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トラブル撲滅のためのFMEA/FTAの進め方と効果的な活かし方

目次
FMEAとFTAの基礎知識
FMEA(Failure Mode and Effects Analysis: 故障モード影響解析)とFTA(Fault Tree Analysis: フォールトツリー解析)は、トラブル撲滅のために用いることができる重要な手法です。
製造業において、これらの手法を適切に取り入れることで、不良品の発生を未然に防ぎ、効率的な生産を実現することが可能です。
FMEAの基本的な進め方
まず、FMEAでは、製品やプロセスに潜在する故障モードを特定し、その影響を評価します。
この解析によって、リスクの最も高い領域を特定し、対応策を講じることができます。
1. **システムの分解と機能の理解**
最初のステップは、解析対象となるシステムを理解し、それを構成要素に分解することです。
各要素がどのように機能し、全体にどのように寄与するかを確認します。
2. **故障モードの特定**
各構成要素について考えられる故障モードを洗い出します。
ここでは過去の経験やデータを活用し、できるだけ多くのポテンシャルな故障モードを列挙します。
3. **影響の評価**
故障モードが発生した場合のおそれのある影響を評価します。
影響の深刻度、故障モードの発生確率、故障発生後の検出難易度を考慮し、総合的にリスクを評価します。
4. **優先順位の設定と対策の検討**
評価したリスクをもとに、対応が必要な故障モードの優先順位を決定します。
その後、リスクを軽減するための具体的対策を検討し、実施の計画を立てます。
FTAの基本的な進め方
FTAは、問題の発生原因を階層的に構造化することで、システム全体の信頼性を向上させる手法です。
1. **トップイベントの特定**
まずは、安全性や信頼性を損なうような重大な故障状態、つまり「トップイベント」を特定します。
2. **フォールトツリーの構築**
トップイベントの発生原因を「AND」「OR」のゲートを使いながらツリー状に階層的に表現します。
この過程で、潜在的に問題を引き起こすサブシステムや要素を明らかにします。
3. **原因の分析と対策の検討**
ツリーを分析し、対策を施すべき重要な原因を特定します。
その後、原因を除去するための対策を検討します。
FMEAとFTAの組み合わせによる効果
FMEAとFTAを組み合わせることで、製造業におけるリスク管理は一層効果的になります。
FMEAで潜在的な故障モードを特定し、リスクの高い部分に対策を講じる一方で、FTAで体系的に原因を解き明かし、構造的な改善を図ることで、トラブルの根本的な撲滅を目指します。
FMEAとFTAの相互活用のメリット
1. **トータルな視点でのリスク管理**
FMEAで細かい要素の故障モードを洗い出し、FTAでシステム全体の構造を理解することで、局所的な問題と全体的な構造問題の双方に対応可能となります。
2. **体系的な原因分析**
FTAは問題の原因を体系化しますが、FMEAで得られた故障モード情報を組み合わせることで、より具体的な原因分析が可能になります。
3. **効率的な改善策の策定**
FMEAで優先順位を付け、FTAで全体構造を押さえることで、改善策は迅速かつ効果的に実施されることが期待できます。
FMEAとFTAの活用事例
実際の現場では、FMEAとFTAは製品開発から量産まで様々な段階で活用されています。
– **製品開発段階**
新製品のコンセプト設計時にFMEAを用いて潜在的な問題を洗い出し、FTAによって信頼性を確保する構造的検証を行います。
– **プロセス設計段階**
プロセス設計時にもFMEAを適用し、故障モードを検出。
さらに、FTAでプロセスの安定性をチェックします。
– **量産段階**
量産時は、予期せぬトラブルが発生した際にFTAを用いて迅速に原因分析を行い、FMEAで考慮したリスクに基づき、迅速な改善策を講じます。
抵抗勢力の克服と成功へのステップ
製造現場でこれらの手法を導入し、定着させるにはさまざまな抵抗を克服する必要があります。
人材育成と意識改革
1. **教育とトレーニングの実施**
FMEAやFTAの技術的理解だけでなく、その利便性や効率性を実感させる教育が重要です。
具体的な成功事例を用いることで、社員のモチベーションを高めます。
2. **意識改革**
「トラブルは起こってから考える」という昭和的な意識を変え、「未然に防ぐ」ための役割としてFMEAとFTAの重要性を伝えます。
経営層の理解と支援
トップダウンアプローチが効果的な場合も多いです。
経営層にFMEA/FTAの重要性を理解してもらい、全社的な取り組みとして推進する支援を得ます。
継続的な改善のサイクル
改善の継続こそが、FMEA/FTAの効果を最大限に引き出すカギです。
PDCA(計画・実行・確認・改善)サイクルを回し、既存のFMEA/FTA結果を定期的に見直すことで、常に最新の状況に適した対策を講じることが可能です。
結論
FMEAとFTAは、製造業においてトラブルを未然に防ぐための強力な手法であり、その組み合わせによりさらに効果を高めることができます。
導入や運用には知識やスキルが必要ですが、それに見合った成果が得られます。
これらの手法を正しく活用し、継続的な改善を続けることで、ますます高度な品質管理と生産効率を実現し、競争力を強化することができます。
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