- お役立ち記事
- 熱可塑性CFRPの製造法と融着接合技術および最新技術動向
熱可塑性CFRPの製造法と融着接合技術および最新技術動向

目次
熱可塑性CFRPの基礎知識
熱可塑性CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)は、炭素繊維と熱可塑性樹脂を基材として組み合わせた複合材料です。
このタイプのCFRPは、温度が上昇すると柔らかくなり、冷却すると再び硬化する特性を持つため、再加工やリサイクルが可能です。
その特性により、航空宇宙産業や自動車産業をはじめとする様々な分野で注目されています。
熱可塑性CFRPと熱硬化性CFRPの違い
熱可塑性CFRPと熱硬化性CFRPの主な違いは、樹脂の特性にあります。
熱硬化性CFRPは、一度硬化すると再び成形できない一方で、熱可塑性CFRPは加熱により再成形が可能です。
これにより、熱可塑性CFRPはリサイクル性が高く、製造プロセスでも短時間で成形できる利点があります。
熱可塑性CFRPの製造法
プリプレグ法
プリプレグ法は、熱可塑性樹脂を炭素繊維にあらかじめ含浸させたシート状の「プリプレグ」を用いる製造法です。
このシートを金型に積層し、加熱と圧力を加えることで成形します。
短時間で製品化できるため、生産性が高く、大量生産に向いています。
フィラメントワインディング法
フィラメントワインディング法は、熱可塑性樹脂でコーティングされた炭素繊維を回転する金型に巻きつける製造法です。
この方法は、円筒形状の製品製造に適しており、高強度な製品を比較的簡単に作れることが特徴です。
オートクレーブ成形法
オートクレーブ成形法は、高温高圧のオートクレーブ装置を使用して成形する方法です。
この方法を用いることで、複雑な形状の製品を高品質に仕上げることが可能ですが、設備投資が大きいというデメリットもあります。
融着接合技術
熱可塑性CFRPの接合には、樹脂の特性を活かした融着接合技術が利用されます。
以下では、代表的な融着接合技術について解説します。
超音波溶着
超音波溶着は、超音波の振動を用いて、接触面を局所的に加熱し溶着する技術です。
短時間で接合できるため、組み立て工程が効率的に行われます。
レーザー溶着
レーザー溶着は、レーザーを用いて局所的に高温を発生させ、材料を溶かして接合する方法です。
接合部の精度が高く、複雑な形状にも対応可能ですが、設備費用が高い点が注意です。
最新技術動向
近年、熱可塑性CFRPの市場は急速に成長しています。
その要因として、耐熱性や耐久性の向上といった材料特性の向上、コスト削減、生産プロセスの効率化に寄与する新技術の開発があります。
自動化の進行
製造業全般に言えることですが、CFRP製のプロセスも自動化が進んでいます。
自動化による生産効率の向上と、一貫した品質の維持が求められる中で、この分野の技術革新は止まることがありません。
リサイクル技術の発展
環境への負担を減らす目的から、熱可塑性CFRPをリサイクルする技術が着目されています。
炭素繊維を再利用することにより、材料コストの削減と持続可能な製造プロセスの確立が課題となっています。
まとめ
熱可塑性CFRPの製造にはさまざまな方法があり、各方法にはそれぞれ利点と課題があります。
また、これらの材料の接合技術は融着接合が主流であり、この分野の革新によって製品の品質とコストに大きな影響を与える可能性があります。
特に自動化やリサイクル技術の進展に期待が集まっています。
製造業において、これらの技術を理解し、いかに現場で活用するかが、競争力の鍵となるでしょう。
資料ダウンロード
QCD管理受発注クラウド「newji」は、受発注部門で必要なQCD管理全てを備えた、現場特化型兼クラウド型の今世紀最高の受発注管理システムとなります。
NEWJI DX
製造業に特化したデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現を目指す請負開発型のコンサルティングサービスです。AI、iPaaS、および先端の技術を駆使して、製造プロセスの効率化、業務効率化、チームワーク強化、コスト削減、品質向上を実現します。このサービスは、製造業の課題を深く理解し、それに対する最適なデジタルソリューションを提供することで、企業が持続的な成長とイノベーションを達成できるようサポートします。
製造業ニュース解説
製造業、主に購買・調達部門にお勤めの方々に向けた情報を配信しております。
新任の方やベテランの方、管理職を対象とした幅広いコンテンツをご用意しております。
お問い合わせ
コストダウンが利益に直結する術だと理解していても、なかなか前に進めることができない状況。そんな時は、newjiのコストダウン自動化機能で大きく利益貢献しよう!
(β版非公開)