生産効率の向上や品質の安定性確保が課題となっていました。
私は現場での経験から、生産データの分析を利用した改善が強く求められていると考えました。
そこで、大学と連携して生産技術者経験者を対象にデータサイエンスの基礎を学ぶ研修プログラムを開発。
2年間のプログラムを通じて、現場ニーズに応えられるデータ分析人材の育成に取り組みました。
育成したデータサイエンティストを各工場に派遣し、実際の生産データの分析を通じて改善提案を行わせるシステムを構築しました。
この取り組みにより、従来見落とされていた小さな原因から生じる不具合も発見できるようになり、品質向上と生産効率の向上につながりました。
また、データ分析結果を具体的な改善点としてフィードバックできる人材の育成にも成功しました。
現場とデータ分析の間に壁がなくなり、両者の協働が図れる仕組みとなりました。
一方で、最近ではAI及びIoT技術を活用した最新の品質管理手法も注目されています。
私は研修プログラムのカリキュラムをAI分野へと拡張し、生産現場で得られるマシンデータや画像データから過誤品を予測判断するAIモデルの開発能力を身につけさせました。
またIoTセンサーを導入した生産設備からの高精細な実績データを分析基盤として活用する手法もイメージしました。
今後はこれら最新技術を活かし、更なる品質向上と生産性の向上を図れる体制作りが求められていくと考えられます。
データ駆動型の現場教育と人材育成が、製造業のデジタルトランスフォーメーションを支援していく一助となるはずです。
調達購買業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた購買情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。