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投稿日:2026年1月11日

ショットブラスト装置で使うフィルターハウジング部材の製法と漏気対策

ショットブラスト装置で使うフィルターハウジング部材の製法と漏気対策

ショットブラスト装置は、自動車、鉄鋼、建機、精密部品など、幅広い分野の製造現場で活用されています。
高い生産性とクリーンな作業環境を維持するためには、効率的で信頼性の高い集塵技術が欠かせません。
その中でもフィルターハウジングは、集塵効率を左右する要となる重要部材です。
本記事では、製造業の現場で20年以上勤務してきた視点から、フィルターハウジングの製法、漏気対策、そして現場で今なお残るアナログ的発想と最新技術導入のバランスについて深掘りしていきます。

ショットブラスト装置の集塵機構におけるフィルターハウジングの役割

なぜフィルターハウジングが重要なのか

ショットブラスト作業では、メディア(投射材)による研掃で大量の粉塵や微細な粒子が発生します。
これらを効率良く捕集・分離しないと、作業環境の悪化だけでなく、集塵機本体や周辺機器の故障・劣化を招きます。
フィルターハウジングは、フィルターカートリッジを納めて粉塵をろ過しつつ、外部との通気流路を制御することで、漏気や集塵効率低下を防ぐ中核部品となります。

重要なファンクションと要求性能

フィルターハウジングには以下のような機能・性能が求められます。

– 高い気密性による漏気防止
– 堅牢な構造で長期使用に耐える耐久性
– 集塵効率を損なわないエアフロー設計
– メンテナンスのしやすさ(フィルターの交換性など)
– 粉塵の飛散や二次漏出の防止

これらを達成するには、いかにして精度高く、かつ現場のメンテナンス作業者が困らない設計・製造を行うかが大きなポイントとなります。

主要な製法と工法の違い、現場の工夫

一般的なフィルターハウジングの製法

工場現場で使用されるフィルターハウジングは主に下記のような製造手法で作られます。

1. 溶接構造(鉄・SUS溶接、リブ補強など)
2. ボルト・ナットによる着脱式筐体(メンテ性重視)
3. ロール成型やブレーキプレスによる曲げ加工品
4. レーザー加工などによる高精度部品の組み合わせ

現場では、溶接で強固に密閉した全溶接構造が多用されます。
しかし最近では、フィルター交換効率や現場内の動線改善に配慮し、着脱式ボルト構造や締結用クランプバンドなども選択肢に入っています。

製法選定におけるアナログとデジタルのせめぎ合い

昭和時代から続く「とにかく頑丈に作る」「漏れたら全部やり直し」といった職人気質が、今も現場の根底に残っています。
一方、データ分析やエアフローシミュレーションによる“漏れにくさ”の可視化も年々進化しています。
しかし、中小工場では「経験値が全て」という空気が色濃く、最新設計を導入しても結局最終判断は現場技術者の目視・感触によるケースが多いのが実情です。

漏気対策の実践ポイントと現場の工夫

主要な漏気原因とその傾向

フィルターハウジングの“漏気”は、ショットブラスト装置性能を大きく低下させるリスク要因です。
主な原因は以下となります。

– ハウジング部の溶接不良・ピンホール
– パッキン(ガスケット)の経年劣化や初期締付不足
– ボルト締結部の緩みや取付誤差
– 複合部品間の寸法ばらつきや装着ミス

現場のトラブル報告で多いのは、パッキンの「ちょい漏れ」と、微細な溶接歪みによる「無自覚な漏気」です。

現場で実践される漏気対策

1. 初回組立時のチェックリスト徹底
組立工程ごとに漏気ポイント(ガスケット、溶接部、差込口など)をリストアップし、現場作業員が“目で見て手で触って”チェックします。
これにより、ヒューマンエラーを大幅に抑制できます。

2. シール材・パッキンの定期交換ルールの制定
営業運転開始後、半年~1年ごとに必ず主要パッキン類を交換する運用基準を設けることで、「効いているようで効いていないパッキン」を極力減らします。

3. リークテストの標準化
組立後の負圧テスト(煙/ミストによる可視化、圧力損失の測定)を定型作業とすることで、漏気の未然防止率を劇的に引き上げています。

4. 追加対策:現場発“職人ワザ”
特に老朽化した装置の場合、現場の工夫による“隙間埋め”や、“養生テープ、シール材補強”等の一時対応も現実的な手段として用いられます。

最新動向と今後の方向性

デジタル化・DX推進の波とハウジング部の進化

近年はIoTを活用した集塵装置の状態監視や、AIによるリーク予測技術も登場しています。
また、ハウジング部材の製造においても、溶接ロボットによる高精度溶接、設計段階でのリーク予測CAE(シミュレーション)などが導入され始めました。

しかし、日本の多くの現場では、
「過去の実績ベース」「人的メンテナンスへの依存」がまだまだ主流です。
だからこそ、アナログ的工夫(例:パッキンのダブル施工、シール材の厚盛り、定期点検の徹底)を組み合わせることが現時点で“最強の対策”となっている現場が多いのです。

今後のフィルターハウジング供給側(サプライヤー)の役割

調達担当としては、次の観点が重要になります。

– 製法のトレーサビリティ管理(いつ、どこで、誰が、どう作ったか)
– 誰が作っても均質な仕上がりになる標準化設計
– 部品交換やリーク修理のしやすさを意識した設計(メンテナンスフリー化)
– 現場からのフィードバックを反映した小回りの利く改善

サプライヤー自身も、「現場の苦労」を知ることで、より良い製法や素材選択、メンテナンス性向上につながるヒントが得られます。

まとめ:ショットブラスト現場における真の競争力とは

昭和型アナログ工法の伝承と、最新デジタル技術の融合。
その両輪こそが、ショットブラスト装置のフィルターハウジング加工・運用の理想像です。

机上の設計データだけでなく、“現場の知恵”を柔軟に組み込むこと。
そして、漏気を「根本から絶つ」ために現場・調達・サプライヤーが一丸となり、“見える化”“標準化”“定期改善”を絶えず繰り返すことこそ、現場競争力の源泉になります。

この記事が、製造業に携わる全ての方の参考となり、より安全で高効率なショットブラスト装置の運用に貢献できることを願っています。

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