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ドライヤーパート排気ダクト部材の詰まり問題

目次
ドライヤーパート排気ダクト部材の詰まり問題の本質を知る
なぜ「詰まり問題」が発生するのか
製造業の現場において、ドライヤーパート(乾燥装置)の排気ダクト部材が詰まりを起こす事例は決して珍しくありません。
特に紙・フィルム・食品・化学・自動車など、様々な分野の工場が抱える共通課題といえます。
詰まりが発生する原因は単純ではありません。
製品の粉塵や油分、繊維クズ、水滴、微細な原料の剥離、さらにはライン途中の条件変化など、多くの要因が複雑に絡み合っています。
加えてダクトのレイアウトや風速、使われている部材の経年劣化、さらには現場の運用ルールの不徹底など、「設計・運用・設備メンテナンスすべて」が問題発生のリスクを内包しています。
昭和期のアナログ管理から当たり前のように受け継がれてきた「日常点検頼み」「異常あれば都度ツールで掃除」「誰かが見つけて処置」という”場当たり的措置”が根強いため、根本解決に至らず同じトラブルが“風物詩”の如く繰り返されています。
ドライヤーパートの排気ダクト部材 詰まりがもたらす罠
たかが詰まり、されど詰まり。
起こる度に手を止めて清掃作業、最悪の場合は生産停止。
それだけではありません。
詰まりは設備の耐久性やランニングコスト、さらには品質管理面でも工場全体に負の影響を及ぼします。
排気能力の低下は熱効率低下、製品の不良(乾燥不足、工程途中での結露、異物混入など)、エネルギー消費増大を招きます。
また定期・突発メンテナンス費用や、清掃による人件費、部材交換コストがボディブローのように累積します。
突発停止やレスポンスタイムが遅れれば、納期遅延リスクやクレーム発生の確率が跳ね上がり、現場だけでなく営業・調達部門にまで波及していきます。
設備トラブルの連鎖は「ものづくり」の信頼基盤を根底から揺るがせます。
これらのリスク・ロスを最小化するには、事象の“本態”を正しく認識し、部分最適にとどまらず、サプライヤー・バイヤー双方の視点から本質的改善を図ることが重要です。
現場視点から考える、詰まり問題の発生現場と発見タイミング
ダクト部材の詰まりはどこで生まれるのか
詰まりの多発ポイントの多くは、ダクトの曲がり部分、減速・加速が起こる断面変化点、ダンパー周り、または部材接合部周辺です。
結露が生じやすい温度低下部分や断熱不十分な個所、フィルタ設置部周辺も「危険個所」となります。
工場によっては、「○○号ラインのダクトは半年に1度、××機種は3ヶ月に1度必ず詰まる」、「夜勤明けによくアラームが鳴る」など、不具合の前兆が“なんとなく”共有されているところも珍しくありません。
この「なんとなく」「暗黙知」に頼ったまま対策を先送りにしてしまうと、いずれ構造的なトラブルとして大きなしっぺ返しを受けてしまいます。
発生タイミングには製造条件も密接に絡む
生産品種の切替時や量産急増時、メンテナンス後の初期稼働、高温環境下や多湿期など、詰まりが目立つ時期・条件は現場ならではの“肌感覚”があります。
長期間連続稼働している時は目立った不具合が出ないにも関わらず、ちょっとした製造条件の変化(原材料の規格外・湿度・作業者交代)で一気に詰まりが進行、ライン異常停止まで至るケースも散見されます。
なぜ、詰まり問題は根絶されないのか──業界構造と運用の現実
工場特有の「見て見ぬふり」文化の蔓延
昭和期からの工場運用では、「トラブルは都度対応」「仕様通りダクト設置しているなら問題ない」「定期点検している(つもり)」という“前提”がのさばってきました。
現場担当者の「忙しい」「本来業務以外のため手が回らない」「異物残渣は掃除で済ます」など、人的リソースや役割意識もトラブル恒常化の一因となっています。
タグアウト(安全確認)、作業用ハーネス装着、脚立の準備と手間もかかるため、“どうせまたすぐ詰まるなら今回はアラームリセットだけ対応……”という、本質を伏せた暫定対応に流れてしまいがちです。
サプライヤーとバイヤーの“真のユーザーニーズ”認識ギャップ
設備業者・部材メーカー(サプライヤー)はスペックやコストを追求してくる一方で、本当に現場で発生している詰まり要因、現実的な清掃のしやすさ、メンテナンス性、数年後の運用まで考慮しきれていない場合が多々あります。
一方バイヤー側はコスト低減やリードタイム重視により、“詰まりにくい構造・素材”“分解のしやすさ”といった「見えにくい付加価値」を要件定義しきれず、“その場しのぎの選定”に陥りがちです。
ここが多くのダクト詰まりトラブルが「再現され続ける」大きな本質、つまり「業界構造上のワナ」とも言えるでしょう。
真に価値ある詰まり対策とは──今すぐできる3つの視点
1)現場ヒアリングの深掘りで「事実」と「本音」を洗い出す
日々清掃・巡回している作業員の声、保全担当者の履歴を徹底的に洗い出しましょう。
「どこが詰まりやすいか」「どの製品・時間帯で多いか」「清掃しやすさ、辛さ」「点検の手順や抜けモレ」「なぜ後回しにしたか」まで、生の言葉を集めて見える化することが第一歩です。
例えば、「この部材のここだけビス取り外しが面倒」「脱着が重いので1人ではついつい省略してしまう」といった現場のリアルを拾い上げます。
2)ダクト形状・材質・フィルタの再検証で「見えないリスク」を最小化
既設ダクト・部材をサーモカメラ、内視鏡カメラ、粒子計測器などで詳細分析し、詰まり箇所の“構造的ボトルネック”を特定します。
曲部・段差・断熱未処理部・フィルタやダンパーの耐久性を客観的視点で見直し、「分解清掃のしやすさ」「高耐久・低付着素材化」「クイックロック方式」への更新が、詰まり発生リスクと工数低減の両立への道となります。
また、設計段階でのCFD解析(流体シミュレーション)を用いて粉塵や水滴の堆積ポイントを抽出、レイアウト刷新につなげる提案ができれば、バイヤー・サプライヤー双方の評価は格段に高まります。
3)IoT・DXの活用による「予知保全」と「省人化」
昭和の“感覚頼み”から、今は「見える化」「データ活用」へと時代は進化しています。
差圧センサーや温湿度ロガー、PLC(シーケンサ)と連動させれば、ゴミ・粉塵の堆積量異常上昇をリアルタイム監視し、詰まり直前の“兆候”をピンポイント検知できます。
これにより、計画的メンテナンス実施&人員ロス最小化、再発防止サイクルの構築が現実的になります。
積み重ねたデータは、バイヤーの評価基準・スペック指標にもなり、将来の設備投資・新規部材選定にも役立ちます。
バイヤー・サプライヤーの連携戦略で詰まり問題を根絶せよ
「目の前のコスト」から「5年後の価値」へ思考転換を
短期の部材コストや従来踏襲の“ルーチン運用”に縛られず、設備使い手(現場作業者)・メンテ担当・生産技術・調達・設計──異なる視点を有機的に結びつけることが、工場の体質改善には絶対不可欠です。
部材単価の数%削減より、停止生産ロスや清掃工数、将来のトラブル損失を最小化するトータルコスト発想、そして実運用者の「使い続けたい」「再発しにくい」納得感創出に、もっと資源を投じるべき時代です。
現場×技術×調達で「攻め」と「守り」の好循環を
ドライヤーパート排気ダクト詰まり問題は“面倒、仕方ない”で済ませていい存在ではありません。
現場感覚・設計技術・調達ノウハウを融合させ、「詰まりに強い設備」「運用省力化」「異常の“見逃さない化”」を実装するため、部品選定段階から全社一丸でPDCAを回していくべきです。
「詰まってから掃除」でなく、「詰まりにくい」部材、「詰まりそうな兆候」を検知できる体制、「詰まる前に掃除できる」省人化清掃ツール、といったラテラルシンキング(横断的思考)で新たな地平を切り拓くべきタイミングです。
業界全体で“昭和の常識”から抜け出し、真に価値のある、未来志向の排気ダクト部材管理を現場起点で実現しましょう。
まとめ
ドライヤーパート排気ダクトの詰まり問題は、現場の安全・コスト・品質・設備寿命に直結する重大課題です。
一つひとつ現場の声やデータに耳を傾け、新たな仕組みと視点で「だれもがやりたい改善」を進めていくことが、製造業従事者・バイヤー・サプライヤーの三者全体の幸せにつながると信じています。
「詰まり問題、いまこそ根本から変えていきませんか?」
皆さんの現場で、地道な一歩から実践いただければ幸いです。
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