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*2025年5月31日現在のGoogle Analyticsのデータより

プロジェクトにおける成功率を高めるリスクの感知力対策立案力の養成特別講座

目次
はじめに:プロジェクト成功への課題と現実
ものづくりの世界に身を置いていると、どんなに精緻な計画を立てても、プロジェクトが当初の目論見通りに進行することは稀であると実感する場面が多々あります。
特に調達、購買、生産管理、そして品質管理といった分野では、一つの小さなリスクの見落としが全体の納期やコスト、品質不良など甚大な影響を及ぼします。
昭和の時代から進化しきれず、今なお紙や電話に頼る現場が多い製造業。
そのため、データによるリスク管理や迅速な意思決定に遅れが生じがちです。
本記事では、製造業の現場で求められる「リスクの感知力」と「対策立案力」を、管理職経験者・現場目線で解説します。
日々の業務改善から会社全体の競争力強化に役立つ内容となるでしょう。
リスクの感知力がなぜ重要なのか
見えないリスクは「地雷」と同じ
工場や生産現場、調達現場には、一見安定して見えても水面下に数多くのリスクが潜んでいます。
例えば部品の納期遅れ、品質不良、サプライヤーの倒産、設備の故障などです。
過去の事例に頼った経験則も重要ですが、時代や技術、社会情勢が変わる中ではそれだけでは不十分です。
織り込み済みと思っていたリスクが、想定外のサイズで爆発するケースも珍しくありません。
早期検知はコスト削減の王道
リスク対応は「早ければ早いほど安い」の法則があります。
初期段階で異変を察知できれば、最小限の手間やコストで是正措置が打てます。
逆に発見が遅れると、修復に膨大な時間とコストを要し、時には顧客を失う致命傷になります。
徹底したリスク感知力の強化は、最終的に企業の競争優位性につながります。
昭和的アナログ文化が「リスク感度」を鈍らせる理由
情報の属人化とサイロ化
・報告書が紙のみで回ってくる
・会議体や調整が担当者個人の能力頼み
・ヒヤリハットが口頭報告のみ
このような状況は、リスクの兆候が組織全体に見える化されず、「察知もできない」状態を生みます。
現場で案件を経験豊富なベテランに頼り切り、若手や異動者には「雰囲気で覚えろ」と精神論や暗黙知を強要しがちです。
結果として、イレギュラー発生時に属人的な解釈に頼り過ぎて対策が後手に回ります。
デジタル活用による可視化の遅れ
デジタルツールやIoT活用、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の普及が遅れれば、全体最適化したリスク可視化やボトルネック発見が難しいまま進行します。
アナログ情報主体の現場ほど「わかっているつもり」の落とし穴に陥りやすいでしょう。
リスク感知力を鍛える5つの実践ポイント
1. 過去事例を「見える化」し、資産化する
ヒヤリハット、トラブル、クレーム、工程異常など、過去に発生したすべてのリスク事例をデータベース化します。
誰もが見られるよう分類・整理しておきます。
また「なぜ起きたか」「どう対応したか」を簡素・具体的に記録し、逐次アップデートしていきましょう。
社内の無形知見を最大の武器にすることができます。
2. 現場での「気づき」を仕組み化する
アンケートやWebフォーム、チャットツールを活用して、現場最前線の気づきや小さな違和感を拾い上げる仕組みが重要です。
特に、若手や中途メンバーの新鮮な視点こそが、既存メンバーが「当たり前」と見過ごす兆候をキャッチしてくれます。
形式張った報告書だけでなく、声なき声を日常業務にフィードバックできる環境を用意しましょう。
3. データドリブンな管理、KPI活用を徹底する
定量的にリスクの動きや傾向を捉えることで、感覚や経験だけに頼らないガバナンスが構築できます。
不良率、歩留まり、納期遵守率、部品供給日数など、現場KPIを可視化し、リアルタイムで見えるようにするのです。
これにより「いつもと違う」を誰でもキャッチできる組織体質に近づきます。
4. サプライヤー情報のアップデート、評価体制確立
サプライヤーの経営状態や設備状況、現場作業の変化も重要なリスクファクターです。
単なる価格交渉だけでなく、サプライヤー現場とのコミュニケーション、現地訪問、実地監査を積極的に実施しましょう。
評価点・フォローアップ体制も構築し、リスクの兆候がつかめる仕組みを持っておくことが重要です。
5. 変化兆候をキャッチする「環境スキャン習慣」
ものづくり現場は常に外部要因の変化に晒されています。
顧客市場の動き、競合動向、法規制、自然災害リスクといったあらゆる環境の変化に目を向け、定期的に「何が変わったか?」を会議やミーティングで議論しましょう。
形式ではなく、具体的な変化点を現場目線で洗い出す癖をつけることでリスク感度が鍛えられます。
「対策立案力」を強化する3つの鉄則
1. 原因を深掘りし、真因に辿り着く習慣
リスク事例が発生した際、見かけの現象や一次原因に目を奪われず、「なぜ」「なぜ」と繰り返し真の原因に迫ることが不可欠です。
よくあるのは、「設備が故障したから仕方ない」「人為ミスだった」で終わってしまうことですが、これでは同じトラブルが繰り返されます。
設備設計思想や教育体制、現場作業環境、マネジメント手法まで遡り「なぜ起こるのか」を執拗に探求してください。
2. 対策はシンプル、即効性重視+多層防御
現場改善の鉄則は「できることから、早く」。
対策は20のアイデアより1つの即効策。
ちょっとした掲示・色分け・チェックリスト導入といった“すぐできる策”を積み上げましょう。
また、1つのミスで致命傷にならないよう、フェイルセーフ設計、ダブルチェック体制、ヒューマンエラー防止措置など多層防御を意識してください。
3. 横展開と仕組み化で「属人化」を断つ
優れた対策も特定現場・担当者だけのもので終わっては体質は変わりません。
実施した改善を全社的に横展開し、定着するルールや手順、マニュアルへ落とし込むこと。
さらに定期的な見直し、アップデートまで行い、組織全体の進化に繋げることが絶対条件です。
リスク感知と対策立案の「思考トレーニング」手法
ケーススタディとワークショップの活用
日常業務の延長では気付きにくいリスクも、異なる視点から事例を俯瞰的に検討することで感度が上がります。
・実際にあった失敗事例の再現シミュレーション
・他社・異業種事例のディスカッション
・リスクシナリオ作成と対応ワークショップ
上記を定期的に実施することで「なぜ失敗したか」「自社ならどう防ぐか」の思考を養えます。
異分野知識との組合せ(ラテラルシンキング)
例えば、流通業界の在庫リスク管理、金融業界の信用リスクの手法を参考に、製造業でも応用の余地は多く存在します。
ラテラルシンキングで異なる発想を取り入れ、自社流にカスタマイズすることで新たなリスク対策の地平が開けます。
「他業界ではどうしているか?」を考え続けましょう。
「バイヤー」としてのリスク感知・対応力強化のポイント
調達現場に必須のリスク視点
バイヤーは価格や納期のみならず、品質・供給安定性・地政学リスクも見抜く力が必要です。
サプライヤー選定時に、単なるスペック比較ではなく
・調達先の経営状態、海外拠点の状況
・代替策や第二ソースの確保
・グローバルな物流の動向(パンデミックや紛争の影響も)
といったマクロな視点からリスク目線を持つことが必須になります。
サプライヤー側へ「リスク感度」の伝播も
バイヤーが強いリスク管理意識を持つと、サプライヤー側も「自動的に」気を引き締めます。
・異常納期や品質低下の予兆情報を早期に共有する
・共に改善策を考える協働体制
・情報隠し厳禁の高信頼の関係構築
これがサプライチェーン全体の強靭化に直結します。
まとめ:アナログ業界に根付く“新しい感性”を磨こう
製造業は、今なお昭和的現場力が強いアナログ文化が根本にある一方、世界的な環境変化やデジタル化の波に揉まれています。
「リスクの感知力」と「対策立案力」は、現場・管理職・バイヤーといった立場を問わず、全員が磨き続けるべき一生ものの武器です。
属人化を排し、情報共有と仕組み化を進めながら、変化に気付き・考動する組織体質へ――。
今日から一人ひとりが小さなアクションを積み重ねることで、製造業全体が新たな地平線へと踏み出すことができるでしょう。
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