- お役立ち記事
- ポカミス予防とルール指導で部下のやる気を引き出す実践法
月間93,089名の
製造業ご担当者様が閲覧しています*
*2025年6月30日現在のGoogle Analyticsのデータより

ポカミス予防とルール指導で部下のやる気を引き出す実践法

目次
はじめに:ポカミスはなぜ起こるのか?
現場のヒューマンエラー、通称「ポカミス」は、どれほどベテランの社員でも、つい繰り返してしまうことがあります。
そして、その発生源や背景には、単なる不注意だけでなく、組織文化や仕組み、ルール理解の不徹底など、深い要因が根付いています。
昭和時代から続くアナログ的な業界体質も、ポカミスが根強く残る一因かもしれません。
部下のやる気を引き出しながら、新たな時代に適合した実践的ポカミス予防策とルール指導のあり方を、現場目線で探っていきます。
現場で頻発するポカミス―3つの本質的要因
1. 心理的安全性の欠如
ポカミスの多くは、部下が「ミスをしたら怒られる/評価が下がる」と感じている職場で増加する傾向があります。
叱責文化が根強く残るアナログ業界では、ミスを隠したり報告が遅れたりし、さらなる問題に発展しがちです。
2. 仕組み・ルールの形骸化
現場独自の「暗黙の了解」や、「みんながそうしているから」という根拠のない慣習も、ルール違反や手順飛ばしの温床になります。
また、標準作業手順書(SOP)があっても、使われていなかったり、時代遅れだったりすることが原因です。
3. 現場コミュニケーションの不足
製造現場は一人ひとりの動きが全体品質を左右します。
しかし指示や注意喚起、ノウハウの伝達が十分でなければ、勘違いや確認漏れが起きます。
この地道なコミュニケーションの積み重ねが、実はポカミス予防の本質です。
ポカミスをゼロに近づける「仕組み×人」の実践的アプローチ
A. 「失敗できる安心感」を職場に作る
部下が気兼ねなくミスを共有できる空気をつくることは、ポカミス撲滅の最初の一歩です。
工場長やリーダーが「ミスを責めず、再発防止を一緒に考える」姿勢を示すことで、部下は積極的に改善提案をするようになります。
ポイントは、「失敗」ではなく「改善」を評価する視点です。
たとえば、ヒヤリハットの報告件数が増えた場合、それは危険が増したサインではなく、「問題が見える職場」へ変化している証拠です。
B. ルールの「なぜ」を丁寧に伝える
指示やルールは「守るべきもの」として押し付けるだけでは現場に定着しません。
たとえば非鉄金属の工程であれば、特定の着衣や備品を使う理由、なぜこの順序で作業が必要かなど、その「背景」や「根拠」まで説明することが重要です。
現場目線で言えば、作業手順書に「赤丸でここに注意」と書くだけでなく、
「なぜ赤丸箇所に注意すれば不良率が下がるのか」を具体的に解説する。
これが実践レベルのルール指導です。
C. 「見える化」と「作業標準化」でミスの芽を摘む
現場には熟練スタッフによる“見えないノウハウ”が多く存在します。
これらをチェックリストやフォーマット、写真付きの作業手順に見える化し、誰がやっても同じクオリティが出せる状態を目指します。
また、「ここでポカミスが起きやすい」という要注意ポイントを整理し、現場カンファレンスや朝礼で都度注意喚起することで、全員の意識レベルを保つことができます。
部下のやる気を引き出す “ルール指導”のコツ
1. 個々人の強み・弱みを活かす個別指導
現場スタッフの性格や適性は千差万別です。
細かい作業が得意な人もいれば、保守的で慎重なタイプもいます。
部下一人ひとりの特徴を掴み、その人に合わせた伝え方、任せ方を考えて指導します。
たとえば「前工程で必ずロットNoをダブルチェックする」というルールがあれば、ミスしやすいスタッフには
「このチェックが全体不良を減らす最重要ポイントだよ」と丁寧に伝えることで、納得感と責任感が芽生えます。
2. 指示ではなく “気づきを促す質問” を使う
「アレをやれ」「コレをやるな」といった指示ではなく、
「この工程でミスしやすいポイントは何だろう?」
「どこに注意したら不良が減ると思う?」
こういった問いかけで、部下自身に原因や対策を考えさせることで
主体性とやる気を引き出すことができます。
現場で有効なのは、指摘→質問→議論のプロセスを回すことです。
指導者は「教え育てる」というより「一緒に考え、気づきを引き出す」存在として、部下に寄り添います。
3. 成長をしっかり“見える形”で評価する
ルールを守れた、ミスが減った、改善提案をしたといった行動は、必ず現場でフィードバックや表彰を行いましょう。
たとえば改善提案発表会で優れた意見を表彰したり、朝礼で全員の前でちょっとした成果を紹介する。
小さな成功体験の積み重ねが、部下のやる気・自信に直結します。
「業界の悪しき習慣」から脱却するために必要なこと
属人化打破とデジタル化のすすめ
日本の多くの製造業は、「長年の勘や経験」「ベテランの口伝」が根強く残っています。
この“属人化”は、ミス予防やルール運用を阻害する最大要因のひとつです。
現場で得られた知見や改善案を全社共有し、デジタルツール(データベースやAI活用など)と組み合わせていくことが必要不可欠です。
現場主導のカイゼン文化を根付かせる
リーダー主導や本社主導のトップダウンでは、現場はなかなか動きません。
現場メンバー自らが、不具合の発見から対策・実践までを担えるような「現場主導のカイゼン文化」を根付かせることが重要です。
この基盤ができて初めて、昭和の体質から一歩先に進むことができます。
購買・バイヤー、サプライヤーの現場でもポカミス予防をどう活かすか
バイヤーの視点:取引先と「共創」する仕組みづくり
サプライヤー管理においても、「ミス=サプライヤーの責任」ではなく、発生した背景や現場のルール運用に立ち戻る姿勢が重要です。
品質トラブルが発生した際は、一方的に責めるのではなく
「なぜ起きたのか、どこに業界の悪しき習慣や形骸化したルールがあったのか」
を一緒に見つめ直すことが、長期的な信頼関係を築く秘訣です。
サプライヤーの立場:バイヤー目線のリスク把握力を磨く
バイヤーが何を重視しているのか?
どの工程でミスが起きやすいのか?
自社の現場を第三者視点でチェックし、バイヤーの期待を超える改善提案やヒヤリポイントの見える化を行うことで、差別化と信頼構築が可能になります。
まとめ:新時代の「現場力」は“人と仕組み”の両輪で進化する
ポカミス予防とルール指導は、単なる注意喚起やルールの押し付けではなく
現場スタッフ一人ひとりが納得し、役割意識とやる気を持てる「仕組み」と「人」の両輪が不可欠です。
属人的な体質から脱却し、チームで成長を喜び合える文化を根付かせる=現場の自動化・デジタル化と同時に、“人間力”を生かした指導・評価が要求される時代です。
現場で長年培ったノウハウと現代のデータ活用、カイゼン文化を融合させ、
ぜひ皆さんの現場で「ポカミス撲滅」と「部下のやる気引き出し」にチャレンジしてみてください。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
ユーザー登録
受発注業務の効率化だけでなく、システムを導入することで、コスト削減や製品・資材のステータス可視化のほか、属人化していた受発注情報の共有化による内部不正防止や統制にも役立ちます。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)