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レコード収納ラックOEMでコレクター満足度を上げる耐荷重モジュール設計

目次
はじめに:レコードブームとOEM収納ラック市場の動向
レコードの人気再燃がとどまるところを知りません。
若年層を中心にアナログレコードの音質や所有感が再評価され、市場全体としても売上が右肩上がりの状況が続いています。
それに呼応して、レコード収納ラックの需要も拡大の一途をたどっています。
この躍進を支えるのがOEM(相手先ブランドによる生産)による高付加価値ラックの存在です。
OEM生産による収納ラックは、各ブランドのニーズやコレクターのこだわりを反映しやすい特徴があります。
とりわけ、「レコードラックの耐荷重モジュール設計」は、コレクター満足度を決定づける重要な要素となっています。
この記事では、製造現場から見た耐荷重モジュール設計の実際と、そのポイントがコレクターの心をつかむ理由を紐解きます。
耐荷重性能が重要視される理由と現場目線の課題
レコードコレクターが抱える収納の悩み
レコードは一点あたりの重量が意外とあります。
また、盤だけでなくジャケットの保護スリーブやボックスセットなど、コレクターの所有物は多岐にわたります。
そのため、
・ラックの棚がたわむ、
・支柱がゆがむ、
・横置きの場合は積層による下部への過負荷で破損する
といった収納トラブルは、現場でよく見聞きする課題です。
アナログ業界に根付く「安全率」の伝統と現代的要求
製造業界では昔から“安全率”という考えが根強く、設計では想定荷重の2~3倍を見込むのが常です。
しかし、多様化するコレクターのライフスタイルや収納スタイル、さらには欧米への輸出対応などで、最近は「個別対応型」の耐荷重設計が求められるようになりました。
このトレンドを適切につかみ、OEM生産に落とし込むには、従来の頑丈さ一辺倒ではなく「過剰品質を見直しつつ、最適な設計に落とし込む」視点が不可欠です。
耐荷重モジュール設計の本質とOEM現場での最適解
モジュール式構造のメリットと設計ポイント
耐荷重設計の要点は、重いものを「しっかり支える」だけでなく「必要な場所に必要な強度を与える」点にあります。
現代のOEMでは、モジュール化されたユニット設計(例:1ブロック当たりの耐荷重60kgなど)は、以下のメリットを生みます。
- ユーザーが必要な棚数・構造にカスタマイズしやすい
- 量産性向上によるコストダウン
- 物流や輸送での破損トラブル低減
- 不慮の事故時にも「最小単位での耐荷重確保」が容易
この設計思想こそ、現代のレコードコレクション事情に最適なモジュラーアプローチと言えるでしょう。
OEMならではの課題:二次加工・素材調達・組立工程
現場視点で見ると、OEM受託では次のような課題対応が重要です。
- 顧客ブランドごとに指定素材・表面加工・色味・装飾の違いがある
- 各部品の強度を維持しながら、見た目・触り心地・納期を両立させる
- 海外輸送用のパッケージ設計や耐久テストも求められる
特に、棚板・支柱・連結部等の強度計算や負荷分散設計は、熟練の現場エンジニアによる微調整が不可欠です。
標準的なJISやISO規格も参照しつつ、それぞれの顧客要望に合わせて「ちょうどよい剛性」を設計し直す地道な作業が現場では繰り返されています。
バイヤー・サプライヤー双方に求められる“共創”の姿勢
OEMバイヤーの視点:「売れるモノ」づくりへの要求
OEMバイヤーの多くは、たんなる「強いラック」よりも、コレクターの潜在欲求を発見して「差別化された体験価値」を生み出せる商品を望みます。
例えば、
- レコードジャケットを立てかけてディスプレイできる収納モジュール
- ユニットの組み替えでサイズ拡張・分割利用ができる構造
- 工具不要・ワンタッチで組立て可能なユーザビリティ
- スマートホーム連携やLED対応のオプション機能
こうした「技術的難易度がやや高いが付加価値の高い仕様」を、サプライヤーと協力して実現するバイヤーが市場で強い存在感を放っています。
サプライヤーが実践すべき“ラテラルシンキング”
日本のアナログ製造業では、未だに「前例踏襲」や「コスト重視」の設計文化が根強く残っています。
しかし、現場から新しい価値を提案できるサプライヤーこそが、今後のOEMビジネスで厚い信頼を勝ち取る時代です。
例えば、モジュール部材へのリサイクル素材活用や、SDGs視点に基づいた設計、エンドユーザーへの直販サポート体制など。
「既存のやり方」に固執せず、常に顧客の一歩先を見越した逆転の発想=ラテラルシンキングで新市場を切り拓くことが求められます。
実体験から学ぶ!耐荷重モジュール設計の現場ノウハウ
現場エンジニア視点の“設計あるある”とその解決策
長年工場現場にいると、図面と実物のギャップにしばしば直面します。
「仕様上はクリアしていたはずが、実際には片寄荷重で変形した」「コレクターの想定以上に棚板へ一極集中で荷重がかかった」などです。
現場ではこれらを
- 荷重分布を均一化する補強桟の追加
- 支柱・ジョイント部の肉厚強化
- 部品同士の緩み防止構造の独自開発
といった「後出し抑止対策」で乗り越えてきました。経験則による“現場の知恵”の蓄積こそ、OEMで高耐荷重製品を安定供給できた真の資産と言えるでしょう。
試作・評価・フィードバックの徹底的サイクルが鍵
理想的な耐荷重収納ラックとは、「見た目の美しさ」と「長期使用に耐える堅牢さ」との両立です。
これを実現するには、
・実機による加重試験
・各ユニットごとの耐久判定
・組み立て時のミス発生率評価
・コレクター実使用テストによる追加改善
など、地道で愚直なサイクル運用が欠かせません。
また、トラブルがあれば隠さず原因究明し、再設計・再検証・実装まで現場と開発陣が一体でPDCAを回す風土が、結局は“壊れにくいラック”づくりに直結します。
OEMメーカー選びとモジュール設計カスタマイズのポイント
バイヤー視点からのサプライヤー評価軸
バイヤーとしてOEM委託先を選ぶ際は、価格・納期・ブランドフィットの他に以下も特に確認してください。
- 耐荷重試験実績や第三者認証の有無
- 短納期・少ロットでの試作対応力
- 改良提案やミス発生時のリカバリー対応力
- 輸出入ラベルや組み立て説明書の多言語対応
また、自社ブランドの成長に向けて「オリジナルユニットの設計自由度をどこまでサプライヤーが許容できるか」も大きな差別化要素となります。
コレクター満足度を高める細部設計とは
真にユーザー満足度を高めるポイントは「耐荷重数値」そのものより、「長く大事に使える体験」です。
たとえば、
- 角部の面取り仕上げや、すべり止めゴムなど安全配慮の工夫
- 仕上げ塗装の質感や、収納時の静音性(軋み音の低減)
- ユーザー自身が増設・カスタマイズした際も十分な強度が持続
- 「アンプやスピーカーも同時収納したい」という複合需要への設計柔軟性
こうした“気配り設計”をOEMでしっかり表現できてこそ、本物志向のコレクターをリピーターにできるはずです。
まとめ:製造現場発、進化しつづける耐荷重収納ラックの未来
OEMによるレコード収納ラックのモジュール耐荷重設計は、今や「売れ筋商品を創る」だけでなく「使う人の未来まで支える価値づくり」の現場になりました。
製造現場からの実践的ノウハウと、新たな顧客価値を実現するラテラルシンキングこそが、アナログ業界の“昭和からの脱却”を実現する大きな推進力になります。
バイヤーもサプライヤーも、ぜひ日々の現場から生まれるアイデアを大切に、これからも“本当に使いたい”製品の共創を続けていってください。
レコード収納ラックもしくは耐荷重モジュール設計で悩む際は、この記事が「一歩先の提案づくり」のヒントとなることを願っています。
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