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進化型QFDによる設計情報の効率的活用とFMEA・DRBFM・品質工学・TRIZの応用

目次
進化型QFDの基本概念とその重要性
進化型QFD(Quality Function Deployment)とは、製品やサービスの設計工程において顧客の要求を効率的に取り入れ、その情報を基に設計段階から開発、製造、さらにはアフターサービスに至るまでの統一的な品質管理を実現する手法です。
製造業の現場では、顧客の要求を正確に捉え、それを製品仕様に反映させることが極めて重要です。
進化型QFDはこれを効率的に行うためのフレームワークを提供してくれます。
近年の製造業では、製品ライフサイクルが短縮し、顧客のニーズも多様化しています。
このような環境の中で、進化型QFDは、顧客の声(VOC)を迅速かつ正確に収集し、その情報を各部門に一貫して伝達するためのツールとして重要性を増しています。
そのため、製造業においてこの手法を取り入れることは、競争力を高める一つの手段となります。
進化型QFDによる設計情報の効率的活用
進化型QFDを活用することで、初期の設計段階から必要な情報を正確に集め、それを設計や開発に生かすことが可能です。
進化型QFDのプロセスでは、まず顧客の要求事項を明確にし、それを製品の品質特性に変換します。
次に、これらの品質特性を開発部門や製造部門で具体的な技術仕様として詳細化し、それに基づく製品設計を行います。
このようなプロセスによって、設計段階から製品の品質向上に寄与することができます。
情報の効率的な活用のためには、部門間のコミュニケーションが重要です。
進化型QFDを組織内で効果的に活用するためには、各部門の担当者が一堂に会して情報を共有し、進行を確認する場を設けることも大切です。
こうした場において、進化型QFDの手法を通じて生成された情報を元に、各部門がどのように動くかを明確にすることで、設計情報の効率的な活用が可能となります。
FMEA・DRBFMの応用によるリスク管理
進化型QFDを取り入れた設計プロセスでは、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)やDRBFM(Design Review Based on Failure Mode)といった手法がリスク管理の重要な役割を果たします。
FMEAは、製品の設計や工程に潜む潜在的な故障モードを事前に予測し、その影響を評価する手法です。
これにより、事前にリスクを発見し、対策を講じることで製品品質を向上させます。
一方、DRBFMは製品の設計変更などに伴って発生するリスクを評価し、設計変更がもたらす影響を詳細に検討する手法です。
特に、設計変更が頻繁に行われる製造業の現場では、この手法を用いることで後工程での不具合発生を未然に防ぐことができます。
FMEAとDRBFMを組み合わせることで、リスクを的確に管理し、高品質な製品を市場に提供することができるようになります。
品質工学の活用による設計の最適化
進化型QFDによって得られた顧客の要求や設計情報を基に品質工学の手法を適用することで、設計の最適化が可能です。
品質工学は、品質を高く保ちながらコストを最小限に抑えるための手法として日本でも多くの企業が取り入れています。
田口メソッドとも呼ばれるこの手法は、パラメータ設計と呼ばれる実験計画法を用いることで、製品の品質を最大化しつつ、製造コストや製品のロバスト性を向上することを目的としています。
品質工学は、製造工程や設計プロセスの中で多くの要因が絡み合う中で、効率的に設計の最適化を図ることができます。
特に競争が激しい市場においては、その品質工学を活用することにより、他社に先駆けて高品質な製品を提供することが可能となり、企業の競争力を大きく向上させることができます。
TRIZによる革新的な問題解決
TRIZはロシア生まれの理論で、革新的な問題解決を支援する方法論として知られています。
TRIZは、多種多様な発明や特許から抽出された革新の原理を活用し、新たなアイデアを生み出すための指針を提供します。
製造現場では、進化型QFDを基に得られた情報をTRIZの問題解決手法で分析することで、設計上の課題に対する革新的な解決策を見つけ出すことが可能です。
TRIZは特に、従来の手法では解決が難しいとされている矛盾解決において非常に有効です。
製造業においては、しばしば高性能かつ低コストといった一見相反する要求が課されますが、TRIZではこれを「技術的矛盾」と呼び、革新的な解決策を導くための方法論を体系化しています。
TRIZを活用することで、製品開発のプロセスを効率化し、他社との差別化を図ることができます。
まとめ
進化型QFDを活用することで、製品開発の初期段階から顧客のニーズを正確に取り入れ、それを基に製品設計から製造、さらにはアフターサービスまで、一貫した品質管理を実現することが可能です。
また、FMEAやDRBFMを応用することで、設計や工程に潜むリスクを管理し、品質工学やTRIZによって最適化と革新的な問題解決を図ることで、製品の競争力を大いに高めることができます。
これらの手法を組み合わせることで、製造業の進化と発展に寄与することができるでしょう。
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