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投稿日:2026年10月16日

ねじ込み式管継手(JIS B 2301・B 2302)の指定——白・黒、大きさの呼び、SGP との組合せ

この記事のポイント(結論先出し)

ねじ込み継手のうち、エルボやチーズ(T)などの可鍛鋳鉄製は JIS B 2301、ニップルとソケットの鋼管製は JIS B 2302 の規格で、どちらも主に配管用炭素鋼鋼管(SGP)を使う一般配管(飲料用の水を除く)が対象である。継手の大きさは「1/2」「3/4」のように管用テーパねじ(JIS B 0203)のねじの呼びで呼ぶのが規格の決まりで、15A・20A などの呼び径で呼ばない方がよいとされている。白(めっき)と黒(鋳放し・無めっき)は表面の状態の区分で、可鍛鋳鉄の継手などの白の溶融亜鉛めっきはねじを切る前に施すので、ねじ部にはめっきが残らない。JIS B 2301 の最高使用圧力は、可鍛鋳鉄(FCMB27-05 など)で 120 ℃以下の静流水 2.5 MPa、300 ℃以下の蒸気・空気・ガス・油 1.0 MPa である。発注では規格番号・形式(I 形か II 形か)・形状・白か黒か・大きさの呼びをこの順で書く。

ねじ込み継手の JIS は 2 本——可鍛鋳鉄製(B 2301)と鋼管製(B 2302)

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現場で「ねじ込み継手」と呼ぶ部品は、主に二つの JIS に分かれている。一つは JIS B 2301(ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手)で、エルボ・T・クロス・ソケット・ブッシング・ニップル・キャップ・プラグ・ユニオンなど多くの形状を扱う[1]。もう一つは JIS B 2302(ねじ込み式鋼管製管継手)で、鋼管から作るバレルニップル・クローズニップル・ロングニップル・ソケットの 4 種類だけを扱う[2]。どちらも 2013 年 11 月 20 日に改正され、2023 年 10 月 20 日に確認されている[1][2]。

二つの規格の適用範囲はそろっていて、水・油・蒸気・空気・ガスなどの一般配管に用いる継手である。ここでいう水は雑用水・消火用水・工業用水・空調用冷温水・冷却水などで、飲料用水は除く。一般配管は主として配管用炭素鋼鋼管を使う配管で、高圧用・電線管用などの特殊な配管は除くとされている[1][2]。飲み水の配管や電線管には、この 2 つの規格の継手をそのまま当てはめない。

管の側の JIS G 3452(配管用炭素鋼鋼管)も、ねじ付管の一端には JIS B 2301 または JIS B 2302 の継手(ソケット)を 1 個ねじ込むと定めている[4]。SGP とこの 2 つの継手規格は、組で使うことを前提にした規格である。管の指定はSGP の指定の記事で扱っている。

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「1/2」と「15A」:継手の大きさはねじの呼びで呼ぶ

JIS B 2301 と JIS B 2302 は、継手の大きさを JIS B 0203(管用テーパねじ)のねじの呼びに基づいて呼ぶと定めている。ただし呼びには R・Rc・Rp の記号を付けない[1][2]。継手の大きさの呼びと呼び径の対応は表で示されていて、1/2 が 15A、3/4 が 20A、1 が 25A、2 が 50A に当たる。そのうえで規格は注記で、呼び径(A)や呼び径(DN)を継手の大きさを呼ぶのに用いないほうがよいとしている[1][2]。

管は呼び径(50A・2B)で、継手はねじの呼び(2)で呼ぶので、発注書と現場の会話で単位系が混ざりやすい。社内の品目マスタで「継手 50A」と登録していても、仕入先への発注書は規格どおり「2」と書いたほうが食い違いが起きにくい。

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径違い継手の呼び方の順序も決まっている。口が 2 個なら大きい方を①、小さい方を②として「①×②」、口が 3 個(T)なら同じ中心線上の二つを①・②、残りを③として「①×②×③」と呼び、①と②が同じ径で③だけ小さいなら②を省いて「①×③」としてもよい[1]。たとえば「T 1×1×3/4」は「T 1×3/4」と書ける。この順序を知らずに枝の径を先に書くと、別の継手が届く。

ねじの組み合わせ:おねじはテーパ、めねじはテーパか平行

JIS B 2301 の継手の接合ねじは JIS B 0203 の管用テーパねじで、めねじはテーパねじと平行ねじのどちらでもよいとされている[1]。JIS B 2302 では、ニップルのねじはテーパおねじ、ソケットのねじは平行めねじと決まっている[2]。JIS B 0203 は、テーパおねじを R、テーパめねじを Rc、平行めねじを Rp の記号で表し、この規格の平行めねじは管用テーパおねじに対して使うもので、JIS B 0202 の管用平行ねじとは寸法許容差が違うと書いている[3]。

JIS B 0203 は参考として、この規格の平行めねじと JIS B 0202 の管用平行おねじを組み合わせる場合は、関連する製品規格でめねじの寸法許容差を考慮しなければならず、そのような組合せでは耐密性を確保できないことがあるとも書いている[3]。ねじ込み継手に機器をつなぐときは、機器側のねじが R(テーパ)か G(平行)かを確かめる。ねじの検査は、継手の接合ねじを JIS B 0253 のゲージで行うとされている[1]。

白と黒:めっきはねじを切る前、付着量は継手と管で基準が違う

JIS B 2301 の表面の状態による種類は、鋳放し・めっき・コーティング・外面樹脂被覆の 4 種類で、呼び方では鋳放しを「黒」、めっきを「白」と呼んでもよい。コーティングと外面樹脂被覆は I 形の継手だけに適用する[1]。JIS B 2302 は無めっき・めっき・コーティングの 3 種類で、無めっきを黒、めっきを白と呼んでもよい[2]。

JIS B 2301 の可鍛鋳鉄の継手と JIS B 2302 の継手のめっきは溶融亜鉛めっきで、ねじ切り(ねじ加工)の前に施すと決まっている。JIS B 2301 で可鍛鋳鉄以外の鉄系材料を使う継手の表面処理は、受渡当事者間の協定による[1][2]。完成品のねじ山は削った面なので、亜鉛は残らない。ねじ部の防食は配管工事の側で考える。付着量は、間接法で求めるなら 5 個の平均で 500 g/m² 以上・各 450 g/m² 以上、膜厚で求めるなら平均 70 μm 以上・各 63 μm 以上、硫酸銅試験なら 5 回浸せきして終止点に達しないこと、のいずれかの方法で確かめる[1][2]。

継手と管の白の基準は同じではない。空調・消火などの水配管に使う JIS G 3442 の水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW)は、付着量の平均 600 g/m² 以上・個々の値 550 g/m² 以上、硫酸銅試験で 6 回以下で終止点に達しないことを求めている[5]。管と継手を「どちらも白」とまとめて手配せず、それぞれの規格で白を指定する。継手の白の合否は、JIS B 2301・B 2302 が自分で決めている付着量・膜厚・硫酸銅試験の規定で見る(溶融亜鉛めっき一般の指定は溶融亜鉛めっきの記事で扱う)。

使える圧力と温度——JIS B 2301 の表 4

JIS B 2301 は、流体の状態と最高使用圧力の関係を表で決めている。材料の区分ごとの値は次のとおりである[1]。

流体の状態 ISO 5922 の JMB/300-6 など JIS G 5705 の FCMB27-05・FCMW34-04 JIS G 5501 の FC200 など
120 ℃以下の静流水 2.5 MPa 2.5 MPa 2.0 MPa
300 ℃以下の蒸気・空気・ガス・油 2.0 MPa 1.0 MPa 1.0 MPa

読み方の注意が三つある。第一に、120〜300 ℃の中間の温度での最高使用圧力は比例補間で求める。脈動水(ほぼ周期的に圧力と流量が変わる水流)は 220 ℃までの温度で使う[1]。第二に、静流水は脈動や過渡的な変動のない水流で、-20 ℃までの静流水には使ってよいが、それより低温での使用は受渡当事者間の協定による。樹脂コーティングした継手は、樹脂に応じた温度範囲で使う[1]。第三に、表の圧力を超えて使う場合は受渡当事者間の協定によるとされ、規格の範囲の外になる[1]。

継手の材料は、JIS G 5705 の FCMB27-05 か同等以上の黒心可鍛鋳鉄、または FCMW34-04 か同等以上の白心可鍛鋳鉄が原則である。ユニオンを除く直線形状の大きさの呼び 3/8 以下の継手と、プラグには、他の鉄系材料を使ってもよいとされている[1]。こうした材料の継手は包装に材料の規格と記号を表示しなければならない[1]ので、受入で包装の表示を見る。JIS B 2302 の継手の材料は JIS G 3452 または JIS G 3454 の鋼管か同等以上のもので、化学成分・機械的性質と鋼管の水圧試験または非破壊検査の規定に適合することを確認したものとされている[2]。

形式による種類(I 形・II 形)と、受渡検査で見るもの

JIS B 2301 には形式による種類が 2 つあり、I 形は従来から国内で生産・使用されてきたもの、II 形は ISO 49 に規定されている形状のものである[1]。形状ごとの主要寸法は I 形と II 形で別の表になっていて、たとえば 90°エルボは I 形が表 A.2、II 形が表 A.24 である[1]。同じ「エルボ 1」でも形式が違えば寸法の表が違うので、既設の配管に合わせる交換品は形式までそろえる。端面から中心までの距離の許容差は寸法の大きさで決まり、30 mm 以下で ±1.5 mm、100 mm を超え 150 mm 以下で ±3.5 mm などとされている[1]。

JIS B 2301 の受渡検査の項目は、材料・めっき・内面樹脂コーティング・外面樹脂被覆(樹脂材料検査を除く)・ねじ・ねじ軸線の狂い・形状寸法・漏れ・外観で、耐圧検査は形式検査の項目で受渡検査には入っていない[1]。受渡検査の抜取検査方式は受渡当事者間の協定による[1]。JIS B 2302 の受渡検査は、ねじ・ねじ軸線の狂い・内面樹脂コーティング・形状寸法・外観で、漏れ・耐圧・めっきは形式検査の項目である[2]。ロットごとに漏れやめっきの確認を求めたいなら、注文で決める。

製品本体には、製造業者名またはその略号と、継手の大きさの呼びを鋳込みや刻印で表示する。ただし小さい製品は一部を省略でき、規格は表示が難しいものの例を挙げている(呼び 1/8 のプラグなど)[1]。JIS B 2302 の製品は、包装に表示すれば本体の表示を省略してもよい[2]。現品だけでは大きさや製造業者が分からないことがあるので、受入の確認は包装単位で行う。

ニップルとソケット(JIS B 2302)の指定

JIS B 2302 のロングニップルは「大きさの呼び×長さ」で表し、規格の表には 50〜300 mm の長さが並ぶ。長さの許容差はマイナス側 0 で、50 mm 以下なら +4 mm、100 mm を超え 300 mm 以下なら +7 mm、300 mm を超えるものは受渡当事者間の協定による[2]。表以外の長さも協定で決めてよいとされている[2]。規格の呼び方の例は「ねじ込み式鋼管製管継手 ロングニップル めっき 1/2×75」である[2]。

バレルニップルとクローズニップルは最小の長さが決まっていて、たとえば大きさの呼び 1/2 のバレルニップルは 34 mm 以上、クローズニップルは 29 mm 以上である[2]。配管の寸法取りでニップルの長さを当てにしているなら、最小値だけでなく発注時に長さを書く。

発注書に書く項目

JIS B 2301 の製品の呼び方は、規格番号(または規格名称)、形式による種類、形状による種類、表面の状態による種類、大きさの呼びの順で、I 形なら形式を省略してもよい。規格の例は「JIS B 2301 I 形 径違いめすおすエルボ 黒 2×3/4」である[1]。これに沿って、次をそろえて書く。

1. 規格番号
可鍛鋳鉄製なら JIS B 2301、鋼管製のニップル・ソケットなら JIS B 2302。

2. 形式
I 形か II 形か(JIS B 2301)。既設品の交換なら既設に合わせる。

3. 形状
エルボ・めすおすエルボ・T・ソケット・ブッシング・ユニオンなど。

4. 表面の状態
黒か白か。コーティングや外面樹脂被覆なら I 形であること。

5. 大きさの呼び
ねじの呼びで書き、径違いは規格の順序で書く。ロングニップルは長さも。

6. 使用条件
流体・温度・圧力。表 4 の範囲を超えるなら協定の内容。

フランジでつなぐ大きい口径の配管はJIS フランジの記事、装置内の樹脂チューブの配管はワンタッチ継手とエアチューブの記事で扱う。保管中の黒の継手のさび対策は防錆の指定の記事、設備の保守部品のうち駆動部はV ベルトとタイミングベルトの記事を参照してほしい。

よくある質問

Q. 白の継手を使えば、ねじ部も亜鉛で守られているか。
A. 守られていない。JIS B 2301 の可鍛鋳鉄の継手と JIS B 2302 の継手は、溶融亜鉛めっきをねじ切りの前に施すと決められている(JIS B 2301 で可鍛鋳鉄以外の鉄系材料を使う継手の表面処理は、受渡当事者間の協定による)。ねじ部は削った面になるので、防食は配管工事の側で考える。

Q. 「15A のエルボ」で発注してよいか。
A. 通じることは多いが、規格は継手の大きさをねじの呼び(1/2 など)で呼ぶとし、呼び径で呼ばない方がよいとしている。発注書はねじの呼びで書く。

Q. 飲料水の配管に使ってよいか。
A. JIS B 2301 と JIS B 2302 の適用範囲の水からは飲料用水が除かれている。飲み水の配管の継手は、別の規格・基準のものを設計で指定する。

Q. 2.5 MPa を超える水配管に使いたい。
A. JIS B 2301 は、表の最高使用圧力を超えて使う場合は受渡当事者間の協定によるとしている。規格の範囲の外になるので、設計者が別の継手を検討するか、製造業者と条件を協定する。

まとめ

ねじ込み継手は、可鍛鋳鉄製が JIS B 2301、鋼管製のニップルとソケットが JIS B 2302 で、どちらも SGP を使う一般配管(飲料用水を除く)向けである。大きさはねじの呼びで呼び、径違いは規格の順序で書く。可鍛鋳鉄の継手などの白の溶融亜鉛めっきはねじを切る前に施すのでねじ部には残らず、付着量の基準も SGPW の管とは違う。JIS B 2301 の可鍛鋳鉄(FCMB27-05 など)の継手は、120 ℃以下の静流水で 2.5 MPa、300 ℃以下の蒸気・空気・ガス・油で 1.0 MPa が上限で、それを超える使い方は協定になる。耐圧は形式検査の項目なので、ロットで確かめたいことは注文で決める。

出典・参考資料

  1. JIS B 2301:2013 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2013 年 11 月 20 日改正・2023 年 10 月 20 日確認)
  2. JIS B 2302:2013 ねじ込み式鋼管製管継手(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2013 年 11 月 20 日改正・2023 年 10 月 20 日確認)
  3. JIS B 0203:1999 管用テーパねじ(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/1999 年 3 月 20 日改正・2024 年 10 月 21 日確認)
  4. JIS G 3452:2026 配管用炭素鋼鋼管(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2026 年 5 月 20 日改正)
  5. JIS G 3442:2023 水配管用亜鉛めっき鋼管(日本産業標準調査会 JIS 検索で閲覧/2023 年 5 月 22 日改正)

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