投稿日:2025年8月10日

空間演出プロジェクションディフューザーOEMがライト&香り同期シーンを生成

空間演出プロジェクションディフューザーOEMがライト&香り同期シーンを生成

工場での長年の現場経験を経て、近年急速に注目を集めている「空間演出プロジェクションディフューザーOEM」について解説します。

この分野はインテリア業界やエンターテインメント事業、さらにはオフィスやリテール空間における“体験価値の最大化”という新たなニーズの中で、製造業にも大きな変革をもたらしています。

従来は照明と香りのコントロールが別々で管理されていましたが、光と香りを連動させた空間設計が注目されているのです。

バイヤーや購買担当、サプライヤーの立場からも、その背景や開発プロセス、そして業界のパラダイム転換を読み解き、成長市場にしっかりアプローチできるヒントをお伝えします。

プロジェクションディフューザーとは何か?

まず、プロジェクションディフューザーとは何かを解説します。

これは、LEDなどの光源による映像・照明演出と、アロマ機能を高度に組み合わせ、空間全体を“香りと光”の演出で統合的にコントロールする装置です。

ホテルや商業施設、医療・介護施設、さらにはウェルビーイングに関心の高いオフィスや住宅市場でも次第に脚光を浴びています。

OEM(Original Equipment Manufacturer)という形で多様なブランドやコンセプト向けにカスタマイズされる点が利用拡大のカギです。

昭和的アナログ管理からの脱却とプロダクト開発の進化

製造業の現場では長らく「品質管理重視」「標準化徹底」「在庫最適化」などのキーワードが中心でした。

しかし、空間価値や五感体験が新ビジネスの基軸になる時代、既成概念から飛び出したラテラルな発想が求められています。

例えば、従来のディフューザーは香りを定量的に拡散するだけ、照明装置は明るさや色味の調整のみでした。

現場としては、それぞれの機器を独立して管理・調達し、セットアップにも工数や手間が多く発生していたのです。

これに対しプロジェクションディフューザーは、IoT+センサー制御技術を組み合わせ、シーン(光・香り・音など)のプリセットパターンや自動最適化を実現しています。

昭和的なアナログ管理を超え、デジタル&カスタマーエクスペリエンス(CX)志向のモノづくりに跳躍した事例と言えるでしょう。

OEMにおける商機とパートナーシップ構築

OEM開発の最大の強みは、多様な顧客ニーズにきめ細かく応えつつ、自社独自のノウハウやアセットを活かせる点にあります。

自動車・家電などの歴史的なOEM事業と比較し、空間演出プロジェクションディフューザー分野では以下のような特徴が見られます。

・ターゲット業界が、インテリア、ヘルスケア、エンターテインメント、オフィス、飲食・店舗など多岐にわたる
・アプリ連携やサブスクリプション型ビジネス(消耗品、演出パターンの追加販売)など周辺サービス拡張が容易
・IoT・センサ技術の進化によってパーソナライズやデータ収集が可能

バイヤーにとっては、こうした新規性を持つパートナー候補企業との提携が、自社ブランドに差別化や付加価値をもたらします。

サプライヤー側は設計力・量産体制・品質保証・ソフトウェア連携力などを総合的に示しつつ、ユーザー体験(UX)中心のストーリーを提案できるかどうかが大きなカギです。

プロジェクションディフューザー開発現場のリアル

実際の開発現場では、幾つかの課題が浮上します。

まず、香りと光の同期=シンクロ制御は想像以上に高度な技術力が要求されます。

使用されるエッセンシャルオイルやフレグランスが揮発・残留する時間、空間ごとの空調/換気条件、照明角度や調光の繊細な調整――これら一つひとつに職人技と言えるノウハウが介在しています。

筆者が現場で感じたリアルな“あるある”として、昭和型ライン現場のベテラン作業員からは「こんなハイテク要らない」「簡単に壊れそうで面倒」との声が漏れることも珍しくありません。

しかし新しい市場は、そうした“昭和の壁”を現場の職人とエンジニアが一緒になって乗り越えることで、はじめて生まれます。

私はこうした“巻き込み型開発”を多く経験しましたが、ディフューザーや照明の新パーツ試作、IoT連携テストで何度も現場と議論を重ねました。

この泥くさいコミュニケーションこそ、日本の製造業がグローバルで戦う強さの源泉なのです。

空間演出×DXが製造業バイヤーにもたらす変化

バイヤー目線でプロジェクションディフューザーが魅力的な理由は、製販両面のDX(デジタルトランスフォーメーション)が一気に進む点です。

– 企画段階からリアルな顧客体験をバーチャルシミュレーションで再現
– サプライチェーンでの計画生産・受注生産のきめ細かい制御
– IoT解析によるユーザー行動データの収集・可視化
– ライフサイクル型のメンテナンスサービスや追加販売チャネルの確立

こうしたDXの流れは、従来の部品スペック重視から「トータルな体験価値最適化」への調達意識の変化を生んでいます。

ビジネスモデルとしても「ハードを売る⇒体験を提供するサービスを売る」転換が進行中です。

これからバイヤーを目指す皆さんには、ぜひ“体験シーン提案型”の新しいOEM戦略を発想してほしいと思います。

サプライヤーが理解すべきバイヤーインサイト

サプライヤーとしてOEMビジネスに絡む際、単に“安く作ります” “高品質保証します”だけでは勝ち残れません。

バイヤーが本当に求めているのは、その製品を介して自社のブランド価値をどう高め、ユーザーの心をどう掴むかという“Why”の部分です。

・「なぜこのシーンでこの香りなのか?」
・「このライトパターンはどんなリラックス効果をもつのか?」
・「メンテ性やランニングコストは現場導入後どう変わるか?」

こうした“顧客の成功”ストーリーを具体的に語れる提案力こそ、これからのOEMサプライヤーに求められる時代です。

終わりに:日本の製造業が生き残る道

空間演出プロジェクションディフューザー市場は、まだ成長初期にあります。

しかし、日本の製造業がグローバルで再躍進するためには、昭和から続く“ガラパゴス化したアナログの殻”を打ち破り、体験価値で勝負するモノづくりに挑む必要があります。

OEM開発に取り組む現場やバイヤー、そしてこれからサプライヤーとしてチャレンジしたい方――現場のリアルを踏まえ、枠にとらわれずに“新しい地平線”を開拓するマインドセットが最大の武器になると確信しています。

空間演出プロジェクションディフューザーという新しい市場を通し、日本発で世界を驚かせるモノづくりの未来を、ともに創っていきませんか。

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